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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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97.勇者さん、激突

「月丸隊って三人パーティじゃなかったか? 誰だそいつは?」


 センはこれまで一言もしゃべらなかったその場に居たもう一人に視線を送る。


「ん? まさかそいつが噂の匿名希望のアングラ・ナイトさんじゃねえの?」


「全然違います」


 ツキハがそれを否定する。


「そうかい、まぁ、なんとなくイメージと違ったわ」


 月丸隊と共にいたもう一人の人物は金髪で目つきが悪く筋肉質な男であった。

 両手には小刀を持ち、(はかま)を履いており、忍装束を連想させる佇まいだ。


「どうもよろしく」


 センは軽い雰囲気で挨拶する。


「……」


 しかし、その者は返事をしない。


「おいおい、無視か? なかなかやんちゃじゃねえの」


 確かに彼は月丸隊のメンバーの中にあって、異質の雰囲気を放っていた。

 その名称を”ライゲキ”といった。


「ふふ、彼は月丸隊の新メンバーみたいなもんよ。三人じゃなくて残念だったわね?」


 ツキハが煽るように言う。


「はは、そっちの方が張り合いがあるじゃねえの! 言っただろ? 俺達の目的は最強! ならば相手は強ければ強い程、好ましい!」


 センは片手で短剣を構え、そしてついにツキハ目掛けて突撃する。


「っ……!」


 センは一瞬でツキハに攻撃を加えられる距離まで迫り、初撃を加えようとする。

 しかし、その攻撃は別の人物によって止められる。ライゲキである。


 ライゲキは逆手の小刀により、ツキハに危害を加えようとしたセンの攻撃をはじく。


「ひゅ~、なかなか速いじゃねえの。お姫様は俺が護るってか?」


「……」


「ちっ、つまんねえ男だな」


 返事をしないライゲキにセンは毒づく。


「……!」


 と、ツキハが周りを見ると、Starry☆Knightsの他の三人も動き始めていた。


 Starry☆Knightsの三人は聖騎士のゲンゾウ、マジック・ナイトのリマが前衛で、ヒール・ナイトのナンが後衛となり、月丸隊の残りの二人に襲い掛かる。


「おぅおぅ、来なさったな!」


 ユウタが迎え撃つ構えをする。


「流石に数的不利はやべえか?」


 月丸隊、Starry☆Knightsは共に一人ずつのヒーラーがいる構成である。

 月丸隊はジェネラル・ヒーラーのチユ、Starry☆Knightsはヒール・ナイトのナンである。ヒーラーはダメージレースにおける生命線であり、先に失った場合、戦況に大きな影響を及ぼすことになることが予想される。


「ライゲキ……! 私のことはいいから、あっちに回ってくれる?」


「…………承知した」


 ライゲキはやや間を置きながらも了承し、ユウタ、チユの方へ援護に向かう。


「やっと声を聞かせてくれたじぇねえの、あのシャイボーイ……散々、引っ張るからさぞかし甲高い声でもあげるのかと思えば、特段、意外性も何も……なかったけどよ」


「あんた、何を期待してんのよ……」


 ツキハは呆れたような視線を送る。


「へへっ……まぁ、いいじゃねえの。しかし、ツキハさんよ、奴を行かせる判断は本当に正しかったのか?」


「……」


「忘れられちゃ困るねぇ、こっちはジェル・ナイトだってことを……!」


「えっ!?」


「きゅぅうううん!」


 センの背後から突如、星形のスライムが現れる。

 確かにそのスライムはセンが現れた時に肩に乗せていたスライムであった。


「ジェル・ナイトはスライム専用の使役スキルを有する。果たして、シャイボーイをあちらに行かせたのは正解だったか?」


「……ちっ……見た目に反して、なかなか可愛らしい趣味してんじゃないの……」


 ツキハは苦々しい顔をする。


「おっ? わかってくれるか? お前は悪くない奴じゃねえの」


「はぁ……でも……フェアリー・スライムちゃんの方が可愛かったけど」


「フェアリー・スライム? まぁ、悪くはねえがこのヒトデ・スライムよりランクが一つ下の奴だな」


 え? 星じゃなくてヒトデなの? とツキハは内心思う。


「ふーん、まぁ、どうでもいいけど……」


「そうだな。流石におしゃべりが過ぎたか。月丸隊、ツキハ……最初に魔王を討伐したパーティのエース……本当に尊敬してるぜ」


「はっ!?」


 意外な発言にツキハは少々、たじろぐ。


「だからこそ……がっかりさせないでくれ」


「っ……!」


 センは短剣を構え直す。




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