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第1話 新生日本

※この物語は、全て架空です。


2016年8月8日、地球内の謎の核エネルギー反応で、地球が膨張、全ての国の国土が増え、沈んだ島々が海底の隆起で浮きあがり、日本の北海道より上で、アラスカ州とロシアの間に新しい大陸も出来、そしてそこから天然資源が大量に発見され、世界が恵まれた・・・・とはいかなかった。その反面世界は強力な磁場で、電子機器は荒れ、世界のハイテク携帯やパソコン、無線機器、そしてハイテク軍事兵器も、全てが使用不能に陥り、向こう二週間は使い物にならなかった。

8月22日、国連は、この天災を「グランドパニック」と名づけ、世界各国首脳を緊急招集、被害の状況を把握、そして新しくできた大陸は、「世界の宝庫」とし、「ワールド大陸」と名付けられ、多民族の移民を受け入れを決定した。これが後の「エルハンド連合共和国」となる。そしてこの頃から、磁場の影響は少なくなり、事態は沈静したが、軍事兵器にはこれまでに無い世代後退が起き、世界各国の軍部は、磁場に強いハイテク兵器製造に躍起になる。

そしてこのグランドパニックから一つの国が、いち早く全てを克服した、それは日本だった。

日本は世界に冠たる工業技術で復興、世界に貢献、そこで引き起こされた景気回復で、日本は出生率の急上昇、そしてグランドパニックの恩恵の天然資源が大量に発掘されたり、土壌の健全化で、国の資源問題解決、そして食糧生産が非常に良くなった。そして新生日本は2020年1月1日をもって「新平成元年」に変わり、憲法改正で、「日本國」に名称変更、首相が元首になり、天皇一族は、「國主」となり、国の象徴に変わりはなかった。そして憲法九条は変わり、自衛隊の進化形、國防軍が創設された。そして、日本はアメリカを凌ぐ世界最強の軍隊に成長していった。

2050年、日本の人口は、2億4千万人に増え、世界でエルハンドに次ぐ大国になり、現内閣総理大臣、伊吹誠元首首相の政策で、工業農業水産業、全てが豊かになり、理想国家になりつつあった。しかし、未だに、韓国、北朝鮮の融合国家「朝鮮民帝」、世界一の国土を誇る「ロシア統一共和国」、軍拡を進める「中華漢族民国」、世界の警察と呼ばれてた大国、「アメリカ共和国」、建国が浅いながら、強大な軍事を有する「エルハンド連合共和国」など、日本は親日の多い「台湾共和国」以外仮想敵国、しかも大国に囲まれていたために、國防軍も増強されていった。


2050年6月7日 新潟県日本海沖100km地点

第3戦略機動艦隊旗艦、ヘリ空母「かいふう」以下イージス3隻、対艦対潜巡洋艦8隻、高速警備艦12隻の計24隻の艦隊が朝鮮共和国Zラインを哨戒をしている。「かいふう」艦長であり艦隊長、長船和沙[おさふねかずさ]二等海佐はため息をつく。平沢雄[ひらさわゆう]三等海佐は気にかける。

「艦長、大丈夫ですか?」

「あ、ああ、何だか嫌な予感がする。例えば朝鮮の中核艦隊接近とか。」

「艦長・・・不吉な事言わないで下さい。たたでさえ最近国際情勢がまずくて、我が艦隊も緊張が絶えないのですから。」

長船の言葉に平沢と周りのクルーは苦笑する。ここに大原機関長がいたら苦笑じゃなくて、喝の一撃をあたえるな、と平沢は思う。

「レーダー、艦隊の所属艦に遅れはないな?」

「大丈夫です副長、我が艦隊はいつも通りです。」

そうか、と呟き前を見るとZラインを越えた朝鮮領に3隻の艦、視界8km先、あんな先でも見えるとは、大型戦闘艦?平沢が横目を見ると、長船も気づいたみたいだ。

「レーダー、先に何か映ってないか?」

レーダーを覗く隊員は首を振り。

「いいえ、晴れてるのに前方の艦を捉えられてません。ステルス艦?いや、この距離ならこの艦のレーダーなら反応するはずです。」

「どちらにしろ警戒する以外に何もない。」

長船は無線に手を取り、艦隊全体に通達。

「全艦に緊急連絡、至急艦隊散開、高速艦は右舷、左舷4隻ずつ展開、中央には残りを散開、作戦フォーメーションBで行く、第二種警戒態勢。」

部下の艦が動きだす、フォーメーションBはこの第3戦略機動艦隊、一番の防御隊形に変わる。

「艦長、どうしますか。」

「朝鮮領だ、ヘリを飛ばしたら駄目だろ、ここはあえて定期航路の哨戒行動で行く。」

Zラインまで600m手前で左旋回、朝鮮艦と並行になる。

「敵は撃ってくるのか・・・。」

艦内は緊張が走る。

「敵が対艦ミサイルを撃ち込んでくれば、國防軍法、国連国際法で日本領朝鮮領関係なく反撃の許可がおりる、しかしこちらに被害が被るのは免れない、そしてステルス以上のレーダー探知能力を撹乱されたら、旧式ながら我が軍自慢の42式短距離対艦誘導弾が使えない。何事もなければ・・・。」

