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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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81/120

81.おじさん、やはり

「グロウ……まだ続けるの……?」


 よく分からないポエマーにより、シゲサトに逃げられてしまった男に対し、付帯する女性……アンが声を掛ける。


「っ……! 全く……あいつはどうして分かってくれないんだ……」


 大切に思っている。

 少なくとも、今、彼女と同行している奴らよりは……


 あんな風に逃げられて、三日が経過していた。彼らを探してもなぜか見つからなかった。そのため、グロウは健気に湖に不審人物が近づかないように警護を続けていた。


 その想いが通じないもどかしさに憤る。


「そうだね……私もその気持ちわかるよ……」


「っ……止めてくれよ……俺にもそれなりに(ざい)あ……」


 グロウが何かを言いかけた時、白い服の二人組がグロウとアンの横を通ろうとする。


「急げ!」


「わーかってるよー! でも、シゲサトがようやく来たって本当かねぇ」


「あぁ……確かな情報みたいだ。あの時の借りはしっかり返さないとな」


 二人組はそんなことを話しながらグロウの目の前を通過した。


「ちょ、ちょっと待て!」


「あん?」


 グロウに呼び止められ、二名は足を止める。

 二人組は男女のペアである。


 男性の方は、頭の中心部分だけ頭髪を残し、それ以外を刈込んだ特徴的な髪型をしており、サングラスを付けている。


 もう一人は短髪で細目、ガッシリとした体型のジムで身体を仕上げていそうな40代くらいの女性であった。


「え? 女性の方って……」


 グロウとアンは特に女性の方を見て、驚く。


「何か用か? 急いでいるんだが? ん? 赤……P・Owerか……? まずいな……」


「何がまずいのさ?」


 ガッシリ女性は男性に聞き返す。


「何って今、お前が()()()のって、確か……P・Owerのズケだろ?」


 P・Owerのズケがいる。

 それがグロウ、アンが驚いた理由であった。


 なぜなら魔王:ガハニの討伐に関わったアーク・ヒーラーのズケはすでに退場(ゲームオーバー)しているはずだからだ。


 ==========================

 ◆2043年1月

 魔王:ガハニ

 ┗討伐パーティ<P・Ower(K選抜)>

  ┝ワイプ【死亡】 クラス:剣豪

  ┝バウ 【死亡】 クラス:ガーディアン

  ┝ズケ 【死亡】 クラス:アーク・ヒーラー

  ┗シイソウ    クラス:魔女

 ==========================


 着ているとは何だ?

 なぜこんなところに亡くなったはずのズケがいるのか……?

 グロウとアンの二人はその状況に底知れぬ不気味さを覚える。


「お前が着てるのはズケ。そんで目の前にいるのはP・Owerだろ? わかるか?」


「あのさー、わかってるよ、そんなの。で、だから、それの何がまずいのさ」


「……っ! それもそうだな……」


 男性がハッとしたようにして、ズケの言葉に同意する。

 そして、グロウとアンを視覚に入れるために首を捻る。


「っ……!」


 理由は不明確であった。しかし、グロウは一歩、後ずさりする。


 ◇


「無事、テイムできましたね!」


「あ、有難う。シゲサトくん」


「いえいえ」


 ジサンはマナ・ナマズのホワイトタイプをテイムする。これは淡水コーナーの目玉になるかもしれない。ジサンはそんなことを考えていると、青年から借りていた釣竿は消滅してしまった。


(あ、あれ……?)


「でもこれで……やりましたね!」


 シゲサトは笑顔で言う。


「あ、はい」


「魔帝:ジイニの出現条件。カスミガウラのレンコーン、サロマコのミミック・ホタテ、ビワコのマナ・ナマズのホワイト。三種類、テイムしました!」


「そうですね……」


「あれ? でも肝心の魔帝:ジイニとはどうやって戦うんでしょうね?」


 シゲサトは首を傾げる。


「簡単だ、お前らが探しているジイニはここにいる」


 後ろから、声が聞こえた。



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