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4話

 眼下に濃紫色の光を放つ亀の甲羅のような巨大な機動兵器(アーム・ムーバー)が浮かび、その周囲を無数のエイ型ドローンが渦を巻くように周回している。


 無数の棘が生えた亀の甲羅の中央部に、目のような碧い輝きを宿したデュアルカメラをもつ頭部が生首のように生えている。


「……悪趣味だね……」


 複座となっている前方のリクライニングシートに白いパイロットスーツを着込んだ、黒髪童顔の男が顔を顰める。


 リクライニングシート前面のコンソールに視線を向けると、まるで意図を感じ取ったかのように3対6枚の翼を持つ白い天使の模式図(シルエット)が表示される。

 6枚の翼の先端部分が、ランダムに朱色へ変わっていく。

 全天周囲モニターの下部に映し出された数百のエイ型ドローンが赤い正方形で囲まれる。

 ビープ音と共に『Lock On』という文字が表示される。

 エイ型ドローンの周回の動きに合わせ赤い正方形が移動していく。


「……行け……」


 黒髪童顔の男の呟きと共に、白色の数百の羽根が一斉に眼下へ飛び散る様が全天周囲モニターの下部に映し出される。

 白色の光を放つと、意思を持ったかのように数百の羽根がエイ型ドローンに襲い掛かる。直後、リクライニングシートの足元付近の全天周囲モニター底部に多数の爆発が次々に映し出される。


 リクライニングシート前面のコンソールに視線を向けると、視線を感知したことを示す、緑のランプが点灯する。同時に『Weapon Controller』というラベルのサブウィンドウが表示される。


 [Active Weapon]

  Homing Wing Shot 875 / 1000

 

 [Deactivate Weapon]

  Wing Shot 29000 / 30000


  Claíomh Solais


「……自動追尾機能を備えた遠距離攻撃兵装か……」


「これが……B装備なんですか?久間さん」


 思わず呟いた言葉に、後方のリクライニングシートから声が掛けられる。


「いや……結局、B装備に換装する時間はなかったんだよ……塁君。」


「えッ!?……ということは……こんなすごいのが通常兵装なんですか?」


 リクライニングシート前面のコンソール上に表示された3対6枚の翼を持つ白い天使の模式図(シルエット)の6枚の翼の先端部分が、ランダムに朱色へ変わっていく。

 全天周囲モニターの下部に映し出された数百のエイ型ドローンが赤い正方形で囲まれる。

 ビープ音と共に『Lock On』という文字が表示される。


「……通常というか……塁君の『真実の鍵』の力によって機能拡張された――というのが正しいかな……」

 

「えっと……俺の『真実の鍵』の力?……機能拡張?……」


 久間が発した聞きなれない言葉に、塁は怪訝な表情を浮かべる。


「具体的には翼型のフライトユニットが誘導型の遠隔兵装へ、高周波ブレードがエナジーウェポンへと機能拡張されているみたいだね。」


「ッ!?……機動兵器(アーム・ムーバー)の機能拡張ってことですか!?……まるで環境変化にあわせて進化したような……」


「進化か……言い得て妙だね……」


 塁は、多数の爆発が次々に映し出されているリクライニングシートの足元付近の全天周囲モニターの底部に視線を向ける。


「こんな大戦力を相手にすることができる兵装への機能拡張って……なにか別の意志が介在しているみたいですね……」


「……それこそ、神の御意思かもしれないね……」


 全天周囲モニター前方のコンソールの表示を眺めながら、久間は後方のリクライニングに向けて言葉を返す。その表情を苦々し気に顰めながら。


 一瞬の静寂が訪れたコックピット内でビープ音だけが一定の間隔で鳴り続ける。その度に『Weapon Controller』というラベルのサブウィンドウに表示された数字が減っていく。

 

 [Active Weapon]

