Ⅲ-1
スチュアートだけが真ん中にいる
スチュアート「あれから、また一年が過ぎた。僕はキャサリンと結婚した。アンソニーも幸せになっていればいいけど・・・本当にアンソニー、君はどこにいるんだ?」
暗くなる アンソニーとアリスがいる
アンソニー「アリス?」
アリス「何?」
アンソニー「俺さ・・・アンソニーじゃなくて、本名のケヴィンとして生きていこうと思うんだけど、どう思う?」
アリス「なんで、急にそんなこと言いだすの?」
アンソニー「アリス。俺はもう逃げないって、アリスとつきあう前に決めただろう?」
アリス「ええ、言ってた」
アンソニー「自分の本名、ちゃんとあるのに、本名で自分の名前をなのれないのは逃げてるんじゃないかって、最近思うんだ。・・・だから、辛い過去だらけのケヴィンっていう本名をつかって、これからの人生を過ごしていきたいんだ」
アリス「それはとっても良いことだと思うけど、どうして急に『ケヴィン』って名前で過ごすの?アンソニーでもいいのに・・・」
アンソニー「アンソニーっていう名前はさ、俺が自由になった時に勝手に俺が付けた名前なんだ。辛い過去はほとんどない。楽しい思い出ばかり。でも、『ケヴィン』は違う。ケヴィンっていう名前はさ、辛い過去だけの思い出ばかりで、楽しい思い出は何もない。だから、今が名前を変えるのに持って来いなんだ!」
アリス「どうして、持って来いなの?」
アンソニー「それはね、今、本名をつかって人生を送っても辛くはないと思うからだよ」
アリス「どうして、辛くないの?」
アンソニー「アリス、君が一緒にいてれるからだ。だから、楽しい思い出ばかりになるだろう?だから、今が持って来いなんだ!!『ケヴィン』っていう名前を楽しい思い出で一杯にしたいんだ。辛い過去に負けないくらいの楽しい思い出を作りたいんだ!!」
アリス「分かったわ。アンソニー・・・じゃなくて、ケヴィン。これから、私はあなたのことを本名の『ケヴィン』で呼ぶわ。それでいい?」
アンソニー「ああ、これからは俺のことを『ケヴィン』って呼んでくれ!・・・・・・アリス・・・」
アリス「何?」
アンソニー(ケヴィン)「今まで、ありがとう。これからは『ケヴィン』として生きていくけど、アリスへの愛は変わらないよ」
アリス「ケヴィン・・・」
ケヴィン「改めて言うよ、アリス。君が好きだ!愛してる!!だから、俺と結婚してほしい」
アリス「ケヴィン、私もあなたのこと愛してる!!喜んで結婚するわ!!」
ケヴィンとアリス 抱き合う