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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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66.おじさん、龍人の森

「ここに邪龍ドラドと表示されています」


「なるほど……では、こっちですね」


 赤髪の龍人ロワはシゲサトが表示するマップを覗き込んだ後、行くべき方向を示す。


「しかし、おかしいですね。我々もここ最近、この森はくまなく調査しているつもりでした。この辺りにも行ったと思うのですが、特段、何もありませんでした」


「そうなんですね……」


「ところでシゲサト様が使役されているドラゴンは……」


「あ、えーと、彼はヴォルケイノ・ドラゴンのヴォルちゃんです。もしかしたらロワさん達の言うところの、この森に存在しなかったドラゴンだったりするのですか?」


「やはり、あのヴォルケイノ・ドラゴンでしたか……」


「えっ?」


「ヴォルケイノ・ドラゴンはこの森には確かにいないのですが、極めて強力なドラゴンとして、集落の図鑑にも載っています。確かもう少し巨体であると記載されていましたが、姿が似ていたので……」


「あ、確かにヴォルちゃんは元の姿はもっと大きいです」


「え? どういう……?」


「えーと……な、何でもないです」


 シゲサトは苦笑いしながら、誤魔化す。情報過多で混乱させない方がよいと判断したようだ。


(……ここまでは変わったところはないな)


 ロワとシゲサトが会話をしている余所で、ジサンは辺りの様子を確認していた。肝心の森はこれまでの森ダンジョンの光景と特段の違いはなかった。


「ご注意を……! 魔物です」


 と、ロワが簡単に警告を出す。


(お……?)


 前方の茂みから体長三メートル程度の大型のトカゲのようなモンスターが現れる。


「あれはライキリ・トカゲ……電撃を扱う凶暴なリザードです!」


「了解です! ちゃっちゃとやっつけちゃいましょう!」


 シゲサトが返答し、それに同調するようにジサン、ミズカも戦闘態勢に入る。


(…………あれ?)


 ジサンがふとリザードはシゲサトくんの中でドラゴン判定ではないのだろうかと考えている時に、ライキリ・トカゲについて不可解な点があることに気が付く。


(……モンスター名が表示されていない?)


「よぉし! ドラゴンっぽいから俺がテイムしちゃいますよ!」


(お、一応、ドラゴン判定なんだな)


 リザードもどうやらシゲサトの中ではドラゴンに含まれるようであった。

 ゲーム上でドラゴンに含まれるかどうかは別の話であるが……


 モンスター名が表示されていないことに気付いていないシゲサトはその大砲でもってライキリ・トカゲを一気に攻め立てる。


「グギャっ!」


 弾丸を浴びたライキリ・トカゲは小さく呻き声をあげる。


「おぉ……」


 シゲサトのアクションに対し、ロワは目を丸くし、小さく感嘆する。

 龍人にとってライキリ・トカゲは森の難敵であったのだ。

 それを瞬く間に処理した謎の人族に対し、驚きを覚えるのは当然であった。


「って、あれ……よく見るとHPゲージがないような……」


 シゲサトが動きを止めたライキリ・トカゲを見て、差異にようやく気付く。


(……)


 ジサンも奇妙に思う。


 この程度のモンスターであれば100%テイム武器でなくとも、上位のテイム武器であればほぼ確実にテイムに成功するであろう。


 普段であればすぐにテイム成功のエフェクトが発生するのだが、そうならない。


 仮にテイムに失敗したとしても戦闘勝利による小さなファンファーレが流れるのである。


「見事です」


 ロワがシゲサトに賛辞を送っている。


「あ、どうもです……でも、おかしいな~~、テイムにならな……」


(……!)


 シゲサトがテイムにならないと言い掛けた時、ライキリ・トカゲの周囲にリング状のエフェクトが発生し、ライキリ・トカゲがその場から消滅する。

 そして聞きなれた簡単なファンファーレも流れる。


 それは見慣れたテイム成功のエフェクトである。


「あ、やっぱりちゃんとテイム成功できましたね!」


 シゲサトが空間ディスプレイのパネルを操作し、確認しながら言う。


(ラグ? ……若干、ロードが遅れているのだろうか)


 ジサンは遅延を疑う。リアル・ファンタジーではこれまであまり目にしたことのない現象であった。

 それでもある意味、元通りとなったことで幾分、ほっとする。


 と、今度は意外な人物が不可解な表情を見せる。


「あの……ライキリ・トカゲの死体は一体どこに……? それに……なにか変な音が頭の中を流れたのですが……」



 ◇



「なんですか、これは……」


 ロワはシゲサトに教えてもらい出現させた空間ディスプレイを弄りながら神妙な顔付きをする。


「私のレベルが表示され、それぞれの力が数値化されている……? 使える技も列挙されている? このクラスというのは何でしょう……?」


 ロワはステータスメニューを確認しているのか、ディスプレイを眺めながら、まるでゲームを初めてプレイするかのような疑問を口にする。


(……プレイヤー……なのか?)


 一方でジサンも不思議に思っていた。龍人達はNPCであると思っていたのだが、実際にはプレイヤーの扱いになっていたことにだ。


「また何か来ました!」


 ミズカが短く警告する。


「!?」


 別のモンスターが現れていた。


 ドラゴンの姿をした四体のモンスターがジサンらを取り囲む。


「こ、こいつらは……」


「がぅううう……!」


(な、な、な、ナイーヴ・ドラゴぉおおおン!!)


 そこにいたのは間違いなくナイーヴ・ドラゴンであった。


「出ましたね……」


 ロワが呟くように言う。


(……?)


「気を付けてください……奴らがこれまで森に存在しなかった強力なドラゴンです」



(小話)

 実を言うと、ダンジョンおじさんはスピンオフ作品なのです。

 元々は「リアル・ファンタジー」(私の処女作です)という作品で、ヒロインはミズカでした。

 しかし、その作品はあまり伸びませんでした。

 多くの方の目に触れることなく埋没していくだけだった彼らを救ってくれたのがジサンです。

 リアル・ファンタジーの設定を引き継いだダンジョンおじさんはありがたいことに伸びてくれました。


 なので、ミズカ(とその相棒)には思い入れがあります。

 読者の皆様にはどうでもいいかもしれませんが、そうなんだなぁくらいの気持ちで読んでいただけると幸いです。

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