表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰らずのかぐや姫  作者: 若槻風亜
其の三
10/32

其の三


 あのおかしな出来事を目撃してから少しして、ひとつの大きな噂が人々の間に流れ出した。それは、『帝がかぐや姫に求婚している』というものだ。そして同時に、『かぐや姫がそれを断った』『かぐや姫は人間じゃない』という噂も、様々な尾ひれ背びれをつけて人々の口を泳ぎ渡っている。


 信じる者信じぬ者は数多だが、この男・菅野光典だけはそれが全て真実だと知っていた。帝に関してはかぐや本人の口より聞いたし、主からも聞いた。もうひとつに関しては、以前あの奇怪な出来事を目の当たりにしているため。


 光典は空を見上げた。空には満天の星、そして満ちた月が誇り高く輝いている。あの夜、かぐやはこの満月と同じ光を発していた。


 光典はあの光景を見た時から何とも言えない思いに囚われている。かぐやとは今まで通り良い友人でいたい。自身よりも腕の立つかぐやとの稽古は武の研鑽を積むためには最適だ。くだらない話をして笑い合うという何てことのないやり取りが楽しい。どの意味でもかぐやと過ごす時間は光典にとってとても楽しいものなのだ。


 しかし彼女に対して抱いていた信頼に、ここ最近、〝得体の知れないもの〟という疑念が影を差している。その状況が気持ち悪くて仕方なくなった光典は決断した。元々よく言えば正直で、悪く言えば単純な光典は、もっとも手早く確かな方法を取ることにした。



 直接かぐやに、聞く。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