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29・実行。

 王の謁見は認められなかった。

勇都は勇者だったけれど貴族にはなっていなかったからだ。

勇都が拒否したらしい。

だが宰相が代わりに面談に応じてきた。

まあ、恩着せがましく居住許可を出してきただけだったそうだ。


オレは勇都が宰相と面談をしているその時間に宝物庫を荒らしていた。

なにしろマジックバックのドデカイ容量のヤツを勇都から渡されたからな。

宝物庫の中を空っぽにしてもまだまだ入りま~す! って感じだったよ。

最後にワザと見つかって城の中を逃げ回ってやった。

兵士達をぶっ飛ばすのはチョッピリ気が引けたけどな。

まあ、殺してないから頑張って立ち直って欲しいね。


最後は勇都のアドバイスで造った飛行用の魔道具で飛んで逃げてやった。

何度か城のそばを旋回してやったけど城からの攻撃は届かなかったよ。

魔法も勇都が付けた防御結界の魔法陣で弾いた。

もうコレがあれば世界最高の盗賊になれちまうな。

オレって勇者なんだけどさぁ。


もっとも勇都の魔法が飛んできて落ちた。

そういう風に打ち合わせしてあったからな。

落ちた場所に宝物庫の宝を多少残して離脱。

隠密・隠蔽・忍び足……その他スキルを全開にして逃げる。

こんなスキルまで持ってたなんて勇都のヤツってドンダケなんだ! 

オカゲで成功はしたけどオレのスキルリストが盗賊めいている。


オマケにソレラのスキルのレベルを上げるのに特訓されたんだ。

こういうのはどれだけ特訓しようと死なないからな。

もう死にそう! って何度も思ったよ。

それくらい厳しかったんだ。

死なないって分かっててもな。


宝物庫には勇都が倒したドラゴンの魔石の他にも魔石が宝箱に入っていた。

ドラゴンの魔石ほどのモノでは無かったけどな。

老聖女はソレラを検分して言う。


「あと少しだと思う。

ドラゴンがもう一頭出てくれれば簡単だと思うけど……

ソレは望むべくもないコトよね。

地道に魔石を集める他ないかしらねぇ」


もう一息……か。

そうみんな思ったんだ。

けれどソレを打ち砕くヤツが居たんだ。

ソイツはノンキにアクビをしていたよ。

そうして平和な眠りを満喫してやがった。


リンゴと勇者の息子・健太ケンタだ。

産まれた時には大したことがないと思えた魔力が日に日に増えてゆく。

このまま増え続けたとしたら……

とても送還など出来なくなってしまうだろう。


どうしたものかと皆が頭を悩ましていたらもっと一大事が発生した。

リンゴが倒れてしまったんだ! 

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