第1話(8)現シナリオ上のパーティメンバー
私達も新垣さん達も武器をそれぞれ構えると、エースは、血相変えて止めに入った。
「待って!マリア・・さん?」
エースの目線の先にいる女性のアンドロイドは泣きそうな表情でうつむき、エースの前にやってきた。
アンドロイド達は、全身を青色の制服を着ている。
その制服はボロボロで、激戦の後のように思える。
「本当にごめんなさい。私は、アンドロイドです。エースさん。貴方を騙すつもりは無かった。あの時は、人間の軍人に仕える身だった。まるで、奴隷の様に生きてた。あなたに話しかけたのは、内通者を探す為。突如大量の研究者が失踪した。アンドロイドを開発した、ミネルバ・オウル教授含めて居なくなった。研究所に出入りできる、軍人から情報を聞き出す為だったの。」
「そっか。あの時は、自由が無くて生きてる心地がしなかったんだね。僕は、気付いてあげられなかった。あの時気付いてここの事を話してたら、救えたのかな?」
「違うよ。あの時聞いてたら私は報告してた。」
「マリアさんあなたは、まだ嘘をついているね。」
真っ黒い扉に閉ざされた、厳重そうな扉が入り口から見て右側にある。
そこから、白衣の50代くらいの女性が歩いてきた。右足からは、機械の駆動音の様な音が微かに聞こえる。
「ミネルバ教授。」
エースが駆け寄ると、教授は優しく微笑んだ。
「もぅリハビリは、済んだ。この通り歩けるから大丈夫よ。ありがとう。彼は、腕の良い医者ね。」
「ミネルバ教授、私が軍と繋がってるとお思いですか?」
マリアの質問に教授はゆっくり1歩1歩歩きながらあゆみに合わせるように答えた。
「貴方は、今はデモ隊に入ってるのよね。後ろにいる方々は、テレビで見た事があるわ。武器を持たず、アンドロイドの人権を主張し、戦争を止める為に動いている。軍はね、あなた型を気にも止めてないわ。なのに、スパイを送り込むとも考えにくい。」
エースは、優しい表情でマリアに話した。
「マリア。僕は、この研究所の事が外部に漏れてないか、軍を徹底的に調べてたんだ。だから、君の目的も知っていた。それに、君は僕のデスクのHPCを調べてたね。ほんの数日前だ。あそこには、この研究所を記した情報を暗号化して保存してたんだ。マリアが僕のHPCを開けれる事を知ってたから、マリアに伝わると願って保存してたんだ。」
「そのデータを、私は見てやってきた。エースは全てを知ってたの!だったら、あの時の告白は嘘だったの?」
「違う!!僕は本気だ!全てを知って、その上で君を愛した!」
エースは、力強くマリアを抱きしめた。
私達のHPCには新垣さん達のチームがパーティメンバーに入った事が表示された。
新垣さん達には、私達がパーティメンバーになった事が表示されてると思う。
「目的は、何?」
教授が聞くと、マリアはエースと離れて話し出した。
2人は手を繋いでいる。
「ここでは、アンドロイドを生物にする研究がされてるんですよね。平和の為には、最良の選択だと思ってます。私達を生物にしてください!」
アンドロイド達は、地にも着くほどに深々と頭を下げた。
「研究は、まだ完成してないの。生きてるアンドロイドをナノマシンで調べて、私達の理論が正しいのか確認したいの。」
私達と一緒にいるボブの女性の研究所が申し訳なさそうに返した。
「是非俺達を使ってください!平和の為なら、お願いします!」
リーダーらしき、青年のアンドロイドは、縋るように放った。
「ついてきて!研究を完成させるよ。」
教授は、そう言って私達がいた部屋のある通路に向かっていく。
アンドロイド達や私達も教授について行った。