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Sucre fondu

作者: nagi

イメージを思いつくままに書いただけのモノ。

甘い甘いミルクティーのごとく、イギリスの皆様がこぞって楽しむような午後のひと時、ぼくはベッドに寝そべってあることを考えていた。


「恋、、ってなんだよ?」


某高校生バンドが作ったドーパミンがこれでもかと出そうなくらいの曲、、あれが恋の正体?


ならばとっくにどこかいい人でも見つけて成就しているはずなのだが、、そんなに現実は甘くなかった。


近づいては離れて、近づいては離れて。まるで理科の実験でよく置いてあるあのカチカチが今のイメージに最もふさわしい。


「結局どっちなんだよ!」と言いながらも読んでる本にはこう書かれてあった。この本を要約すると、、


〜〜〜


社会はすぐ答えを求める傾向があるが、何故か恋には当てはまらない。


どちらかというと、カップにゆっくり注いだ紅茶をスプーンでトロトロと回していく、、


そんなじっくりとゆっくりと、進む時間の流れが恋というらしい。


〜〜〜


「ああじれったい」


本をバッと閉じながら心の中で思ったことが口に出た。


すぐに答えを求めたいのが悲しいかな男である。


ベッドでソワソワしているのもアレなので、街に出かけるとクリスマスのシーズンなのか皆賑やかに装飾していた。


「今年もくりぼっちかぁ、、」などと半端ため息を吐きながら歩いていると、、


「すみません!」と声をかけてくるのは自分より少し年上の女性。


お?おお、、なんですか?可愛らしいですねお姉さん。


「何歳ですか?」


これを言うと歳がバレるから敢えて言わない。全く実年齢の2/3が華の高校生なんだから辛いぜ。


「そうなんですか」とそれだけ言って去っていくお姉さん。


なんだなんだ??モテ期というのは人生に3回程あるらしいけど、その1回目を最早使ってしまったのか?


なにしろまだエピローグには後50年以上もあるのは確定しているので、残り2ターンでモテ期終了とはきつい。




次の日も街に出かけて、、やれ賑やかなクリスマスの装飾ですね今年も一人ですよーだ、とため息を吐きそうになるとまた後ろから聞いたことのある声が。


「えっと、、」やぁまた会ったねお姉さん。


ここでこのお姉さんと会うのが「定期」なのだろうか?そんなルーティンはなかったはずだが。


「どこに住んでますか?」


え、、そんなこと言われても個人情報保護法の観点からその質問は却下せざるおえないような、、


「ちょっとその質問は、、あ!それより、可愛らしいですね!お姉さん」



「もう、いいです、、」


あれ?何か地雷を踏んだ?おかしいなぁ、観たまんまを率直に言ったぼくの感想だぞ。


ルールに沿って行動しただけなのに、、


その日以来街に出かけてもお姉さんは現れなくなった。


と、言うよりぼくの視界には入るけど敢えて向こうから避けているのかと言わんばかりの逃げようだ。


地雷を踏んだとすればたった一言「可愛いですね」

と言っただけのこと。


その一言で何故崩れたのだろう。はっ、、まさか。


〜〜〜


社会はすぐ答えを求める傾向があるが、何故か恋には当てはまらない。


どちらかというと、カップにゆっくり注いだ紅茶をスプーンでトロトロと回していく、、


そんなじっくりとゆっくりと、進む時間の流れが恋というらしい。


〜〜〜


この回想シーンが今のモヤモヤに当てはまるとすれば間違いなくそれが答えであろう。


お姉さんが本気で気があるとして、、


ゆっくりじっくりと進む時の流れ、、そこに「可愛いですね」というぼくの余計な一言が入ったせいで紅茶が一変して美味しくないものになってしまったとしたら、、


そんな馬鹿なと思われるかも知れないが、これが本当の答えなのだ。


「じゃあどうすればよかったんだよ!」と、叫びたくなる気持ちを抑えて少し考える。


だって見ず知らずの人だぞ。そりゃあ、個人情報保護法は適用されるんじゃないのか。


そのままお姉さんのいうことをYES YESと答えていけば、紅茶はいい味になるだろうけど、ぼくがティーカップの中に落とされてドロドロに溶けてしまうのはなんとしても避けたいところだ。


アレでよかったのかな、、今思えばだが、、


あのまるで好きな人を校舎裏に呼び出して告白するかのような、甘酸っぱいお姉さんの「どこに住んでますか」はまさか本当に、、こく、、


いやいやまさか。ここは社会だから。


答えがあるとすれば「黒」でありギルティ。あの人は間違いなくぼくのお金や金品を狙って来た怪しいセールスウーマンに違いない。 


世はクリスマス、そらちょっとでも「浮かれる役」に相当する役者が出てきてもおかしくはないだろう。


そうやって無理矢理答えを出したのに、何故かぼくのモヤモヤは消えない。


これを書いている今も、西から太陽が上り東に落ちるくらい当然のように居座り続けるのだ。


あれは、、あれは、、怪しいんだろ?そうなんだろ?


そうだよだって、こんなもっともらしい答えなのに。


なんで、、モヤモヤするのだろう。








ギルティorノーギルティか。いやいやその真ん中のフワフワしたところ。

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