不幸の始まり
隼は自身はもう助からないと覚悟を決めた。何も楽しくなかった人生がむしろ終わるのであれば、そっちの方が気が楽なのだと考えたのだ。そう思い、目を閉じたのだった。
目の前からドカッという音が聞こえ、目を開ける。前には自分と同世代と思われる制服を着た白髪の少年がいた。先ほどの男は頭から血を出し、倒れている。何より、一瞬で移動してきたのを見て、この少年も超能力者であると気づく。少年は隼に目をやり振り返る。
「大丈夫か?この件片付けたら治療するからな。グラビティ…しつけぇんだよ!!いつになったら追跡やめんだ?このストーカー!!」
「ストーカーで結構さ!ナンバーズの君を倒せば昇進するんだよ…だからさ、ものは相談なんだけど死んでくれない?その子もろともね!ワールド.ワイト.トーン!最高出力さ!」
周りの車が徐々に凹んでいく。それを見た少年は指を即座に鳴らす。
「なっ…俺の最大の技が!どうして…なんでだよおお!俺の俺の技わざわざさささささ…」
少年はその隙をつき、隼を運びながら逃げた。少年は鼻から血が出ているのに気づき、静かに拭う。
「くそ…1秒過ぎたか‥」
隼は体温がなくなってくるのを感じ、気を失う。
そこからどれほど経ったのかはわからない。女性と先程の少年の声がぼんやりと聞こえる…
「なんで…こ…なんて!」
「…うるせえな…わ…よ!泉さん…あ、目が覚めた!」
急いで隼は起き上がった。自分に手足があると気づき、手を握ったり離したりした。これは超能力によるもの察した。
「あ…えっと…ありがとうござい…ます…」
女性は隼の頭ポンと手を置き、撫でている。隼は恐怖で涙が止まらなくなっていた。隼は何度もすみませんと言いながら落ち着こうとした。暫くして、隼が泣き止んだ頃に少年は話し始める。
「ごめん…今回は俺のせいでお前を巻き込んじまった…君は何も関係がないんだ。」
「でも、君はなんで…ひっ…」
少年の目を見て、隼は怯えてしまう。女性が目線を手で塞ぎ、哀しい顔をする。
「ごめんね、命を狙われててそれなりの事情があるの…君を襲った人も民間人が多くいる間は襲ってこないはず…だから、これからは人の流れが多い時に行動しな?」
そういい、女性は一緒に家まで送るようにと少年に言う。しばらく歩くと少年が話しかけてくる。
「泉さんはああいってたけど、俺と勘違いして向こうが攻撃しただけだから君を襲うことはまずない。いざとなれば向こうは記憶を消せるからね。」
「え…何それ怖っ!秘密結社かなんか?」
少年はずっと黙っていたため、触れちゃいけことだと隼は察した。それから、何も話すことなく家までついた。隼は事件があったあとだったため、家が輝いて見えた。何気な生活が出来ることがこんなに幸せとは思いしなかったからだ。
「ありがとう、また会おうね!」
「もう、会わねえよ!じゃあ…」
急いで家に駆け込んだ。だが、玄関に入った隼はその場立ちつくし、、恐怖のあまり倒れてしまう。
「どうしてお前が…お前がいるんだよおお!!」
玄間には昼頃に出会った男がいる。奥には倒れて血まみれになってる母親がいた。
「名前は知らないよね…グラビティ.ダイスだ。覚えときな。」
そう言ってグラビティは静かに一歩と一歩ずつ隼の元に近づく。




