学校の始まり故に青春の始まり
未定とは言ったものの、優男だから早めに更新するのを心掛ける偉さ。
すいません、嘘です。昨日更新できなくて申し訳ありませんでした。
春休みが明けて高校二年生最初の登校日、結局昨日の晩ベッドに入り目を瞑ったものの寝付けず徹夜でゲームをしてしまった俺は、眠たい目を擦り、家から近いという理由で志望した高校へと向かっていた。余談だが、徹夜したおかげで「虎が如く」のむちゃくちゃ強い兄弟を一番難しいモードで倒すことができた、コンテニューしすぎて、やっと倒せたときにはやり切った感に包まれた。
去年の夏休み明けから毎学期、始業式があると、俺はマンガやアニメに憧れてからか、登校時間ギリギリに行き、毎回の曲がり角でぶつかるのをスタンバイするという寂しいことをするのだが、今回も無駄に終わり、掲示板で自分のクラスを確認してから該当するクラスに向かった。
「はあぁ~~あ」
席に着き、ファイルと筆箱しか入っていない軽い鞄を机の横にかけると、ため息ともに欠伸が出た。
「おー、新年度早々、眠そうだな啓一よぉ」
前の席に座っている佐久間弘幸が話しかけてくる。肘をこちらの机に置き、上半身をくねらせてこちらを向いてくる。こいつは、顔の良さと高身長を兼ね備えた、茶髪のイケメンという男子の敵ではあるが、俺は知っている、こいつがゲイだということを。別に本人からカミングアウトされたわけではないが、この前こいつが「今まで付き合った子もいないし俺、童貞だよ」と言われた時にはゲイなんだなと確信した。
「まあな」
「またゲームでオールか?あの任侠物のやつ?」
「そうなんだよ、ストーリーが面白くて余韻に浸ってたら朝だったよ」
「なんじゃそりゃ、ゲームのストーリーのあらすじ教えてくれよ、面白そうだったら買うし」
「面白いから短くは言えん、長くなるしそろそろ始業式始まるぞ」
「そうだな」
俺の学校は今、体育館が改装工事中で始業式は校内放送で行う。けっこうシュールな画だ、クラスのみんなが黒板に向かって校歌と国家を歌うのは俯瞰してみると滑稽なものだ。それに、担任が緩い場合には校長の話中には机に突っ伏して寝るやつもいるし、全力で終わらせていない宿題を写しているのもいる。
始業式は最後に生徒指導の先生による春休み中の部活動の報告で終わり、各クラスのホームルームが始まる。
「も~、みんな起きてくださ~い!」
今年度、俺たちのクラスの担任になった、友田雪先生(通称ゆきちゃん)がホームルーム始まりと共に声を上げる。
「え~、今年一年このクラスの担任をします、友田雪です、友田先生って気軽に呼んでね」
友田先生という呼称のどこが気軽なのかはわからないが、周りの生徒は「よろしくー!ゆきちゃーん!」と呼んでいる。今年度初のゆきちゃんの困り顔だ。
「ちゃんと呼んでくれないなら、転入生を紹介してあげないよ!」
ん?転入生?まさかだけどな、、
まわりが「友田先生、ごめんなさーい」と軽く謝っているなか、その転入生がまさかなんじゃないかと思案していた。
「入ってきていいよ!」
ゆきちゃんの掛け声によって教室に入ってきたのは、そのまさかの人だった。
俺は「あ!!」とか「お前は!!」とか言うことはなかった。ただ「あ!!お前は!!この前レイプされそうになってた!!」と頭に考えついたが、声に発することはなかった。
「はじめまして、篠田結衣です、よろしくお願いします」
「「「おぉ~~!かわいい!!」」」
男子陣はかわいい転入生に心浮かれている。前の佐久間は浮かれていない、やはりゲイだ。
確かに、篠田結衣と名乗った子はかわいい、背は高校二年生にしては低いが出るところは出ているし締まっているところは締まっているといったグラマラスな体型をしている。そんなことを考えていると先日のこの子の下着姿が頭に浮かんだので、卑しい考えを頭から追い出した。
