商店街
「ローズのパンツはまっかっか~♪ローズのブラジャーまっかっか~♪」
今朝ジャンケンで負けて洗濯当番になったフォセカが、
鼻歌を歌いながら楽しそうにローズの下着を物干し竿に干している。
「ちょ。その歌やめてや。恥ずかしいから。あと下着は見えやんとこに干して。」
モノクロの状態でも赤くなっているのが伝わってくるほど恥ずかしがっているローズがフォセカの鼻歌を止めに入る。
「いいじゃん。減るもんじゃないし。あ、洗濯もの干す場所たりないや。」
「みんなー、なんか物干し竿のかわりになるものない?」
「あー、これ使うか?」
ナモミが木の枝を差し出す。
「おお、ユグドラシル!ちょうどいい長さ!ユグちゃん万能だね~。んじゃ、ナモナモちょっと借りるね~。」
「おう。わが魂の聖剣、存分に堪能するがよいわ。」
「あんたその枝まだもってたんかいな。」
ローズが呆れた顔で話す。
「以外としっくりきたからしばらくあれでいくつもりだし。」
ナモミが続ける。
「あ、スミレ、出発って明日だったよな。
ちょっと欲しいものあるから今日は自由行動でもいいか?」
ナモミがテーブルでコーヒーを飲んでいるスミレに話しかける。
「いいですよ。次は魔女の情報を得るために王都ケスタレアをめざしますから、
フォセカさんもローズさんも今日は自由行動にしてゆっくり休んでください。
ラムチソにたどり着くまでにモンスターからドロップしたガルが宿代を除いても1600Gほどあるので、
一人400Gのお小遣いを渡しますね」
--商店街--
「おっちゃん。この魔法のローブってやつ400Gになんない?」
「そりゃ無理だぜ姉ちゃん。そのローブは定価2500Gだぞ。店つぶれちまうわ。」
「ですよねー。んじゃ、代わりに最大MP上げるって書いてる、この女神のブローチってやつもらうわ。」
「あいよ。定価400Gだけど姉ちゃんかわいいから300Gにまけといたるわ。」
「マジで?おっちゃんナイス。そんなおっちゃんにはあたしの荷物持ちとして後ろをついて歩く権利をやろう。」
「いや、それはいいわ・・・・」
ブローチを安く購入でき満足した表情で、次に何を買うか考えながら商店街をあるくナモミ。
「きゃっ」
モノクロの女性がナモミの右肩にぶつかり、持っていた紙袋に入ったリンゴが地面に散乱する。
「あ、ごめん。ちょっと考え事してて。大丈夫?」
「はい。大丈夫です。」
腰くらいまで髪を伸ばした、妖艶な感じの女性がリンゴを拾いながら答える。
・・・
「拾っていただいてありがとうございました。」
「いえいえ。こちらこそぶつかっちゃって申し訳ない。」
「いっぱい買ったので、よかったらこれどうぞ。」
そういうと女性は紙袋からリンゴを二つ手にとってナモミに渡す。
「いいの。悪いね。リンゴ好きなんだよ。さんきゅー。」
「では私はこれで。」
軽く会釈をして横を通り過ぎていく女性。
「なんか今日はついてんな~。余った100Gでフォセ達になんか買っていってやるか。」
もらった果物をかじるナモミ。
「・・・・梨じゃんこれ。」