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第1話 第1の刺客

 王宮の西棟って、まあぶっちゃけ静かすぎてちょっと不気味な場所なんだけど――。


 そんな不気味な場所の、しかも誰も来ないような資料室で、私は汗だくになりながら上司に頼まれた書類をようやく発掘した。


 もう、探すのに1時間くらいかかったよ……。


 で、やっと終わって「ふーっ」と一息ついてるってわけ。少しくらい休んでも良いよね。


 ん? なんでそんなところにいるのかって?

 王宮の事務官として働いているからですわよ。オホホ。


 皆にとっては王宮はキラキラしたイメージなんだろうけど、私にとっては王宮=職場なのです。


 そろそろルカ(私の彼氏)が迎えに来てくれる頃かな〜なんて、ちょっとウキウキしながら晩ご飯の献立を考えはじめたところなんだけど。

 今日あたり、シチューなんてどう? お肉ゴロゴロで、野菜もたっぷり。あ〜ん、ってしたらルカ喜びそうじゃない?


 ――って、そんな時だった。


「……ようやく見つけたわ、ミリア」


 ……え、誰?

 もうね、声が氷点下なの。とにかく怖ぁッって感じでさ。

 背中がゾワッとしたと思ったら、案の定、嫌な予感が的中。


 振り返った先に立っていたのは――まさかの、エレオノーラ様。

 

 ドレスは完璧、宝石もキラッキラ。なのに、顔だけ鬼モード♡


 彼女は、うちの子爵様――つまり私の上司――の奥さんなんだけど。今日はなんか……もう、雰囲気がただならない。


「あっ、エレオノーラ様!? えっと、本日は……何か、ご用ですか?」


 我ながら、バカみたいな声が出た。それより、エレオノーラ様の目つきヤバいって。完全にキレてる人のソレじゃん。


 しかも、なぜか手には抜き身のナイフ持ってるし!?

 いやいやいや、なんで!? 職場だよ!? ここ王宮だよ!?

 あの刃渡り、護身用ってレベルじゃないよ!


 しかもその銀色が窓から入る西日を受けて、めっちゃギラギラしてる。ゲームのラスボスが持ってる武器みたいな迫力。うん、完全に殺る気だねこれ。


「どうした、ですって? よくもそんな白々しい顔ができますわね!」


 エレオノーラ様が叫んだその瞬間、ナイフの切っ先が、私の喉元にピタッ。


 うん、冷たい♡

 じゃなくてっ!!

 

 おおおお落ち着いて! 私、何かしましたか!?

 あれれ、もしかして殺されちゃう!? 王宮で!? 書類探してただけなんだけどぉ!?


「よくも私の夫を誑かしたわね!!」


 ――はい出た、誤解案件でーす!!!!

 

 何の話か、さっぱりわかりませーん!!!

よろしくお願いします。

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