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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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57/120

57.おじさん、狙われる

「ありました! トレジャーボックスです……! それも三つです!」


 シゲサトが声を上げる。


 スノーモービルで探索を続けたものの、視界が悪くなってきたこともあり、トレジャーボックスは中々、見つからず、二時間の探索の末、ようやく発見した場所には三つのトレジャーボックスが並べて設置してあった。


「ん……? なんか書いてありますね……」


 シゲサトが言うようにボックスの後ろには看板のようなものがあった。


“三つ同時に開けるべし”


「罠ですかね……?」


「罠かもしれないですね……」


 シゲサトの疑問にヒロが応える。


「でも、面白そうニャ!」


(おっ……?)


 終始、炬燵に潜っていたニャンコがいつの間にか出てきて、悪巧みでもしているかのように、少々、いたずらな笑みを浮かべる。


「まぁ、リアル・ファンタジーは罠でも即死系の悪質なものはないから、大丈夫だとは思うけど……」


「じゃあ、決まりニャ! 同時に開けるべしニャ! 何なら我々も協力するニャ!」


 と、なぜかノリノリのニャンコに誘導され、三つのトレジャーボックスを同時に開けることになる。


 左からヒロ・ニャンコ組、シゲサト、そしてジサン・サラ組が開けることとなった。


「それじゃあいいですか?」


 流れで号令係となったシゲサトがそれぞれにアイコンタクトを送り、それぞれ頷く。


「……せーの!」


 ガコッ、ガコッ、ガコッ!


「ん……?」

「なーんだ、外れニャ」


 ヒロ・ニャンコ組のトレジャーボックスは空であった。


「き、来たぁああああ!」


(……お?)


 シゲサトがテンション高めに叫ぶ。


 シゲサトは目論見通り、ミミック・ホタテを引き当てた。


(……こちらは……)


 ジサンは宝箱の中を確認する。


(っ……!!)


 中を開けて驚く。


 トレジャーボックスの中には、透明感のある羽がついた……まるで妖精のような美しい少女が体を丸めて眠っていた……



 ので、ジサンはトレジャーボックスをそっと閉じた。



「さ、さぁ、シゲサトくん、ミミック・ホタテをテイムしよう!」


「は、はい……! オーナーのボックスの方は?」


「は、外れだったようです……」


[何が外れじゃーー! 大当たりだよ!!]


「ん……?」


「さ、サラ! トレジャーボックスを塞いでくれ!」


「任せてください! マスター!」


[うぇええええええん]


「だ、大丈夫ですか?」


「あれは面倒なイベントです。ひ、ひとまずミミック・ホタテを……!」


「わ、わかりました」


(面倒くさそうだから、塞いでしまったが、流石にちょっと可哀そうか……すぐに終わらせてやるか……)


 ==========================

 ミミック・ホタテ  ランクO

 ==========================


 戦闘は恐らく”分”の単位を使う前に終了する。

 ジサンがミミック・ホタテを速やかにテイムした。


 別パーティとなっていたため、戦闘には参加しなかったが、緑のおじさんは元々のターゲットよりもなぜかその場に居合わせたおじさんの方に目を奪われていた。



 ◇



「もう一体探さなくていいんですか?」


 ジサンはシゲサトに確認する。


「い、いや、ドラゴンじゃないから大丈夫っす! オーナーがテイムしていればパーティとして条件は満たしているはずだし」


「そ、そうですか……」


 シゲサトの大人な対応に、ジサンは何だか前回の自分の行動が少々、幼稚だったようにも思えて、少しへこむ。


 だが、シゲサトにとっては本当にそれほど重要ではなかったようだ。


「でも、ドラゴンの時は妥協しないですよ! 覚悟しておいてくださいね!」


「……! わかりました!」


 その言葉を聞き、ジサンは安心する。


「さ、それじゃ、その喋るトレジャーボックスを……」


 シゲサトは戦闘中も気になっていたのか、そわそわした様子でトレジャーボックスを見つめる。


「待て、何かいる」


 喋るトレジャーボックスを空けようかという時、ヒロが緊張感のある声で警告する。


(……?)


「あらら、ばれちゃいましたか」


「……!?」


 雪煙の中から二人の人物が現れる。


「君達はまさか……!」


 シゲサトが驚くように言う。


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