↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その任務、受けて立ちます!  作者: ぶくでん
48/125

任務開始

 ベビーベッドに寝かされた小さい男の子。

 赤ちゃんはぷくぷくしているものだと思ってたから、目の前のあまりにも細い腕に正直びっくりした。

 ロエベ主任いわく、新生児とはこのようにか細いのだそうだ。

「こんにちは。初めましてセレスだよ」

 眠る赤子に小さな声で話しかける。

「一緒に頑張ろうね」



-1時間前-


「結界班は予定通り部屋全体へ魔封じ結界を。医療班は子どもの栄養補給を第一に。それと平行して抑制剤の効果的な投与間隔の算出を。修復班は結界班のサポートに回り、まずは結界阻害物の除去を」

「はいっ!」「了解!」「よし!」

「それからセレス、絶対に無理はしないように」

「はいっ!」

 

 任務開始予定時刻、続々と集った総勢12名の研究所員の前でキース先輩は今回の作戦を告げた。

 反対されるだろうかと心配したが、屋敷に来た所員たちは入室して早々、即状況を理解した。

 長丁場になることを踏まえ、交代任務を取る事とし、引継ぎ要項やチームバランスなどが話し合われた。これがプロなんだな、と感心する他なかった。


 手袋をはめる。確実にあの子に触れられるように。

「セレス、結界が拡張しおわったらインだ。声をかけるからあの子の側にいてあげて」

「わかりました!」


 開始の合図とともに結界班の男性が空中に魔法陣を描く。呪文を唱える声が響き出す。

「セレス、行っておいで」

 キース先輩が優しく送り出してくれる。


「コールデンさん、ロエベです。聞こえますか?」

「はい、聞こえます」

 私は作戦会議中に配られたピアス型の通信機に触れる。魔力が無くても使える素晴らしい発明だ。

「では、まず赤ちゃんの体温を確認して下さい。冷たいようだったら布団を重ねて下さい」

「はい!」

 私への指示は、基本的にロエベ主任が行う。医者である以前に、二児の母らしい。

「眠ってから間もなく2時間。そろそろ準備を」

「はい!」

 取り外された部屋のドアが結界の境目だ。そこに魔力抑制剤入りのミルクが置かれている。私は手を伸ばしそれらを中に引き入れる。


「ふぇっ、」

 小さな声が鳴る。

「ふぇっ、ふぇっ、ふ、え…」

 泣き声に合わせて屋敷が震える。でも大丈夫。私は大丈夫だ。

「よしよ〜し、お腹空いちゃったかな?ミルクでごめんね?頑張って飲もうね」






「ロエベ主任、セレスはどうです?」

「アーヴィング総括、お疲れさまです。彼女はしっかりやっています。……大変なのはこれからですが」

「そうですね……」

「それよりも、彼女のあの体質は…」

「僕も知らないんです。でも今は聞くなと言われました」

「…そうですか」


 デトパルト家での任務はこうして始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。