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32・再訪。

 王宮から勇者を召喚するようにと要請が来たのだけれどソレは不可能だ。

老聖女様は亡くなられているし山のように残してくださった資料も全部理解が

出来た者は居ないのだ。

理解が出来たとしても実行できるだけの魔力を持った者は今のところ居ない。

有望なのはケンタだが……まだ七歳なのでとてもそんなことはさせられない。


ロブとケンタが勇者なのは秘密だ。

老聖女様もそうおっしゃられたしロブも王宮の言うことなんか聞く気は無いな。

ロブは老聖女様の最後の弟子ということで神官戦士ということになっている。

冒険者登録もしているので神殿の位階はさほど高くはないが名は知られている。

勇者は万能というか何でも出来るから神官戦士に偽装するのは簡単だった。


冒険者としてのランクも高いので今回のドラゴン退治の依頼が廻ってきた。

前回より巨大だが討伐の手順は勇都が退治した時を参考に組み立てられた。

国軍・神殿の神官戦士達・高位ランクの冒険者達の合同作戦だ。

でも、そんな寄り合い団体が最初から上手くかみ合うハズも無い。

ところが「ロブ」が居た。


国軍の連中には色々と指導をしてたので面識がある。

神殿の連中は面識の無い者も居たけど神官戦士として名が通っている。

冒険者たちは言うまでも無い。

なのでロブは調整係のようだった。


勇都がやったように国から色々資材や人材を引き出して討伐作戦は実行された。

だが、ドラゴンは強かった! 

それでもドラゴンを傷付け追い詰めた。

ドラゴンには翼がある。

そう飛んで逃げられたのだ。


勿論、翼にもダメージを与えてはいた。

そのボロボロの翼に魔法を纏わせて飛び立たせてしまったのだ。

人は空を飛ぶことは出来ない。

風魔法で飛ぶことの出来る者も居るらしいが今回のドラゴン戦までには見つける

ことが出来なかった。


そうしてヤツはブレスを地上の我々に向かって吐こうとした。

ロブが何をしたのか一瞬分からなかった。

ロブは魔力の防壁を張ったのだ。

地上の我々を全部カバーするほどの! 


ブレスが収まって見上げた我々は目を疑った! 

ドラゴンの首がゆっくりとズレて落ちたからだ! 

体の方も続いて落ちてきた。

一体何が起こったのか?! 


ロブは周りを見回した。

そうして走って行って跪いた。

ソコには勇都が立っていた。


「お久しぶりです。

ご助力感謝いたします。

後ほどご子息の所にご案内いたします。

暫くお待ち頂けますか?」


そうしてドラゴンの魔石を抉りだして勇都に渡した。

帰還の為にも必要になると判断したようだ。

国軍の連中には文句を言う者が居なかった訳では無い。

でもロブに救われたし勇都が勇者だと分かってる者もいたからな。

誰も阻めなかったよ。


勇都は無表情のままドラゴンの魔石を受け取った。

なんだか七年前とは迫力が違う気がする。

七年の間に何かあったのだろうか? 


ロブ……ケンタを可愛がってたよな……

これでお別れになるかも知れないのになんでそんなに冷静なんだ? 


色々と考え過ぎてしまうコルナス神官なのでした。

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