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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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95/123

95.おじさん、孵卵

「……卵。これってモンスターの卵だよな?」


「恐らくは……」


 サラが応えてくれる。

 ジサンのテイマー歴は決して短くはないが、卵というものを見たのは初めてであった。


「モンスターって卵産めるのか?」


「理論上は可能よぉ。でも、普通は生殖行動はしないんですけどねぇ」


 今度はディクロが応えてくれる。


「ってことは、ナイーヴ……まさか……お前……」


 ジサンはナイーヴをじっと見る。


「がぅがぅう……!」


 ナイーヴは「まさか、違います!」とでも言いたげに、腕を左右に振る。


「そうか」


(……そう言えば、ナイーヴって雄なのか、雌なのか……何となく雄っぽい扱いをしてきているが……)


「この卵の親は?」


「がぅがう……」


 ナイーヴは首を横に振る。

 どうやらわからないようだ。


「そうか、教えてくれて有難う」


「がぅ……!」


 ナイーヴはどこか嬉しそうにしている。


「しかし、うーむ……」


(親が何らかの理由で放置してしまったということか? まだ生きているのだろうか……? いずれにしても、このまま温めずに放置すれば死んでしまうのだろうか?)


「サラ、どうしたらいいか分かるか?」


「マスター、申し訳ありません。専門外です」


 サラは申し訳なさそうに眉を八の字にする。


(……答えられませんじゃないところを見ると、本当に知らないようだな。となると……)


 ジサンはメニューでメッセージを打ち始める。

 簡単な挨拶を打ち込み、本題に入る。


[ジサン:牧場内で親元不明の卵を発見したのだが、どうしたらいいだろうか?]


[ダガネル:卵! 超珍しいですね! それなら……]



 ◇



 孵卵(ふらん)機C:10万カネ、孵卵機B:100万カネ、孵卵機A:1000万カネ。

 孵卵機とは人工的に卵を(かえ)らせるための機械で、温度、湿度等を保ち、適度に転卵てんらんする機能を具備した装置である。

 ランクが上がるごとに生まれる確率が十パーセント上昇するそうだ。


[ダガネル:モンスターの卵、めちゃくちゃ珍しい代物ですよ]

 →ジサンの揺らぐ気持ち:孵卵機C


[ダガネル:これを逃したら二度とお目に掛かれないかもしれませんね]

 →ジサンの揺らぐ気持ち:孵卵機B


[ダガネル:一体、どんな希少モンスターが生まれてくるんでしょうね?]

 →ジサンの揺らぐ気持ち:孵卵機B


[ダガネル:それはまぁいいとして、命ってお金に代えられないモノですよね?]

 →ジサンの揺るぎない気持ち:孵卵機A



 セールスマンのえげつないセールストークにより、ジサンは無事、孵卵機A……商品名”インキュベーター松”を購入する。



 ◇



 牧場入口付近に戻る。


「それでは、この卵は、私が責任を持って見守ります」


「頼む」


 卵はディクロに託すことにした。ディクロは普段、牧場入口付近にある人型モンスター用のログハウスで生活しており、卵もそこで見てもらうことにした。


「と言っても、私は本当に見守ることしかできませんが……」


「それで充分だ」


 実際に常に孵卵機(インキュベーター松)に入れておくことがベストであり、下手にそれ以外のことをしない方がいいだろう。


「すでに死んでいないといいのですが……」


「そ、そうだな……時々、様子を見に来る」


「有難うございます! では、こちらももし何か変化があればすぐにご連絡します」


「有難う」


 千万カネの出費は安くはなかったが、それでもジサンは悪い気分ではなかった。


 一体どんなモンスターが生まれてくるのか。また何かを一つ手に入れたジサンであった。



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