クロユリの話2
「落ち着きましたか?」
問いかけるスミレ。
「ごめんなさい。取り乱したわ。もう大丈夫よ。
・・・まずあなた達が身に着けているコルについて話すわね。
その石は隕石ではなく、この世界の7人の神の力が結晶化して入り混じったものよ。」
クロユリが続ける。
「あなた達もよく知っている7人の神様は、物理属性以外に、
それぞれ赤橙黄緑青藍紫の色をつかさどっているの。
フレイアは赤、グランドは橙のようにね。
世界はこの7人の神様がいることで色付くの。」
紅茶を一口飲むクロユリ。
「だけど11年前、何者かが7人の神を封印して色の力を奪った。
7つの神から奪われた色の力は一つに混ざって結晶になった後、
破壊されて各地にバラバラに散らばった。それがコルね。」
さらに話が続く。
「それを調べるために、私はこの子と一緒に各地をまわったの。
そしてその何者かが原因でこの世界は色を失ったことを伝えていった。
だけど周りの人は、私の話を疑って聞いてくれなかった。
それどころか、お前が厄災の原因なのではないかと罵ったわ。お前が魔女なんではとね。」
「なるほど。クロユリさんが言いたいことはわかりました。」
「あんたが色なくなった原因ではないって言いたいのは今の話でわかったけど、
アオサの近くにドラゴン置いて、町の人に迷惑かけてたんはなんでなんや?」
「私が各地をまわって調査した結果、
北の国ヒサイアで怪しい動きをしているやつらがいたから動向を探っていたの。
ヒサイアと行き来するにはあのカチオン峠を通るしかないから。
街の人たちに迷惑をかけるつもりなんてなかったわ。」
「なるほどな~。」
「過去の文献を読み漁ってみたんだけれど、
7人の神の色力を解放すれば、世界に色が取り戻せるっていうことが最近分かったの。
世界から色が失われたのは今回が初めてではなくて、
380年前にも同じようなことが起こっているのよ。」
「じゃあウチらがそれを解放すればええんやな?」
「ええ。私は引き続き神を封印して色力を結晶化した犯人を捜すわ。
あなた達には7人の神の色力解放をお願いしたいの。各地の祠に祭られている神具を探し出して、
神を呼び出して。神を呼び出せさえすれば色力は神の元へと還るはずよ。」
「今の話とあんまり関係ないけどさ、ドラゴンはなんでトカゲになってんの?」
スコーンをほおばりながらナモミがトカゲに話しかける。
「省エネだ。」
「エアコンかよ。・・・あっ!」
「どうしたナモミ?」
「アオサの酒場のおっさんに報酬もらってない!」




