Ⅰ-2
アンソニー(客席から見て右)、スチュアート(客席から見て左)、キャサリン(真ん中)
アンソニー「二人とも遅かったな。約束の時間より三十分も遅れてる」
スチュアート「それはすまなかった」
キャサリン「ごめんなさい」
アンソニー「どうせ、二人で話し合って来たんだろ?俺もこの三十分間を有効に使わせてもらった」
スチュアート「・・・・・・」
キャサリン「・・・・・・」
アンソニー「よくこの三十分間で考えた・・・俺は本当にキャサリンが好きなのかってね。よくよく考えてみれば俺は、キャサリンを愛していない。スチュアート怒らないでくれよ、俺はもしかするとお前に好きな奴ができたと言われて、焦ったのかもしれない。それで、お前が好きになった女を好きだと言ったのかもしれない。たぶん、そうなんだ。だから、俺はキャサリンが好きじゃないんだスチュアート」
スチュアート「ほ、本当か?」
アンソニー「ああ、本当だ。スチュアート、キャサリン。二人とも、お互いに本当に愛し合っているんだろう?」
スチュアート・キャサリン「えっ!!」
アンソニー「そうなんだろう?」
スチュアート「僕はそうだけど・・・キャサリンは・・・」
アンソニー「キャサリン、そうなんだろう?」
キャサリン(恥ずかしそうに、下を向き、頷く)
アンソニー「これで決まり!二人とも末長くお幸せにね。俺はこれから旅に出る。じゃあな!」
アンソニー、歩き出す
スチュアート「待てよ、どこに行くつもりだ?」
アンソニー「さあ?分からない。でも、ここよりは遠い所だ。(止まって)もう、ここには帰って来る気はない。じゃあな」(退場)
スチュアート、キャサリン黙ったまま、暗くなる