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2・召喚。

 召喚された。

またか……

実を言えばコレで二度目だ。

前回は魔王軍と戦え! と強制されてなんとか撃退したんだ。

単独ではなく他にも召喚された人達がいて協力してくれたので手間は掛かったけど

無事に目的を果たすことができたんだが……


今回はドラゴンだそうだ。

なんか「一人でヤレ!」なんてコトを言うヤツが王様の側に居たけど

そんなのは冗談ポイ! だ。

前回のステータスをそのまま持ってたので出来ないこともない。

でも宰相なソイツが気にくわなかったのでいろんな物資やら人材やらを

山ほどふんだくってやった。

ざまぁ見ろ! だね。


勇者が一人で軽々とやっちゃったら自分達でヤロウなんて気にならなくなる。

つまり「次」もまた勇者を召喚してしまうだろう。

そんなのは俺でなくても迷惑そのものだ。

自分達のコトなんだから自分達でやってほしい。


ふんだくってやった物資と人材を使い倒してドラゴンを追い詰めた。

そうしてあとは俺がトドメの一撃を喰らわせるだけだったよ。


「一撃でできるなら物資も人材も必要なかったのでは?」


ソレはホントのコトだがしらばっくれた。

トボケタとも言う。フフフ。

でも、参加した連中は自分達でも結構イケると思ったようでソイツラからは

苦情は言われなかったよ。

まあ、「次」があったら頑張ってくれ!(笑。)


目的は果たしたので元の世界に帰せ! と要求した。

だけどもう不可能だと言いやがった。


「召喚をしたのは神殿の老聖女ですがソレでもう限界だったそうで引退しました。

次の聖女はまだ現れておりません。

召喚に関する事項について記録は残っておりますが神官達には実行どころか

理解も追いつかないそうで……


申し訳ないとは思いますがコノ世界に残っていただくことに……」


冗談じゃあ無い! 

俺はこんな世界なんぞに骨を埋めるつもりなんか無いんだ! 

だって結婚して一ヶ月もたってなかったんだゾ! 

召喚されたのは妻と一緒に買い物に行った帰りだった。

召喚陣の光に包まれた俺に彼女が手を伸ばしてきたのが見えたのが最後の記憶だ。

どんな思いで俺の帰りを待っているかと思うと……


ココの世界の連中を全員ぶっ飛ばしてやりたいって気分にもなろうってもんだ。


老聖女は引退後は故郷の村に隠棲しているという。

神殿で皆にかしずかれて過ごすことも出来ただろうに故郷に帰ることを望んだそうだ。

ひとを召喚するだけしといて帰すことについては何も言わずに自分は故郷に

帰っただとぉ! 

俺は帰れないのに!!! 


神官どもを脅してみたが彼等では単純に送還するだけの魔力が足りないと。

老聖女が残していった資料の複製を造らせた。

コレを使って老聖女に俺を指導させれば帰れるかも知れない。

ココの連中には内緒にしているが俺の魔力はふんだんにある。

ドラゴンの魔石は王宮の連中に取り上げられたが討伐に行く途中で狩った魔物の

魔石が山ほどアイテムボックスに隠してある。

アレを補助にも使えるから魔力は足りると思う。



 老聖女の故郷にたどり着いたが彼女は留守だった。

一度は帰ってきたものの一週間もしないうちに出かけてしまったと言う。

ドコへ行きやがった! ババァッ! 

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