小休止
「ああ~。もう動けん。」
たき火の前でナモミが愚痴を漏らす。
「みなさんお疲れ様でした。隣町のラムチソまではもうちょっとなので、明日には着けると思います。」
スミレが地図を見ながら町のあたりを指さす。
「スミレちゃんはラムチソ行ったことあるって言ってたよね。」
「はい。まだ小さい頃に一度だけお父さんに連れて行ってもらったことが。
赤や青、黄色に緑のランタンが町中に輝いていて、すごく凄く綺麗だったのを覚えています。」
「そうなんや。楽しみやなぁ。」
ローズがうれしそうに笑う。
「ねえねえ、お腹空いたよぅ。晩御飯どうする?」
「ああ、それなら支給された携帯食料があるのでこれを。」
そう言ってスミレが全員分の携帯食料を取り出す。
「なんか味気ないわぁ、あったかいもん食べたいなぁ」
ローズが漏らす。
「ローズ、わがまま言ったらだめだよぅ。ご飯あるだけでも感謝しないと。」
珍しくフォセカがローズを諭す。
「そういや料理できるやついたっけ?」
ナモミが携帯食料をかじりながら思い出したように言う。
「私はあまり得意ではないですね。」
「ウチができるわけないやろ。」
「あたしの主食は御菓子だよ。」
「あー、終わったわ。これ終わった。この旅終わりましたー!」