1話 謎のジジィ
…目が覚めると俺は
何もない真っ白な部屋にいた
なんだここは…
そう呟くと
後ろから老人の笑い声が聞こえた
「フォッフォッフォ目が覚めたかね…」
振り向くとそこには白いローブを纏った体格のガッシリしてる頭のハゲたじいさんがいた
薄暗くてさっきはよくみえなかったが
おそらくさっきのボケじいさんと同一人物だろう…
「いきなりこんなとこに連れてきてしまってすまんねぇ」
「え…そんなことよりここどこよ?」
「ここは全ての始まりの世界じゃ」
「は、始まり?」
このじいさんが何を言ってるのか
サッパリわからない
「そうじゃ…分かりやすく言うならゲームのチュートリアルのようなものじゃ」
「な、なるほど…」
確かに分かりやすい
分かりやすいがとても理解できる状況では無い
「さっきも言った通りお主は勇者として選ばれたんだよ…」
「なんで…俺が勇者に…」
そりゃそうだ
もっと適任なやつなら
いくらでもいるはずだ…
自分で言うのもなんだが俺以上の駄目人間は早々いないと自負している
「気になるか…?フォッフォッフォまぁ細かいことは気にするな」
ジジィは邪気をはらんだ笑みを浮かべ
話を濁した
「そんなことよりもっとツッコミたいことがあるじゃろ」
生憎それは大人(作者)の事情で聞けないんだよ
深い世界観とか聞くと色々大変になるんだよ
色々考えなきゃ行けないんだよ
「てか俺はまだ勇者になることを承諾していない!」
「でもこの世界にいるってことはお主一回死んでるんじゃぞ…」
「…は?」
「正確にはワシが殺したんじゃが…」
いくら色々考えるのがめんどくさいからって
これは急展開すぎるだろッッ!
「もうお主は異世界で生きてくしかない!」
「ざけんなジジィ…殺すことができるなら生き返らせることも出来んだろ!」
「無理だよ無理」
「あーそうかよ…まぁ自分の毛根も生き返らせれないやつが人を生き返らせれるわけもないわな…」
「あー今のでマジキレたわ…
てか別に本気出せばワシフサフサだし
あえてこういうファッションしてるだけだし」
「黙れハゲ」
「あー…ワシにそんなこと口聞いて良いと思ってんの?
ワシ神よ?神ぞよ?お前そんな生意気だとスキルとかあげないよ?」
「スキル…?」
「ほら…異世界モノでは定番じゃろ?」
確かに異世界モノでは定番だが
本当にスキルというものが存在するのか…
もしスキルが本当に実在するなら
俺も無双ハーレムが可能ってことかッッ!
てかちゃんと説明しろよジジィ!
「まぁワシ怒ったからお前には泥団子作り極みスキルぐらいしかやらないけどな」
本当にこのジジィ神かよ…
鬼畜すぎる
ドラ●エの王様よりひでーよコイツ
ドラ●エの王様だってヒノキの棒と少しのお金くらいはくれるのに
「このジジィ…」
「フォッフォッフォ冗談じゃよ冗談」
「ではお主のスキル選びを始めようかのぅ」