お祭りの街 ラムチソ
「みなさん、見えてきました!あれが!あれが・・・。」
ラムチソの思い出と現実のギャップに呆然とし、言葉を失うスミレ。
「色、ないね・・・。」
「薄々は思てたけど、やっぱりなぁ」
「・・・とりあえず、街の中まで行こう。話はそれからだ。」
--お祭りの街 ラムチソ--
「ねえねえ、あのお姉ちゃん達なんで色ついてるの?あたしもなりたい。」
「こら、静かになさい。行くわよ。」
小さな女の子が母親らしき人物に連れられてナモミ達から遠ざかる。
「チッ、カラーズかよ。目障りだな。」
そんな言葉が街の喧騒に混じって聞こえる。
「・・・みなさん。この町にいる間は、コルを外した方がいいかもしれません。」
首にぶら下げたコルをぎゅっと握りしめてスミレが告げる。
「そだねぇ・・・、悪目立ちしてるかも・・・。」
「とりあえず宿とって、一旦今後の進路について考えるか。」
「あそこに宿屋の看板あるわ。ウチ予約とってくるわ。」
・・・
「ふう、なんかすごい見られてたな。」
ナモミが椅子に腰かけながら話す。
「白黒の人多かったよね、っていうか色持ってる人がいなかったかも。」
フォセカが外したコルを弄りながら言う。
「ウチらの村と全然違うなぁ。ウチらの村も白黒やったけど人はみんな色持ってたもんなぁ。」
ローズが話す。
「外からアイス売りに来てたおっちゃんは白黒だったけどな。」
「私も小さい頃に一度きただけで、それ以降の話は人づてに聞いたり、
文献でよんだりしただけだったのでまさかここまでとは。」
テーブルの上でランタンの火がゆらゆらと燃えている。