スターフィッシュ
「これで・・・よしっと。」
あぐらをかいて作業していたナモミが呟く。
「ナモナモ何してんのー?」
近くの森で拾ったであろう木の実を、
スカートのすそいっぱいに持って帰ってきたフォセカが話しかける。
「おお、お前がスターフィッシュ食べたいっていうから釣り竿作ってた。」
そういうと、おもむろに木の枝の先に釣り糸をつけただけの簡素な釣り竿を見せる。
「お~。ユグちゃん大変身。頑張るねぇ。」
「聖剣ユグドラシルは聖釣ユグドラシルロッドに転生したのだ!」
「したのだ~!」
「ナモミ、ノルマは4匹ね。」
ローズが横やりを入れる。
「まかしとけ。」
ナモミはポンと胸を叩いた。
・・・
「よーし。三匹目!あと一匹。」
「ナイス。ナモミ!ええ感じやん。」
ローズが称賛する。
チャポン。
簡素な竿から餌のついた釣り針が湖に向かって投げ込まれる。
しばらく続く静寂の時間。
真っ白な水面が少しだけ揺れている。
「ん。」
ぐぐぐっと引かれる枝。同心円状に広がる波。
「きたー。でかい。これでかい。ローズ手伝って。」
「OK!」
「針をひっかけるようにして、っと」
「いくでー、せーの!」
ザバァと音をたてながら、ナモミの肩幅ほどもある大きなスターフィッシュが
二人の上を通り過ぎて草むらの上に落ちる。
その刹那、ボキッという音とともに簡素な釣り竿が真ん中から真っ二つに折れ、
先端側がスターフィッシュの横に転がる。
「二人ともすごーい。このスターフィッシュおっきいね!」
フォセカが二人が騒いでるのを見て近づいてきた。
「あ、でもついにユグちゃん折れちゃったんだね。」
少しがっかりしているフォセカ。
「・・・・」
無言で、折れた木の枝に左手を伸ばすナモミ。
その後、拾い上げて両手に折れてしまった木の枝を持ち、フォセカの方を振り返った。
「聖釣ユグドラシルロッドはここで、聖双剣ユグドラシルツインに姿を変えたのだ!」
「もうええって。捨てたらそんな枝。」




