魔女出現の影響
スミレがゆっくりと話し始める。
「私たちの村、アシタヘがどうやって生計を立てていたかはみなさんご存知ですか?」
「魔法の使い方とかを他の町や国に教えることで、ガルをもらってる人が多いんだよね」
フォセカが自慢げに言う。
「そうです。魔法技術の提供を行うことが柱となっています。
これは色が魔女に奪われる前でも後でも、色に関係のない産業だったので、
あまり経済への打撃はありませんでした。」
「その技術の提供でガルを稼いでコルを購入できたから、ウチらの村はカラーズ(色持ち)が多いんやね。」
「その通りです。しかし、ラムチソの主要な産業は観光。
カラフルなランタンを飾ってお祭りを開催することで、
各地から観光客を集めガルを稼いでいます。」
「魔女のせいで、カラフルさが売りの祭りが開催できなくなったと。」
窓の外を見ながらナモミが言う。
「はい。集客できなければ収入もなくなる。
収入がなければ高額なコルを買うこともできない。
だからこの町にはモノクロ(色なし)の方がたくさんいるんです。」
スミレが悲しそうに白いランタンの火を見つめる。
「悪循環やなぁ。なんとかしてあげたいけど今のウチらじゃ・・・。」
「そのためにあたしたちが魔女倒しにいくんだよ、ね、ナモナモ!」
フォセカが立ち上がる。
「そういうことだな。魔女倒せたら、
ラムチソで七色のアイスクリーム食べて、赤と青のランタン振り回して朝まで踊り狂ってやるわ。」
「ナモナモが赤と青なら、あたしは緑と黄色振り回すよ!」
フォセカがイヒヒと笑う。
「そのためにも、今日はそろそろ寝ようや。ウチ疲れたわ。」
ローズがベッドにダイブする。
スミレがふふっと口に手を当てて笑う。