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ハヤナラミ

作者: コロン頃

僕は困っているよ。

なぜだい?

いやぁ、ほら、こんなところに来てしまった。

そうだね。

どうにかして戻れないかな?

私に言われても分からないね。

あなたがここにいる理由かと思ったんだが。

違うよ。

じゃあ、あなたはなぜここにいるんだ?

知らないね。居るからさ。

それは結果だよ。

じゃあ、要るからさ。

あぁ、困ったなぁ。

なぜだい。

こんなところにいるからさ。

そうだね。私にはどうしようもない。

他の人は?

いないよ。

なぜだい?

ここは一人までだよ。

二人だ。

そうとも言えるね。

ほら、次の人だ。

でも、僕がいる。

だから、消えちゃう。

困ったなぁ。

どうするんだい?

それが分からないから困っている。

じゃあ、どうしたいんだい?

戻りたいのさ。

どうやって?

それが分からないから困っている。

困ったねぇ。

あぁ。

また次の人だ。

今日は多いね。

いつもこんなもんさ。

あなたはいつからここにいるんだい?

来たときからさ。

そのときのことは?どんな感じだった?

目が覚める感じだったよ。

姿勢は?

覚えていないね。

僕はいつからここにいるんだい?

ちょっと昔のことだよ。

そのときのことは?どんな感じだった?

目が覚める感じだったよ。

姿勢は?

上からぶら下がっているみたいだったよ。

なるほどね。

戻れないかな?

戻りたくないのさ。

じゃあ、どうするんだい?

進むしかないね。

君はそう言うと思った。

もうひとつ聞きたい。

なんだい?

消えたらどうなるんだい?

私に言われても分からないね。

泣きそうだよ。

泣くがいいさ。私の胸に来るといいよ。

ありがとう。

ところで、

なんだい?

これで六百人目だよ。

誰が?

口調がぞんざいだね。

誰がですか?

君がだよ。君は僕のところに来る。

いつからだい?

一人目の君が来てからだよ。

その前は?

分からないね。

あなたが来た後のことを聞きたい。

君が来た。

そうだね。その前は?

私が来た。

その前は?

分からない。

僕はどうなったんだい?

消えたよ。

消えたあと、どうなったんだい?

私に言われても分からないね。

僕はもう行くよ。

その言葉を聞くのは1199回目だよ。

どうしてだい?

君は皆、それを二回づつ言うからさ。

僕は一回しか言わないよ。それじゃ、僕はもう行くよ。

ほら、二回目だ。

悔しいな。

どうしてだい?

皆とは違う僕で居たかったよ。

それは不可能だよ。

そうかもね。

そういえば、選択肢があるよ。

行くか、戻るか?

そんな簡単ではない。

じゃあ、なんなんだい?

0から9999までの数字さ。

なんの数字だい?

次の世界さ。

なんだ、消えたあと、知ってるじゃないか。

君は消えるよ。

じゃあ、誰にとっての次なんだろう。

君の魂だよ。

さっきの六百人も、僕の魂なのかい?

いや、君自身だよ。

不思議だなぁ。

不思議だねぇ。

ところで、あなたは誰なのですか?

いまになってやっと聞いてくれた。

他の僕はもっと早かったのかい?

いや、同じさ。

それで、あなたは誰なのですか?

私に言われても分からないね。君が決めてくれ。

いままでの僕は何て言ったんだい?

それはいま君が言う言葉と同じさ。

あなたは神なのですね。

おっと、いつもとは違う返答だよ。

本当かい?

もちろん、ジョークさ。

じゃあね。

あぁ。何番だい?

2235番だね

当たり。じゃあね。


早かったね。どうかしたのかい?

ははっ。

どうかしたのかい?

僕は困っているよ。





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