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7代目勇者ー勇者をクビになった俺が相棒となら、この世界を救えるのだろうか?  作者: 酒月 河須(さかづき かわす)
第1章 勇者としての始まり
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第16話 依頼任務

本日も投稿しました。よろしくお願いいたします。

「悪いが、リツ。どうやら、王都行きの道が封鎖されているらしい」

二日酔いも少し残る朝、ガシスさんから衝撃の事実を聞かされて、俺とブライは戸惑いを隠せない。


「なんでまた?」


「どうやら、道中でモンスターが出現して、通行の妨げになっているそうだ。冒険者に討伐を依頼したそうだが、帰ってくる気配もなく。手をあぐねているらしい」


「いつから?」


「一昨日からだろうだ。おかげで一昨日以降に首都へ向かおうとする奴らはここで足止めを食らっているらしい」


「首都も近いし、首都からの応援とか来ないんですか?」


「応援にいくほどの人材もいないし、モンスターの脅威度的にもこちらで対応できるだろうってことらしい。だが、派遣した戦闘員との連絡が途絶えたとなると……次に派遣するのはそれ相応の力量がねえと厳しいかもしれない」


『こりゃあ、あれか? トンデモ厄災に備えてこちらにさける人材もいない。この程度のことなら、テメエらで対応しろという、鼻もちならねエやつだろ?』


(言い方は悪いけど、まあ、その通りだと思う)


『けっ、ごタイソウなこった。派遣した奴もやられてる可能性が高いじゃねエか。おい、リツ。こりゃあ、オマエの出番だろ?』


(俺?)


『何を言ってるんだ? こういう時こそ、オマエだろ?』


(それは勇者として?)


『あほんだら。んなみみっちいことじゃねえ。勇者以前に、漢としてに決まってンだろ? 漢なら、ましてや力があンのなら、ここで動かずにどこで動く? 行くっきゃあねえ!』


ブライは一度言い出したら、止まらない。だが、それ以前にこのまま放っておくわけにもいかないとも俺は感じていた。


(分かったよ。受けるよ)


『それでこそ漢だ。心配するな。おれがいるから、ちょちょいのちょいだ』


何がちょちょいのちょいだよ。結構な確率でボロボロになるのに。

俺はそんな言葉を飲み込んだ。


『てめえ、また余計なこと、考えただろ?』

ブライの呼びかけを無視して、俺はガシスさんに承諾の返事をした。


「ガシスさん、俺がその任務を引き受けたいと思うのですが、どこなら引き受けられるのですか?」

リツの返事にガシスの眉間がピクリと動いた。本人にとっては、俺に任務を引き受けてもらいたくて、この話をしたわけではなさそうな様子であった。いつもこの人は俺のことを自分の息子のように想っていてくれている。


「オマエ、病み上がりなのに……大丈夫か?」


ガシスさんの質問に答えようとした瞬間、急に視界が暗転する。また勝手にブライが動き出したのだ。


「大丈夫だ。オッサン。オレがついているし、大事にはならねえさ。それにこのままでは色々と大変だろ?」


「ブライか。気持ちはありがたい。お前さんは確かに強いが、リツとの歩調がかみ合っていると思えん時もある。それにつられてリツも無茶をするようになったと感じる瞬間もある。今回は大丈夫なのか?」


「大丈夫だ。引き際はわきまえている。それに、あんたと交わした約束も忘れちゃいねえ」


『約束? いつそんなこと交わしたの?』

俺にとってそんなことは聞いたことも無い。一体、彼とガシスさんの間にどんな約束をしたのだろうかと思った。


ブライは聞こえないフリをしていた。だが、俺は絶対に聞こえているはずと確信している。なぜなら、ブライは聴力も良いことを知っているから。


(仕方ない。酒で酔った時にでも問い詰めてやろう)

俺がそんなことを思っている間に、ガシスさんは俺達に向けて任務に関する説明を始めた。


「それなら分かった。この任務はギルドカウンターで受け付けられる。ギルドカウンターは市場を抜けて、衛兵の待機所の隣だ」


ガシスさんがすんなりとブライの要望を受け入れるのに、不思議だった。一体どんな約束をしたのか、気になるところである。


「サンキュー。行ってくるぜ」

だが、俺がそんなことを考えているまもなく、ブライは走り出した。こいつのせっかちさは何とかならないものか。

そう思いながら、彼と共にギルドカウンターへ向かった。あまりひどい傷を負わないことを俺は祈りつつ。



「討伐対象はエリュマントス。大猪か。確かに強いけれど、討伐部隊が失踪するほどとも思えないけれど……」



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

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