決意
--アオサ ホテル--
「「ただいまー。」」
部屋に入ってくるフォセカ、ナモミ。
「あら、おかえりなさい。」
椅子に座って本を読んでいたスミレがこっちをみて微笑む。
窓際の2人がけのテーブルに座るナモミ。
「何黄昏てんのさ。めずらしい。」
向かい側に座っていた窓の外を眺めているローズに話しかける。
「・・・うっさい。あたしだって考え事することぐらいあるわ。」
しばらく沈黙が続く。
「・・・あんたあれみてどう思う?」
そういうとローズは顎で窓の外を指した。
「どうって・・・、夜景がキラキラしてるなーぐらいしか。」
「手前側はな。奥側真っ暗なん気づいた?」
「ああ、確かに。」
「あの辺はな。スラム街やねん。
お金ない人ばっかりが住んでる地域で、コルとか電灯の設置ができへんから真っ暗なんよ。
ウチのおかんもあそこの出身でな。」
「そうなのか。」
「毎日必死やったっていうてたわ。
ゴミの中から売れるもの探してジャンク屋に持って行ったり、
飲み水確保するのに往復で10km歩いて井戸水汲みに行ったりしたってさ。」
「・・・」
「そんな生活の中で、ボランティアで魔法を教えて回ってた、おとんと出会ったんやって。
あたしがお腹にできた時に、この子にこんなつらい生活はさせたくないってことで、
おとんの故郷やったアシタヘに引っ越してきたらしい。」
「・・・そっか。」
「・・・ナモミ、絶対魔女倒そな。みんなが幸せに暮らせる世界を取り戻すんや。
それが無理でも、せめて色鮮やかな世界で暮らせるように。」
「うん。・・・ちょっと外の空気吸ってくる。」
そっと席を立ち部屋を出ていくナモミ。




