Ⅱ-1
スチュアートだけが真ん中に立っている
スチュアート「アンソニーがいなくなってから約一年が過ぎた。風の噂によると、アンソニーは本当に僕の住んでいる所から遠い所に住んでいるらしい。・・・アンソニー、君は今どこにいるんだ?」
スチュアート、退場 アンソニーだけが真ん中にいる
アンソニー「あれから一年が過ぎた。友人の恋は叶ったんだと思う。もう一年も連絡していない。幸せに過ごしていればいいけど・・・」
暗くなる アンソニーが真ん中にいる
アンソニー「あの日、俺はパーティーへ行った。何故、行ったかって言うと、キャサリンを忘れるためさ」
暗くなる パーティー会場に変わる アンソニー、あちらこちら見ている
アンソニー(大きなため息)「はぁ・・・。女は皆、ブスばっか。綺麗な女には皆、男がいる。つまらないから、そろそろ家に帰るかな」(立ち上がり、ドアの近くまで歩く)
慌てたアリスがドアから入って来て、ドアの近くにいたアンソニーにアリスがぶつかる
アリス「ご、ごめんなさい!!大丈夫ですか?」
アンソニー「あ、大丈夫、大丈夫(アリスを見ながら)じゃあ」
ドアから出て、ドアの横に止まる
アンソニー「さっき、ぶつかった子はまあまあかもな」
(そう言いながら)暗くなる アンソニーが真ん中にいる
アンソニー「それから、そのぶつかった子と、喋るようになった。喋ると言っても、そのぶつかった子が一方的に喋って、俺はその子の話をただ聞くだけだったけど・・・そのぶつかった子の名前はアリス。アリスがいつも話すのは恋愛話。おっと、アリスがやって来た」
喜びながら、アリスがアンソニーの近くまでやって来て、早足でアンソニーのところに行く
アリス(笑顔で)「アンソニー!!・・・(真面目な顔で)今日はね、とっても大事な話をしようと決めて来たの」
アンソニー「大事な話?」
アリス「そうなの。私の大事な話はね、(今まで以上にないくらい真面目な顔で、アンソニーを見つめながら)・・・・・・・・・私、アンソニーのことが好きで好きで好きでたまらないの!
愛してるの」
アンソニー「・・・・・・」
アリス「アンソニー?」
アンソニー、急に歩き出して退場 それを追いかけながらアリスも退場 暗くなる