決闘祭
準備を整えた僕は村の集会所へとやってきていた。
普段は狩りなどにでている為こんなにも人が歩いていることはないのだが、今日は違うらしい。いつもは穏やかな村なのに……
「あ!遅い!はやく!」
そう大声で何度も和人を呼ぶ声
次第に声は大きくなっていく
やはりゆりだった……
「そんなに遅くないだろー?」
「遅い!エントリー後ろの方になったちゃったじゃないー」
和人の手をむりやり引っ張っていくと並んでいる列の最高列へと並ぶ
その時、最前列近くに張り出されている紙が見えた。
毎年恒例!!
決闘祭開催!エントリーの方はこちらの列へ…………」
!!!
「あーやってしまった……」
今日の行事ってこれのことだったのか
和人はこの毎年一回行われる決闘祭に参加することを避けてきていた。
村から集められた参加者達でトーナメントが行われ優勝者には
叶えられる範囲であればなんでも村総出で叶えてくれるという
お祭りみたいなものである。
口を空けながら立ちつくしながらならんでいると
「あんたやっぱり今日何があるのかわかってなかったんでしょ」
「まさかこれだとは思ってなかったんだよ」
「今からでもキャンセルできないでしょうか?」
ゆりに期待しないできいてみた
「そんなのだめに決まってるじゃあないでしょ」
「大体なんでいつも参加しないの?あんたそれなりに強いのに」
「んーそんなことないよ僕は弱いし、すぐ負けちゃうからだよ」
「そんなことないと思うけど、戦う前から諦めちゃうの?
優勝したらなんでも叶えてくれるのに?なんでもだよ?」
「叶えてほしいことないし……」
「うそー!んーほんとに?んーんーじゃあ私の為にがんばってよ!」
なんで??
ゆりはどうしても叶えたいことあるのか一向に引かない
「んーこのお祭りじゃあなくてもいいんじゃあないの??」
「だめなの!とりあえずもう書いておくからね!」
と話している間に最前列の参加者欄へ和人、ゆりの名前が記入された。
「でもなんで僕もエントリーしないとだめなの?」
「ゆりだけでよかったんじゃ??」
「ううんそれじゃあ参加できないもん今回はチーム戦なのだよ!」
「はぁそういうことか……んーでも弱いから期待しないでね?」
「私が弱くないっていってるんだからもう少し自信もちなさいよね」
言いながら僕の頭を軽く叩く
「できるだけがんばるよ」
「それでよし!」
「エントリーしたらすぐ準備するのよ」
!!
「早すぎないか?」
「そんなことないわよ後1時間後には始まるんだから」
「え!?そうか忘れていた」
決闘祭は2日だけのお祭りで
明後日から仕事や学校などがあるので、2日で優勝者を決めてしまうのだ
本戦は予選を勝ち抜いた6チームにて決められる
しかし参加者はかなりの人数になるにも関わらずだ
予選どれだけ過酷なんだよ……
様々な疑問をもちながら和人は準備へととかかるのだった………