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頭が少しアレな魔王の伝説〜俺が創った魔物が異世界に落ちた〜  作者: 夜逃げ丸
第一章〜冒険者の始まり〜
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奇跡のバーゲンセール

ーーーーちゅん、ちゅんーーーー


「ん・・・朝ですか?」


異世界にいるかは知りませんが、雀さんのような鳥の声で僕は軽やかに目覚めました。昨日の濃い異世界初日が嘘のように疲れがありませんでした。


「さて、起きますかね」


あの後、僕は絶対に僕の許可なしでは部屋に入らないように支配人さんたちに厳命すると部屋で変身を解いてフカフカのベッドで眠ったのでした。やっぱり変身をしているのとしていないとのでは解放感が違いますね。


僕は再び変身して妖精の姿になると昨日の大食堂に降りて行ったのでした。すると・・・。


「妖精様!」

「モツ様!」

「モッツン様!」


・・・と沢山の泊まり客に囲まれてしまいました。いや、その中には従業員さんたちの姿もありますね。ふっ、人気者はつらいのですよ。


「これはモツ様。お目覚めになられたようですね。昨夜はよく眠れましたか?」

「ええ、あのフカフカベッドは最高でしたよ」

「喜んで頂けて恐悦至極で御座います・・・我が神よ」

「うむ、あなたも見違えるようですよ。はっはっはっ!!」


昨夜、【生命の泉】を設置して支配人さんは早速飲んだのでした。


すると、再び『カッ』と目を見開き、さらには燕尾服がビリビリッと破れるほどに筋肉隆々のそれでいて若々しい肉体へと変わったのでした。


そして、それに感化された泊まり客、コックさん、従業員さんたちも次々に泉の水を飲んだのでした。そして、歓喜の涙を流したのでした。


「これも全てあなた様のおかげで御座います。では、こちらのお席にどうぞ。生まれ変わった我が宿の料理をご賞味下さいませ」

「うむ、苦しゅうないですよ」


僕はいつの間にか造られた僕専用席に座ります。床より数段高くしてあるその席は昨日の噴水を一望出来るようになっていました。


そして、運ばれてきた料理を食べて一言を発したのです。


「・・・腕を上げましたね」

「いえいえ、全てはあなた様のお力によるものですよ」


まぁ、確かに腕は上がって無いでしょうね。言ってみただけですよ。


そう、変わったのは料理に使っている水です。この料理の秘密は昨日の【生命の泉】の力にあるのです。元はHPとMPを全回復すると言う効果の泉。それを料理に使ったのですよ。


「ふふふ、シェフたちも驚いてましたよ。新鮮さが無くなった魚に水を振り掛けると一瞬のうちに取り立てのような瑞々しさを取り戻したのですから・・・」

「そうですか、そうですか。喜ばしい事ですね」


泉の水は生命力の塊ですからね。野菜や魚、肉にかけると新鮮とれたてのピチピチになるのです。さらに、人間が飲めば活力が満タンになり、さらには邪心さえも消しとばすのです。


「はい全くですよ。はっはっはっ」

「はっはっはっ」

「「「「「はっはっはっ!!」」」」」


僕たちが笑うと、その場にいた皆さんも笑います。ふっ、笑う門には福来たる。笑って皆さんも幸せを感じると良いですよ。


「ところで我が神よ。本日は何かご予定は御座いますか?明日は王都に出発するとの事ですが・・・」


それから、僕は静かな食事を満喫していると支配人さんから今日の予定を聞かれたのです。


既に僕の王都行きは知っている人は知っている話題なっているみたいですね。それは僕に余計なちょっかいをかけさせない為の冒険者ギルドが流した対策のようです。何せ、お妃様を治せかも知れない僕にいちゃもんを付ける事は国に対する妨害と取られてもおかしくは無いのですから。


「そうですね。旅の準備もしなくてはいけませんしね。観光もしたかったのですが・・・」

「ふふふ、ご安心をモツ様。私どもで旅の準備はさせて頂きます。そこで、モツ様はのんびりとこの街を観光なさってはいかがでしょうか?既に手配は整って御座います。さあ、モツ様がお呼びですぞっ!!」


流石は支配人さんと行ったところです。既に全て手配済みでしたか、老練された雰囲気は伊達ではありませんね。


支配人さんは奥に呼びかけます。そして、一人の少年が僕たちの元にやって来たのでした。


歳は10歳くらいでしょうかね。身綺麗な格好にボーイ服を着ていて柔らかな笑みを浮かべています。そして、ペコリと僕に頭を下げたのでした。


「初めてまして、モツ様。私はパシルと申します。本日はモツ様のご要望にお応えできるよう頑張る所存で御座います」


パシリ・・・いえ、パシル君は礼儀正しく挨拶をしてくれました。中々の好少年ですね〜。


「パシルは我が宿屋のボーイ見習いでしてね。しかし、見習いと言ってもかなり優秀な子なのですよ。この子にとって街は庭も同然です。ご希望を叶えてくれるでしょう。それと護衛に・・・」

「いえ、護衛は必要ありませんよ。これ以上、人が増えるのは気分的によろしくありません。それに護衛だとしても威圧的な物は掛けたくありませんからね」

「おお!流石はモツ様、我が神よ。何と慈悲深い・・・」

「よって・・・パシル君、これをどうぞですよ」

「えっ!?ええっ!!な、何ですか、これは?」


僕はイベントリーから一本のハリセンをパシル君に差し出しました。ふふふ、これはですね・・・。


「このハリセンの名は【無敵ハリセン・モツ式】。装備して攻撃すると相手は避ける事が出来ずに自分から受けてしまいます。ただしダメージは与える事は出来ませんがね。しかも、攻撃されても自動でカウンターを返すカウンター機能付きです。相手の心が折れるまでハタキ続けるのが主な使い方ですよ。これさえあれば、不殺な上に大怪我を負わせる事はありません。これを君に貸してあげるのですよ」


まぁ、はっきり言ってネタ装備です。ご主人と僕でふざけて作ったアイテムなのですよ。ちなみにこの類のアイテムはまだ大量にありますよ。僕のアイテム作製の専門はおふざけアイテムですからね。


「あ、ありがとうございます・・・」


パシル君は苦笑いをしながらハリセンを受け取りました。


「「「「「モツ様!行ってらっしゃいませっ!!」」」」」

「うむ、苦しゅうないですですよ!良きに計らえです!!」


そして、僕たちは宿屋の従業員たちに頭を下げられて宿屋を出ました。さて、先ずは何処に行きましょうかね。

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