  Homing Wing Shot 831 / 1000


「……でも最初は起動しなかった特化型の機動兵器(ライトセイバー)が突然起動したのは何故なんだろう……」


 静寂を破るかのように、塁が独り言のように呟く。

 

 久間は、前方のコンソールを眺めながら再び表情を顰める。

 そして、嘆息すると、やおら塁へ向かって言葉を紡ぐ。

 

「……この機体(ライトセイバー)を起動するためには起動キーとして生体情報を登録する必要があるって言ったよね」


 静かな……それでいて有無を言わさぬ言葉の圧に、塁は喉を鳴らす。


「……はい。」


 なんとか絞り出した声がコックピット内で響くビープ音に掻き消される。

 

 見ると『Weapon Controller』というラベルのサブウィンドウに表示された数字が、ビープ音が鳴るたびに減っている。

 

 [Active Weapon]

  Homing Wing Shot 813 / 1000


「具体的には、この機体(ライトセイバー)のコア――摩那転換炉(ジェトメイバ)に生体情報を登録するのだけど……登録をするためには、対となる聖遺物(アミュレット)が起動キーになるんだ……」


 久間は、そこで言葉を切りリクライニングシート越しに塁の方へ視線を向ける。


「……かつてこの機体(ライトセイバー)のパイロットだった勇者(ケイ=アルマナ)が起動キーにしていた聖遺物(アミュレット)は、失われしまってね……」


 作り笑いを顔に浮かべるも冷ややかな久間の目に塁はゾクリとする。

 

「どうやら、その失われた聖遺物(アミュレット)が君の中に取り込まれているようなんだ。」


 久間の言葉に、塁は目を見開く。


「……聖遺物(アミュレット)が……俺の中に取り込まれて……いる……」


 呟いたとき、()()()の願いが塁の脳裏を過ぎる。

 

 『僕に、幻想洞窟(ダンジョン)から湧き出した魔獣をやっつける力を下さい!』

 

 ハッとする塁の様子に、久間は全天周囲モニターの下部に映るエイ型ドローンが撃ち落とされ爆散する様子を眺めながら口を開く。


「……やはり、心当たりがあるようだね……」


「……は……い……」


 唐突に()()()の姉の声が、脳裏を過ぎる。


『累が何かする必要あるの?それに……こんな状況を子供1人がどうにか出来る訳ないじゃない!』

 

 リフレインするその声に、思考がまとまらない。息が荒くなる。

 自分の()()()()のせいで居なくなってしまった姉。


『これはな、鞘から抜いて願えば何でも1つだけ叶えてくれるモノなんだよ』


『何でも1つ叶えてくれるの?』

 

『ああ、そうだよ。本当に困ったときに鞘から抜いて声に出して願いを言うんだ。御守りとして常に持っていると良いよ。』


 父から御守りとして渡された短剣。


 今から思い返すと、姉はその短剣が何なのかを知っていたのかもしれない。

 だからあの時、強硬に反対したのだろうか。


『えっ!?……だ、だめよ!……危ないから絶対にだめ!』


 あの時の姉の声が脳裏を過ぎる。

 自然と右手で胸をかきむしるようにして荒い呼吸が過呼吸のようになる。

 苦悶するような表情を浮かべる塁を久間は横目で冷ややに見る。

 

摩那転換炉(ジェトメイバ)への生体情報の登録に使用された聖遺物(アミュレット)を『真実の鍵』と言うのだけれど……勇者(ケイ=アルマナ)の生体情報を保持したまま聖遺物(アミュレット)が塁君の身体に取り込まれたようなんだ。だから、塁君自身が『真実の鍵』になってしまった……と考えていいだろうね。」

 

「……」

 

 久間の言葉に、塁は過呼吸のように荒く呼吸をしながら視線だけを久間に向ける。

 何かを言うとするも口をパクパクと開閉する。

 

 一瞬の静寂が訪れたコックピット内でビープ音だけが一定の間隔でなり続ける。

 その度に『Weapon Controller』というラベルのサブウィンドウに表示された数字が徐々に減っていく。

 

