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6話オークって冷静に考えたら人っぽいよね

と…はしゃいでたのも束の間

俺は今自分が置かれてる状況を思い出した



そうだ…!俺今遭難してるんだったッッ!


このままじゃマジで死ぬ

なんらかしらのアクションを起こさないとな…


とりあえず前に真っ直ぐ真っ直ぐ歩いてりゃどうにかなるだろ

男は前だけ向いて歩いてればどうにかなるってかーちゃんが行ってたしね




…真っ直ぐ歩くこと…五時間…


おい…もうどこまでいっても木しかねーよ…

もうお前(木)しか見えねーよ

口説き文句とかじゃなくて


まぁいいや…もっと進んでみるか…




…ただただ真っ直ぐ歩くこと7時間…


おい…いい加減にしろよ…


もうマイナイスイオンは吸い飽きたっつーの…


どうすりゃ良いんだよ…これ


あ、そうだ!ジジィに聞けば良いんだ!


ジジィー!聞こえてんだろ!

ヘルプミー!ジジィー!



返事が無い…ただの屍のようだ…


仕方ない…とりあえず真っ直ぐ進むか…




真っ直ぐ歩くこと10時間…


そろそろ薄暗くなってきた…

さすがに森のなかで一夜は過ごしたくねーな…



そんな心配をしてると…


ガサガサ…と人影らしき物が動くのが見えた


そうだ!こうなったら人に聞くしかねぇ…



「すみませーん!この森ってどうやったら抜けられるんですかー!」


あれ…返事が無いぞ…


「あのー…」


すると人影はこっちに近づいてきた…

みるみると影はでかくなってくる…


そして茂みから人影の正体が現れた



身長は二メートル近くあるだろうか…

風貌は猪をそのまま二足歩行させたような感じである

腕は丸太のように太く

手には人をミンチにするくらいは容易にやってのけるであろう棍棒が握られている


おそらくこれはRPGでお馴染みのオークって奴だろう…


オークと目が合う…

そして…


「チェンジでお願いします。」

と俺はパニックのあまり変な発言をしてしまった



オークと俺の間に沈黙が流れる…


三秒くらい経ってからいきなり

オークは雄叫びを上げながら襲いかかってきた


「ちょ…まっ…」


もちろんそんな制止をオークが受け入れてくれるはずもなく

無慈悲にその棍棒は降り下ろされる


「うぉ…!」


俺はなんとか横に飛んで回避


その棍棒が降り下ろされた地面は思いっきり

えぐれていた…

それを見て血の気が引いたが

冷静に考えれば威力は凄まじいが避けられない速度では無い


とにかくこの展開を打開しなければ…


だが打開策を考える暇も与えず

オークは次に棍棒で横になぎ払い追撃してくる


結構大振りなので

姿勢を低くしてかわす


空を切った棍棒はそのまま木に直撃

木はミキミキと音をたてて簡単に折れてしまった


ヤバイ…あんなのに当たったら

首なんて簡単に折られてしまう…



どう考えても普通の人間がゴリラと猪合わせたみたいなこんな化け物に勝てるわけねーだろ…!


そこで俺はあることを思い出した


そうだ!俺は普通の人間なんかじゃない!…生まれ変わって勇者になったんだ!

それに俺にはジジィからもらった能力があるからな



オークは半径六メートルの間合いにとっくに入ってる

俺の能力の間合いだ…


まず…あの棍棒をどうにかしないとな…



((武器を盗む))


俺がそう念じると

オークの手元にあったはずの棍棒が俺の手に握られていた


感覚的にはジジィ戦で使った具現化魔法と少し似ている…


しかも棍棒が意外と重くない…

そりゃズッシリとはしているが

振り回せない重さでは無い


いや…棍棒が軽いんじゃない

俺の腕力が異世界に来て強化されてるのか…


オークは突然の事態に状況を飲み込めていないようだ…やるなら今しか無い…!


((目を盗む))


…あれ?特に変化は感じられないぞ…

でもいきなりオークがキョロキョロしだした…

きっとオークに俺の姿は見えていないのだろう…


目を盗む力もそう長くは使えない…

とりあえず早めに決着をつけないとな


俺は出来るだけ素早くオークの後ろに回り込み

棍棒を思いっきり振り上げ後頭部を思いっきり

ぶん殴った


地面をえぐり

いとも簡単に木をへし折る

棍棒だ


それが思いっきり頭に降り下ろされたら

結果は言うまでもない


オークの首はゴキャと音をたててへし折れた

体がピクピクと痙攣している


そしてオークは重力に逆らわずぶっ倒れた





やった…初戦闘初勝利だ…


俺は謎の高揚感に満たされていた

異世界の生き物とはいえ生き物を殺したのに

不思議と後味の悪さを感じない…


歩きすぎて頭がおかしくなったのか

はたまた俺はこの世界をなんやかんやで受け入れているのか…


まぁ今はそんなことはどうでもいい

今はこの高揚感に満たされていたいと…俺はそう思った














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