43チュン目
「うっ……」
ダウン3名の内一番回復が早かったのは闇腕の少年だった。
「おはよう」
「……はっ!?」
「大丈夫?気持ち悪くない?」
容赦なく打ち込んだからなぁ。
「おぉ!我女神よ!」
「は?」
「我女神よ!闇の大精霊よ!深遠の女王よ!ついに……ついに我闇の力をお認めになられたのですね!」
闇少年は片膝を付きわたしの手を取って言った。
……打ち所が悪かったかなぁ……。
「君……今いくつ?」
「16でございます」
発症しちゃってるかな?男の子だし仕方ないかな?
実際、闇の力に覚醒してしまっているから仕方ない。
後ろを振り返る。
アーノルドもエリカさんも首を横に振っている。
「我女神よ。我は貴女様の剣となり盾となる為、この力を鍛えてきました!どうか!お傍に仕える事をお許し下さい!」
後ろを振り返る。
2人は首を横に振っている。
「君、迷い人?」
「その通りでございます」
「転生?転移?」
「転移でございます」
後ろを振り返る。
2人は首を縦に振っている。
4人目はこの子かぁ……。
仲間になるなら仕えることもok出さなきゃならないのか。
まぁ大人になれば治る病気だしいいか。
「君、名前は?」
「失礼しました!我名はクヌートと申します!」
「わたしはミコ」
「おぉ!なんと高貴なお名前!ミコ様!我に忠誠の義を行っていただけないでしょうか?」
後ろを振り返る。
2人は首を横に振っている。
……リバーダム式で良いかな?
剣を生成する。ちょっと儀式用っぽい装飾された物。
右肩、左肩、額の順に軽く当てる。
「そなたクヌートは我、ミコを主とし生涯その忠誠を捧げるか?」
「はっ!我命をあなた様に!」
「よろしい。ならばそなたを我騎士に任命する。心して受けよ」
「ありがたき幸せ!」
剣を分解して消す。
するとクヌートがオーラをまとうと漆黒の甲冑を着込む。
そして鞘から抜いた剣は先程の剣と同じデザインだった。色は漆黒になっていたけど。
今の一瞬でコピーしたら相当だよね。
後ろを振り返る。
2人が残念な物を見る目で見ていた。何か間違えたかな?王城で見たやつの真似だったから仕方ないかなぁ。
「で、クーちゃん今、闇の精霊って言っていたけど?」
「クーちゃん!?我主よ!それはあまりにも……」
「だってクヌートって言い難いんだもん。主命令」
「ご、ご命令とあらば……」
「はっ、お前やっぱり女子にはちゃん呼ばれじゃないか」
「な!?うるさいぞレオン!だが俺……我も女神の祝福を受けたのだ!見よこの力を!」
光の剣の子も起きたらしい。レオンと言うのか。
「ねぇ?レオン君、君も迷い人?」
「……も?コイツと比べてってこと?」
「おい!我主に不敬だぞ!」
「クーちゃん黙って」
「……はっ」
「そう。俺は転生」
「わたしも迷い人だよ。後ろの2人も」
「流石、我ある……」
睨み付けて黙らせました。
「ちょっとここにいるみんなで話を整理しようか?」
四属性の大精霊、4人の特殊な迷い人。そしてそれ以外の迷い人が揃っている場なんてそうそう無いでしょうし。有益な情報が手に入るといいけど。
クーちゃんとレオン君は同じ村の出身で同い年。
何でも3年前にレオン君が山で倒れていたクーちゃんを助けた事が縁で共に育ち兄弟の様な関係だとか。
転移であるクーちゃんの知識で強力な魔術士として成長した2人は噂を聞きつけた皇帝に実力を測られ、見事勇者に認められた。
そして魔力の色の都合、たまたま居た白美女に気に入られたらしい。
白美女はまだ復活しない。でも復活してもヒステリー起こしそうで嫌なんだよなぁ……。
レオン君は王城でパーティを斡旋してもらい救世の旅へ出発。
一方、クーちゃんは我闇の力の前ではパーティなど不要!と1人旅に出た。
別々に出発しても目的地は一緒な上、2人の考え方も同じなので道中よく鉢合わせた。
そんなある日、白美女が日本が滅んだ事と闇の力が世界を滅ぼす事を喋ってしまう。
で、2人の激突が始まったのだ。
2人の実力は拮抗。引き分けを繰り返しここまで来た。
何度目かは分らないが、アーノルドとエリカさんがクーちゃんを見つけ強制的にパーティに加入。
が争いを止められそうに無い為、わたしに仲裁を求めたと言うのが今回の経緯だった。
「それじゃ、先ずは誤解を解く事から始めようか?」
わたし達3人は一応、転移者。大精霊からの話を聞いて、元々居た世界を救うため各地を旅しボスを倒して回っている事を伝えた。
なので目的としてはレオン君一行と同じであり、それならば敵対する気はないと言う事も伝えた。
大人しく話を聞いてくれたのは……多分、大精霊2体を吹飛ばしたからだろう……微妙に脅えられてる気配する。
「わたしとしてはどうして光の大精霊が攻撃してきたのか聞きたいんだけど?」
それなりに長い間話をしているが白美女はまだ復活しない。どうしたことやら?