 [Active Weapon]

  Homing Wing Shot 761 / 1000

 

「結果、この機体(ライトセイバー)を起動するためには、『真実の鍵』となった塁君がコックピットに搭乗する必要がある「なんで……」」


 久間の言葉を遮るように、塁がかすれた声を出す。

 

「ん?」

 

「……なんで……久間さんは……そんなことが分かるんですか?」


「それは……」


 言いかけた時、一際大きいビープ音と共に全天周囲モニターの前面に『Warning』というラベルのサブウィンドウが開く。

 無数の棘が生えた亀の甲羅の両端の外縁部装甲がスライドし、巨大な砲門がこちらに向けられている。

 生首のように生えた亀の甲羅の中央部には、目のようなデュアルカメラをもつ頭部が紅色に輝いている。

 

「……Wing Shotの制御元がこちらだと気が付いたか……」


 久間は、目を細めるとリクライニングシートのマニピュレーターを操作し、前面のコンソール画面上のタッチパネルを順に押していく。


「……何を……」


 右手で胸をかきむしるようにしながら、塁は荒い呼吸の合間に誰何する。


「やられる前に、薙ぎ払うだけさ。」


 久間は、リクライニングシート前面のコンソールのタッチパネルを操作する。

 と、『Weapon Controller』というラベルのサブウィンドウの[Active Weapon]の下にClaíomh Solaisという文字が移動し点滅する。


 [Active Weapon]

  Claíomh Solais


  Homing Wing Shot 755 / 1000

 

 [Deactivate Weapon]

  Wing Shot 29000 / 30000


 守護天使(ライトセイバー)がやおら左腕を|巨大な亀の甲羅のような機動兵器ヘビー・アーム・ムーバーへ向ける。

 次の瞬間、左腕の装甲がスライドし展開すると白色光の光があふれ出す。

 と、周回するドローンの群れを突き破るように、白い光の本流が迸る。


「……B装備よりも出力が桁違いじゃないか……フフッ……これなら……勇者(ケイ=アルマナ)以上の力を振るえるってことじゃないか……」

 

 目の前の光景に歓喜にも似た表情を浮かべる久間の目の前に、長さが10キロにも及ぶ巨大な光の剣が顕現する。


「……ッ!?」


 右手で胸をかきむしるように呼吸を荒げながら目を見張る。

 

 巨大な光の剣の刃付近で大小多くの爆発が起きる。

 

「こ、これは……グッ!?…あああああああああああああああああ!!」


 左胸の奥が何かに鷲掴みされたような感覚に襲われ、塁はリクライニングシート上で身を捩る。

 

 守護天使(ライトセイバー)は、10キロにも及ぶ巨大な光の剣の刃を周回するドローンの群れを引き裂くかのように薙ぎ払った。


 ◇◆◇


 白く輝く羽根が意思を持ったかのように次々とエイ型ドローンを撃ち落としていく。


「何ッ!?……何処からの攻撃だ!?」


「今、探索(サーチ)をかけているわ。」


 と、ビープ音とともに赤い枠が全天周囲モニター上部に表示される。

 直後、『Zoom 300%』というラベルのサブウィンドウが表示される。


 「……あれは……守護天使!?」


 「何!?」


 『Zoom 300%』というラベルのサブウィンドウに3対6枚の翼を広げて中空に佇む機動兵器(アーム・ムーバー)が表示されている。


 守護天使のような機動兵器(アーム・ムーバー)の3対6枚の羽根の先端が光り輝くと、守護天使を中心に数百の羽根が円を描くように展開される。


 直後、より強く白く輝くと、展開された羽根が意思を持ったかのようにエイ型ドローンを撃ち落としていく。


「こいつが仕掛けているのか!」


「……この位置からだと超長距離射撃になるわね。」


「狙い撃てるか?」


「やってみるわ……」


「むっ!?」


 李特尉の声に顔を上げると、『Zoom 300%』というラベルのサブウィンドウに表示されている、3対6枚の翼を広げて中空に佇む機動兵器(アーム・ムーバー)が左う腕をこちらに向けて掲げている。左腕の兵装がスライド、展開されると白い光に包まれる。


