2話カゲル勇者になる
「フォッフォッフォではお主のスキル選びを始めようかのぅ」
「だーかーら俺はまだ勇者になるなんて言ってない…! 」
「勇者にならなければお主の魂は消滅するだけじゃぞ…それでもいいのか?」
クソ…そう言えば元いた世界の俺はコイツに殺されてるんだった…
「卑怯だぞ…クソジジィ…」
俺は思いっきり目の前のハゲを睨む
「そんな怖い顔をするでない…そんな顔じゃとても勇者には見えんぞ」
フォッフォッフォと笑いながら
俺をなだめるようにジジィは話を続ける
「でもあれじゃ…勇者になるとお前さんにとって良い事もたくさんあるんじゃぞ?」
「良いことって…なにがだよ? 」
「ほら…あれじゃよ…異世界行くとハーレムじゃよ?」
「え!マジで!? 」
ハゲは俺の反応を見てニヤリと笑う
「そりゃ勇者なんて選ばれた人間に
しかなることの出来ない職業だからのぅ…そりゃモテモテじゃ 」
「でもまぁ…カゲル君がそこまでなりたくないって言うなら仕方無い…他の勇者候補を探すとするわい…」
「おい待て…ジジィ…いや待ってくださいジジィさん」
「せめてじいさんって呼べよ…「さん」付ければなんでも良いってわけじゃないからね」
「やっぱ勇者やらせてください!」
「ほぅ…やっとやる気になってくれたか…」
「いやいや元からやる気でしたよ!小学校の卒業文集に将来の夢は勇者って書いた程だからね!中学生の時なんて聖剣を片手に青春過ごしてたからね!」
もちろん嘘である
ちなみに小学校の頃卒業文集に書いた夢は「コックさん」
しかも中学の時なんて股にぶらさげてる
聖剣しか握ってこなかったしょっぱい青春送ってたから後者はあながち嘘では無い
「それはすごいのぅ…」
「だから早く異世界に飛ばしてくれよ!」
「あ、その前に最初に言ったスキルをお主に与えなければならない…」
「どんなスキルがお望みかね…? 」
スキルか…
やっぱ俺も異世界物のテンプレっぽく
チート無双とかしてみたいな…
なにか万能な能力は無いだろうか…
…あ、そうだ!
「四●元ポケットが欲しいです。」
「それは色々な意味でアウトじゃ」
「ここで話をグダグダ聞くより「適性」を調べた方が早そうじゃな…」
「適性…?あースキルの適性ってことか」
まぁ要するに簡単に言えば
魔法が得意なやつ
剣術が得意なやつ
近接格闘が得意なやつ
みたいな適性があるんだろう…
「その通りじゃ…まずお主にはスキルの適性を調べさせてもらうために実戦訓練をやってもらう!」
「なんか…いよいよチュートリアルって感じだな…」