プロローグ
あーやることねぇ…
ゲームみたいにポンポンイベントとか発生してくれりゃいいのにな…
まぁ家に引きこもってちゃフラグも建つわけねぇか…
そんなことをぼやきながら、俺はこの六畳の部屋で漠然とすぎる時間を過ごしていた
俺にとってこの六畳の部屋が全てだ
外の世界なんてなんも知らない
社会のルール?常識?なにそれ美味しいの?
あーそんな下らんこと考えてたら
腹が減ってきた…
そういやカップラーメン全部食っちまったんだった…
仕方ない…久しぶりにイーストブルー(自室)から新世界(外)に行くか…
俺は部屋のドアを開け
下の階に降り、玄関を開け外に出た
冷たい風が体をなでる
うぉ…予想以上にさみぃ…
覇気を習得してない俺に新世界は早すぎたか…
一瞬部屋に戻りたいという気持ちが脳裏をよぎったが…
いや!俺は手にいれてみせる!
一つなぎの大秘宝を…
そう意気込んで俺はコンビニに向かった
幸い俺が住んでるのは結構田舎なので
夜の時間帯はまず人に会うことは無い
はずだったのだが…
薄暗くて良く見えないが老人らしき人物がこっちに近づいてくる
おいおい大丈夫か…
まさか深夜徘徊とかじゃねぇだろうな…
とりあえず関わらないでおこう…
老人との距離は縮まっていきそのまま通りすぎようとしたのだが
「遂にみつけだぞ…」
老人はそう言って俺の手を掴んだ
「え!ちょっ…」
「君は異世界を救う勇者として選ばれたんだよ…」
なに言ってんだこのじいさん…
相当重症じゃねぇか
呆気にとられてる俺をよそに
老人は話を続ける
「とりあえずこんな場所で話すのもアレだ
場所を移そう」
そう言って老人が指をパチンと鳴らした瞬間
俺の目の前がスッと暗くなった