愛のない世界
「愛と安全を教えてくれるはずの家庭が、最も大きな搾取と裏切りの場となったとき、人はどう生きるのか。」「これは、絶望の底から、もう一度『愛』を定義し直すための物語です。」
始まりはある事故だった…小学校の帰り道、いつもの通学路。ただ、何かが違っていた。その日は、僕の誕生日だった。
いつもの道を駆け足で帰り、幼なじみと楽しんでいた。れい「今日が誕生日だ!」ゆうと、浮かれていた。その浮かれた気持ちのまま、横断歩道があるボタンを押す。青信号になるのが待ちきれない。そう思った瞬間、ろくに左右も見ずに駆け出した。
気づいたら救急車の中だった…。れいちゃん?大丈夫?」と隊員に聞かれた。ぼんやりした意識の中、僕はかろうじて「僕は男の子です…」と答えた気がする。その少し後、「お母さん、これからドクターヘリで近くの大学病院まで運びます」という声が聞こえた。
力尽きた僕は、次に気づいた時には大学病院にいた。
母親が隣にいて顔しか動かせなかった。体がどうなっているのか分からないまま、僕は不安で、ただ「どうしたの?今日帰れないの?」と話したのを覚えている。
その後、僕は緊急手術室から病室に移された。母親はずっとそばにいたが、父親の姿はなかった。
よくよく先生や母親に聞いたら、渡り始めた瞬間に赤信号を無視したトラックに撥ねられたらしい…。そして、右足の皮膚の欠損は予想以上にひどく、意識不明の間に緊急手術が行われていたという。全治数ヶ月。右半身骨折、両手首の擦り傷、そして頭部への衝撃と、右足の皮膚が欠損するという大怪我になった。
その夜遅く、仕事が終わった父親が兄と姉を連れて来た。僕の横には3人とも不安そうな顔でこちらを見詰めていたのを、幼心ながら覚えている。だが、これが崩壊の始まりとは思わなかった
「筆を執ることは、地獄を何度も再体験するような苦しい作業でした。しかし、この物語を書き終えた今、私は初めて『愛のない世界からの卒業』を果たしたと感じています。」