長船の言葉が全員の気持ちだった。その時、朝鮮の3隻の戦闘艦から、それぞれ4本の黒い棒が伸びる。その3隻の上に電気の塊が現れる。

「なんだあれは!」

平沢の大声に負けない声で観測員が叫ぶ。

「艦長!あそこの艦から強烈な磁場反応!グランドパニックの後遺症、まれに起きるナチュラルスパークが人為的になってます!!」

「はあ?!そんなのくらったらただじゃ済まんぞ!」

観測員の言葉に平沢はいらだちを露わにする。長船は無線機を取り出し。

「全艦、衝撃に備えろ!甲板にいるものは艦内に退避!全力前進!!あいつらから早く離れろ!」

長船の指示の前から、部下の艦は危険を察知して「かいふう」の周りに護衛に回りながら、90度左旋回。長船は艦内にも指示を出す。

「機関!エンジンが焼きつくほど加速しろ!」

「了解したよ!機関長の名にかけてな!」

機関長、大原満[おおはらみつる]一等海尉は心強く言う。

長船は後悔した。くそ、心の中でつぶやいた。その瞬間、電気の塊が弾けた。ぴかっと光り、あたりを漂白する、そこから一秒たたず衝撃波が襲う。指揮室が揺れ、長船は倒れこみ、平沢は床に手をついてしゃがみこむが間に合わず飛ぶ。数秒後、衝撃波がおさまり、あたりが元通りになる。長船は立ち上がりながら胸を押さえる。くそ、あばらがやられた。

「艦長!大丈夫ですか!」

「あばらの2、3本やられたが大丈夫だ。他は!」

指揮室のものから大丈夫ですと返答した。長船は頷いた後無線で叫ぶ。

「攻撃能力のある全艦!42式発射用意!!」

そこに砲撃長、市島哲[いちじまてつ]二等海尉が無線で異を唱える。

「艦長!42式は、映像認識のターゲット追尾式の46式短距離誘導弾と違い、これは旧式のレーダー追尾式誘導弾です!レーダーに映らない艦にはあたりません!」

「それなら目視で撃ち込め!当たらないなら、ばら撒いて敵に威嚇しろ!どうせ来月には46式対応艦に最新改修を全艦に施されるんだ!不要な42式を全弾使っても、文句は言われない!遠慮するな!」

長船は胸の痛みを我慢して劇を飛ばす、長船の激に押されて、攻撃可能艦が一斉に42式を撃ちあげられる。ミサイルは朝鮮艦の近くに落ち、爆発、水が爆[は]ぜ、水柱が次々上がる。しかしミサイルは当たらず、朝鮮艦がゆうゆうと引き揚げる。長船が悔しくて唇をかみしめたその時3発の対艦ミサイルが長船の艦隊を通り越し、1隻の艦に命中、炎をあげて沈む。指揮室の窓から空を見上げると、純国産マルチロール戦闘機、40式万能戦闘機「飛空」[ひくう]又の名をDM-2の三機がきれいな編隊で飛んでいた。46式映像認識追尾式短距離誘導弾を放ったのはこの三機だ。

「こちら新潟海上航空基地所属、第613航空隊です!第3戦略機動艦隊大丈夫ですか?」

「こちら第3戦略機動艦隊艦隊長長船です。援護感謝します。そちらから見て、部下の艦は大丈夫でしょうか。レーダーが回復してないのと無線が交信出来ない艦があるので。」

「了解、数えます。」

1,2,3、と航空隊員が数える声に、長船、平沢は息をのむ。

「こちら613航空隊、航行不能艦6隻ありますが、全艦無事です!」

航空隊員の言葉に長船はふうと体の緊張がほぐれる。

「ありがとう。君たちに護衛が頼めるかな、こちらの戦力はすでに20%もない。」

「了解しました。それでは護衛します。私たちは先遣隊で、他にも増援の航空隊がきますので、ご安心ください。あと、新潟軍港から牽引艦も出動しています。しばらくお待ちください。」

「手際の良い空軍にサンクス。それでは交信終了。」

長船は無線を置くと平沢に向って。

「平沢、おれの指揮ミスだな。」

「艦長、違いますよ。艦長は我が艦隊の誇り、艦隊に従事するもの全員恨んでません。」

長船が指揮室内を見回すと、全員艦長に信頼の眼差し、士気の高い眼差しを向けた。長船はこみ上げるものを押さえ、前を向き。

「平沢、あいつらは俺らの手で沈めるぞ。」

「はい!!」

長船は誓った、部下全員を信じると。そしてここまで損害を負わせたあの戦闘艦2隻を沈める事を。


第3戦略機動艦隊被害状況

航行不能6隻

攻撃不能12隻

無傷なし

機械損傷全艦

死者0名

重軽傷者全員

続く




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