4話斬新勇者カゲル誕生
「お主の適性もわかったしのぅ…」
「マジか!ジジィ!」
これで俺も
異世界無双ハーレムチート生活ができるぜ…
「お主の適性は…」
「ゴクリ…」
「「盗」じゃ」
「…は?」
おいおい「盗」ってなんだよ
絶対ジジィ頭をハンドガンでぶち抜かれたこと根に持ってるよ…
「ちょっと待てよジジィ…もっと戦闘向きな能力よこせよ…」
「これは決定事項じゃ変えられん」
「ふざけんな…今の戦いのどこに「盗み」要素があったんだよ!」
「セコいところじゃ…」
やっぱ根に持ってるよぉぉ
このジジィ
ちょっと握手がてらに指へし折ってハンドガンで頭ぶち抜いただけじゃねーか
神ならそれぐらい許せよ!
「こんな能力でどうやって勇者になれって言うんだよ!」
「ほら…盗みに特化した勇者って斬新で良いじゃろう?」
「斬新すぎるわ!ジジィ…お前は大切なモノを盗んでいきました!それは俺のチーレム(チートハーレム)の夢です!」
「そんな銭●のとっつぁん見たいに言われてものぅ…良いじゃないの…その能力で女の子のハートも盗んでやればハーレムじゃないの」
「なにうまいこと言おうとしてんだジジィ!なんもうまかねーんだよ…」
「あーもう…キモいウザイ…とりまさっさと異世界行ってこいよ」
気だるそうに耳をほじりながらジジィはそう言った
ジジィの口調が素に戻ってやがる…
「このクソジジィ…」
「まぁ「盗」の能力も使いこなせば
かなりの強さを誇るだろう…」
「はぁ?盗みだけでどうやって勝てって言うんだよ…ゲームだっていくらレアアイテムドロップさせたところで勝てなきゃ意味ねーんだよ!」
「お主の能力はただの盗みでは無い
「盗」という概念にとにかく特化させた能力じゃ」
難しいことはよくわからんが
とにかくこの様子だとジジィが新しい能力を与えてくれることは無いのだろう…
潔く諦めるか…
「んじゃさっさと異世界とやらに飛ばしてくれ」
こんなにタラタラとやってたら
いつまでチュートリアルやってんだと怒られてしまいそうだからな…
「んじゃ!いってらっしゃーい~」
ジジィがすごく軽いノリでそう言って指を鳴らすと
また俺の目の前が真っ暗になった