「じゃあ、篠田さんは櫻木君の隣空けておいたからそこに座ってね、名前順でそこだから周りの人も仲良くしてね、あ、もちろんみんなも仲良くしてあげてね」
「「「は~い」」」
隣が空いてるからまさかとは思ったが、ここまでくると怖くなる、昨日こんな確率は天文学的だと思ったばかりではないか、死ぬのか?俺。
彼女はクラスの好奇な目線に見送られながら俺の隣の席に座る。
「はいじゃあ、春休みの宿題後ろから集めて~」
そんな、ゆきちゃんの一言で一部の浮かれ気分の男子だった奴が思い出したように宿題を写すのを再開する。俺はもちろん前の佐久間も春休みの宿題は終わっているようだ。
クラスの一部の男子が「ちょっとだけ、ゆきちゃん待って~」っと叫びクラスが宿題を回収してる中ざわついてると、春休みの宿題が出されていなかったのか、場の波に乗れずアウェイ感を感じている横の転入生が声をかけてきた。
「えっと、櫻木君?だっけ、よろしくお願いします」
「ああ、うん、篠田さんだよね、よろしくね」
会話終了、それと彼女は気づいていないみたいだ、それもそうだ、普段の俺は裸眼で髪を上げているが、学校での俺は眼鏡をかけ髪を下している。理由はもちろんあるのだが長くなるのでまたの機会にしようと思う。
ホームルームも終わり、みなそれぞれ帰る準備や部活の準備をする中で、前のイケメン佐久間が転入生に声をかける。
「僕は、佐久間弘幸、よろしくね」
「あ、はい、よろしくお願いします」
「クラブとかどうするの?」
「え、えっと、まだ決めてないんです、前の学校では帰宅部だったので」
「そうなんだ、じゃあ、部活動見学に行かない?校舎の案内もするしさ」
イケメン佐久間は女の子を連れだすのがうまいこと、これでゲイなんだから信じられん。
「あ、じゃあ、お願いします」
やはりイケメンの誘いを断る女子なんていねぇか、まったくイケメンに優しい世の中だよ、まったく。
「もちろん啓一も来るよな?篠田さんもいいでしょ?」
「あ、はい、私は大丈夫ですけど」
ほれみたことか、やはりな、やっぱりゲイなんだよな、ここは転入生と二人きりで回るパターンのやつだろ。ここで二人きりを選ばないところらへん怪しすぎるよな。しかし、これで佐久間をゲイだと認めてしまうと俺を狙ってるみたいで勘弁願いたい。
「いやぁ、俺は部活あるしなぁ」
「何言ってんだよ、行く気なんてないくせに、行くなら最後に行くからそこで良いだろ?彼女たちもお前が来るなら喜ぶぞ」
「バカ言ってんじゃねぇよ、あいつらは俺で遊んでるだけだ、だから行きたくねぇんだ」
「ぐちゃぐちゃ言ってないで行くぞ、啓一が春休み中ほんとは何してたか彼女たちにバラされたくなかったら行くぞ、ほら」
「はぁ、、わかったよ、だからあいつらには絶対に言うなよ」
「わかってるって、じゃあ行くぞ、篠田さんも行こう!」
こうして俺たちは佐久間に手を引かれながら学校見学、及び部活動見学へと向かった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回の更新は、また未定なのですが、早めに更新できるように努力します。
Twitterをやっているものの誰からのフォローも来ていないので、言葉通りの意味のつぶやきになっています、寂しいです。良ければそちらにも足を運んでいただければな、と思っています。ちなみに@sakuranomiya_ssというアカウントです。フォローしてくれと言うわけではないですが、ほんとにフォローも来ていないのにつぶやいてるのを滑稽だと思いに来てくれるだけで構いません。