「向こうも、超長距離射撃か!?」


「こちらの方が早いわ!このまま撃ち落としてしまえば……」


 趙特尉が言い終わる前に、全天周囲モニターが突然発生した白い閃光に包まれる。

 全天周囲モニターに薄暗いフィルターがかかり、一瞬、目視できる状態になるも白黒のノイズが表示される。直後の無数の爆発音が振動と共に伝わってくる。

 

「……なんだ?」


「今、分析しているわ……」


 全天周囲モニターに幾つものウインドウが開くも白黒のノイズが表示される。


「……駄目ね……センサー類の回復まで少し時間がかかるわ。」


「……ネオ・アトランティカ側の増援と見るのが自然か……」


「恐らくはね……前方の超長距離射撃をしようとした起動兵器(アーム・ムーバー)からの射撃が先だったとしても、この距離まで届くには時間がかかるわ……こちらが勝利を確信した時点での奇襲……嫌なタイミングね……」


「……」


 ビープ音とともに、全天周囲モニター上の幾つものウインドウが白黒のノイズが表示されている画面から外の様子へ切り替わる。

 周囲に展開した多くのエイ型ドローンが、炎に包まれ錐揉みしながら墜落していく様子が表示される。


「ッ!?……何ッ!?」


 多数のエイ型ドローンが、墜落する途中で爆散して無数の部品をまき散らす。


 と、『Warning Alert』というラベルのウインドウが多数表示され、黒武玄神(ハデス)の損傷箇所が報告されていく。


「……D装備の大半の兵装が使い物にならいわ……いくつかの弾薬が誘爆を起こしてるわね……分離(パージ)しないと……」


 趙特尉の報告を聞きながら、李特尉は、1つのウインドウを凝視している。

 コンソールパネルを操作してD装備の兵装の分離パージを行っていた趙特尉は、その視線を辿ってウインドウに見る。


 そこには、エイ型ドローンの爆発により発生した煙の向こうに3対6枚の翼を広げた白い天使が両腕を組んで中空に浮かんでいた。

 

 ◇◆◇ 


 蒼虎騎兵(アジュール・アーム)を覆うように広がる蒼色の蝶の羽に幾何学模様が浮かび上がると薄蒼色に発光する。

 

 レーシングカーを思わせるコックピットで、濃紫色のパイロットスーツ姿の男が、正面のメインモニターを見ながら焦ったように叫ぶ。


「駄目だ『黒狼』!……突っ込むな!」


『何言ってやがる!光学迷彩でこちらの位置を把握できない今が絶好のチャンスだろうが!!』


蒼虎騎兵(アジュール・アーム)の、あの兵装は初見だ!未知の兵装に丸腰で突っ込むようなものだ!」


『ハッ!熱源が多すぎて赤外線センサーが使い物にならない状況で、光学迷彩を看破する機能があってたまるか!』


 が、『黒狼』が吐き捨てるように叫んだ直後、蒼虎騎兵(アジュール・アーム)が両手に持つ二枚の蒼色の蝶の羽が形を変え、濃蒼色の光の弓に形を変える。

 直後、矢を番えると、濃蒼色の光の矢が続けざまに5本放たれる。

 うち、3本の濃蒼色の光の矢が刺さった状態で4足歩行の濃紫色のASULT GRIFFONが姿を現す。

 数歩歩くも、力尽きたように崩れ落ち横倒しになる。

 

