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3話適性検査

「カゲル君…君には実戦訓練をやってもらう!」


「実戦訓練つったってなにやればいいんだよ?こんな何もない場所で」


見渡す限り何もない真っ白な部屋だ


「フォッフォッフォ簡単な事じゃよ

ワシと少し手合わせしてくれればええんじゃ」


このクソジジィと手合わせ…

でもこんなハゲでも一応神だし

俺をここに連れてきた時だって

指パッチン一つで俺を殺しやがったからな

勝負になるのだろうか…


「ゴホン…それなら心配ない

君にはこの訓練の間だけワシの力を少しだけ授ける」



このジジィ心が読めるのか…


「わかったよ…んでいつ始めるんだ?」


「まぁまぁそんな急くで無い」


「まずお主に力を授けてからじゃ」


そう言ってジジィが俺の方向に向かって手をかざすと

俺は白い光に包まれた

とても心地よい…


「まぁとりあえずある程度の身体強化と多少の具現化魔法を使えるようにしておいた」


「具現化魔法…?」


「口で説明するより実際やってみた方が早いじゃろ…試しに剣を想像してみるんじゃ」


言われた通り自分の中で剣を想像する

すると…片手には鉄製の短剣が握られていた

程よくズッシリとした重みを感じる


「すげぇ…魔法って本当なんでもありだな…」


「スキルの使い方はわかったかね?では始めようとするかのう…」


ジジィはニヤリと不敵に笑うと

一気に地を蹴り飛び込んできた


ジジィは腰をズッシリ落として

中段の掌底を俺の脇腹に叩き込んできた


「グハァ…」


俺はあまりの衝撃に声にならない声をあげながら

ぶっ飛ばされた…


だが衝撃は凄かったものの、痛みはそんなに無い

身体強化のおかげだろうか…


俺はムクリと立ち上がり


「じいさんよぉ…いきなり不意討ちとはひどくねーかい?」


「今から勇者になる男が何を言っておる」


「俺の元いた世界では礼節を重んじるんだよ

まず戦うときも握手からってな」


「おーそれはそれは失礼じゃった」


「分かってくれれば良いんだよ」


「では握手をしようか…」


そう言いながらジジィはニコニコしながら

手を差し伸べてくる


バカめ…それが貴様の遺言だ…



俺は差し伸べられたらジジィの指を掴み

思いっきり逆の方向に向けた


ベギィ…と骨の折れる生々しい音が鼓膜を震わせる


ジジィは呆気にとられてるようだった




隙ができた瞬間に具現化魔法でナイフを具現化

右手に握られたナイフで狙うはジジィの喉


「もらった!!」


ナイフを喉元に向かって思いっきり突いたが

俺の放ったナイフは空を切った


「なん…だと…」


「今のはさすがにヒヤッとしたぞい…少し本気を出してしまったわい」


ジジィの声が背後から聞こえる

おそらく瞬間移動でもして俺の背後に回り込んだんだろう…

神ならそれぐらいやれても不思議じゃない


「それにしてもなにが礼節じゃ…神の好意を逆手にとっての不意討ち…最低の勇者じゃな」


「そりゃお互い様じゃないの」


ジジィはブツブツと言いながら

指を自分で捻って元に戻していた


さすが神…再生能力も半端じゃないわけか…


「でもこれで始まりの合図ってことでいいんじゃろな?」


「…おう」


ジジィは俺の返事が終わる前に

もう間合いを詰めてきていた


なんてクソジジィだ…


だが俺も二度同じ手は喰らわない


ジジィが真っ直ぐに突きだしてきた正拳を

受け流し

そのまま程よく脱力した手で目をねらってカウンター


目を叩かれたジジィは少しだけ怯んだ


その隙に具現化魔法…拳銃

俺の元いた世界ではこれぞ最強の暴力

どんなに鍛えた格闘家だろうと引き金を引く指一本さえあれば殺せる

お手頃な一品だ



ジジィの頭めがけてハンドガンを3発発泡

パンパンと乾いた銃声がこだまする



これで死なない生き物などいない!


ジジィは頭に銃弾を受け

力なく倒れこんだ



「やった…!」


と思いきや


「今のは少し痛かったのぉ」


メキメキと音をたてながら

ジジィはありえない体勢で立ち上がる




そして口からペッとなにかを吐き出した


カランカランと金属音が響き渡る

見てすぐにわかった…銃弾だ…



「でもそれにしても今のは良い動きじゃった」


「訓練はこんなもんで良いじゃろう…お主の適性もわかったしのぅ」








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