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sad-ism  作者: yashiki
1/1

記憶

「ほら、飲めって言ってんだろ。早くしろよ先生が来るだろ」


彼女は涙目で首を横に振る。元々大きく二重で可愛い印象をもつ丸い瞳が、涙でより強調されている。

長い髪が左右に揺れ、必死に嫌だと訴えてくる。

両肩を少年らに押さえつけられ、手入れされた長い髪は乱れていた。


「やだ、離して、やだっ」

「喋んな」


彼女の腹部に拳を沈めた。本気ではない。

うぅ…と静かに呻く彼女。


たのしい。たのしい。たのしい。


どんなゲームより、どんな遊びよりやっぱりヒナを遊ぶのが楽しい。


「給食残しちゃいけないんだよ、ヒナ」

「ダメなの、ほんとに、苦手で、牛乳とか」

「知らねえよ、ほら、食べやすいように全部混ぜてやったから、ちゃんと飲めよ?」

「無理なの、お母さんも知ってて先生も食べられないの知ってるから、まってダメなの、うぅ…」


無理矢理詰め込まれた食べ物だったそれを、戻すことなく嚥下するヒナ。

何度かの嗚咽後、顔を白くし、頬を膨らました。

うぉえおえぇえエェエ…ッ!!!!


「わー、ヒナが吐いたーきたねー」

周りの少年たちが囃し立てる。

ヒナは汚した床と服を見ながら動けず、僕を見た。

綺麗な瞳は涙で真っ赤に腫れ、焦点は合わずこちらをボーッと眺めている。


あぁ、かわいい。


静かに彼女に歩み寄って拳を握った。



「せっかく食べさせてやったのに戻してんじゃねえよ!」


女の子は柔らかくて、壊れそうで、だから、


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