「……くそッ!言わんこっちゃない!……『銀狼』!手段はわからんが、こちらの位置がバレている!距離を取るぞ!」


『……くっ……了解だ……』


 と、アラームが鳴り響く。


「……なんだあれは……」


 メインスクリーンの横にサブカメラが捕えた映像を表示するサブウィンドウを凝視する。

 そこには、接近する巨大な重起動兵器ヘビー・アーム・ムーバーとそれに続く無数のエイ型ドローンが映し出されている。


 巨大な重起動兵器ヘビー・アーム・ムーバーから数十の()()が、2機の蒼虎騎兵(アジュール・アーム)へ向かって落下する。

 直後、無数の黒い矢じりのようなものが雨あられとまき散らされる。

 地上に着弾すると同時に、横倒しになったASULT GRIFFONを巻き込みながら連鎖的に爆発が広がっていく。


『……中華大国の新型か……』


『銀狼』のつぶやきに、『赤狼』は激高したように叫ぶ。

 

「ッ!……『黒狼』……くそッ!……俺達を囮に使いやがったな!!」


『赤狼』はコックピット内でメインスクリーン横のコンソールに拳を叩きつける。


 轟音とともに吹き出す爆炎が形作るキノコ雲を目の当りにし、叫ぶ『赤狼』を諭すように『銀狼』が語り掛ける。


『激高したところでどうにもならないのは、判っていただろう。……だが、大勢はこれで決した。人工幻夢大陸(ネオ・アトランティカ)側にはこれに対抗する戦力はないはずだ。接収後の我々の立ち位置が有利になるように中華大国に先んじて中央行政区画を抑えることが優先される。』


「……そんなことは……判っている!……判っているが……結局、俺達は使い捨てかよ!」


『……』


 キノコ雲を中心に回遊するようにエイ型ドローンが移動している。

 やおら、巨大な重起動兵器ヘビー・アーム・ムーバーから、2機の蒼虎騎兵(アジュール・アーム)へ向かって砲撃が開始される。

 遅れてエイ型ドローンからも2機の蒼虎騎兵(アジュール・アーム)へ向かって機銃が斉射される。

 2機の蒼虎騎兵(アジュール・アーム)は、両腕に持つ、いつの間にか形を変えた蒼色の蝶の羽で砲撃や機銃を弾きながら回避行動を取っている。


「……もはや物量にモノを言わせたなぶり殺しだな……」


『……』

 

 掃討されるのも時間の問題。そう思ったとき――回遊するかのように移動するエイ型のドローンによって作られた壁の一部が、唐突に爆発を巻き起こしながら崩れていく。


「……今度は、何だ!?」


 メインスクリーンに、舞い落ちる白い羽根のようなものが映る。

 

『……なんだ?』


 怪訝な『銀狼』の声がコックピット内に鳴り響く。


「白い……羽根?」

 

 しかし、舞い落ちる途中で意思を持ったかのようにエイ型ドローンへ羽根が襲い掛かる。直後、連鎖的な爆発が続きエイ型ドローンの残骸が中空から舞い落ちる。


「なんだ……こんな機動兵器(アーム・ムーバー)があるなんて、情報になかったぞ!」


 『赤狼』の言葉を遮るかにょうに、馬鹿みたいに巨大な白い大剣が、周回するエイ型ドローンの群れを貫くように出現する。遅れて白い大剣の周囲に爆発が巻き起こる。


 爆発とともにエイ型ドローンの残骸が煙をたなびかせながら共に舞い落ちる。


『……だが、多勢に無勢だ……たった1機の機動兵器(アーム・ムーバー)でこの状況をひっくり返せるはずが――』

 

 言い切る前に巨大な白光の大剣が、周回するエイ型ドローンを貫くように出現する。

 直後、メインスクリーンが真っ白な光に包まれた。


 ――『銀狼』が何かを叫んでいる声を聞いたような気がした。

 が、『赤狼』の意識はそこで潰えた。

 

 永遠に時間を要するかのように思える一瞬の後、真っ白な光が辺りから消えていく。

 後に残されたのは辺りをえぐり取ったかのような爪痕と、熱を帯びたガラス化した大地だった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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