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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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19/120

19.勇者さん、ピンチ

 ツキハはすぐに大技であるスキル:ブレイヴ・ソードを使用することを想起する。


 だけど、人に対してこんなこと……


 その倫理観が彼女の行動を一歩遅らせる。


 ■仕様変更③

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 ③プレイヤー同士のダンジョン内での攻撃解禁

 これまで禁止していたプレイヤー同士の攻撃をダンジョン内に限り解禁します。モンスターとの戦闘中はこれまで通り同士討ちは発生しません。プレイヤーの通常武器による攻撃でHPがゼロになった場合、死亡はせず、30分間の行動停止となりますのでご安心ください。気軽に決闘をお楽しみください。


 ==================================


 プレイヤーによりHPがゼロになっても死にはしない。30分間の行動停止になるだけだ。


 どうせ死にはしない。そう割り切ることができたのなら、強力なスキルによる攻撃を使用することができたかもしれない。


 しかし、ツキハはその一瞬でそれが決断できなかった。


「うぉおおおお! かかれぇ!!」


 襲撃者は全員まとめてツキハに襲い掛かる。


「くっ……」


 これだけ沢山の敵に近接攻撃を仕掛けられては大技のブレイヴ・ソードは使用できない。


 ツキハは何とかその卓越した剣裁きで襲撃者達の攻撃を受けようとするが、多勢に無勢……それも限界があった。


「チェックメイト……」


「っ……!?」


 その刹那、襲撃者の一人がニタっとするのが見えた。


「スキル:蔓拘束ぅう」


「きゃぁあ!!」


 ツキハは思わず悲鳴を上げる。


 そして、自分の体が(つる)のようなもので拘束されてしまったことに気付く。


 ツキハは地面にへたり込む。


 魔法は……? 使えない……

 スキルは……? やっぱり使えない……

 魔具……。これもダメ……


“ゲーム的に”拘束されている……


 やばいやばいやばいやばい……!


 ツキハは最初に倒した魔王、アンディマとの戦いを思い出す。


 あの時も本気で死にかけた。


 だが、その時とは違うことがいくつかあった。


 あの時は”一瞬の出来事であった”、”あの時は仲間がいた”、”あの時はミテイがいた”


「くっ……!」


 ツキハは襲撃者達を睨みつける。


「あぁ……いいね……その顔……最高……」


「っ!!」


「この顔がこれから歪んでいくのかと思うと、最高に興奮してくる」


 バンダナがニタニタしながらツキハを見つめる。


「ちょっとあんた悪趣味ね……」


 敵の中には数名だが、女性もいる。何とか温情を……


「撮影スキル使える子、いたわよね。ちゃんと撮影しといてあげるから。それをネットで晒すとかー……」


「っ…………!」


 ツキハはどこかまだ大丈夫だろうという感情が一切消え去り、本気で恐怖を感じ始める。


「な、何をするつもり……?」


 ツキハは恐る恐る尋ねる。


「えー……どうしようかな……あ、勇者ちゃんってそう言えば、処女なんでしょ?」


 勇者の条件に゛純粋無垢であること゛があるのは事実であった。


「っ……!」


「まずは勇者の状態でそうじゃなくなったらどうなるのか実験してみようかなぁ」


「っっっっっ……下衆野郎ども!」


「あ゛!?」


「きゃっ!! あ゛……やめ……」


 ツキハは激しく殴打される。


「生意気な口、聞いてんじゃねえぞ? 立場わかってんのかぁ!?」


「っっ…………」


 ダメだ……もうダメだ……なんでこんなひどいこと……


 敵はAIだけでいいはずだ……


 どうして……?


 あまりの理不尽にツキハの目からは涙が溢れてくる。


「ははっ……泣いてやがる……涙、飲んでもいいかな?」


「きもすぎ……! ポーション用の瓶ならあるけど?」


「……っ!」


 ツキハは、侮蔑することを言いながらそれを支援するようなことを言う女に狂気を感じる。


「だったらお漏らしするまでやるか? ……あ、お漏らしはお前の専売特許か……」


「っ!! うるさい……! 殺すわよ?」


「ははは……冗談だって!」


「…………」


「さーて、そろそろ頂いちゃいましょうか」


「っっっ」


「うわぁ……やっぱめっちゃ美人で興奮する……」


 バンダナの手がツキハへと向かう。


 ツキハはぎゅっと目を瞑る。


 それが無茶な願いであるとわかっていても……


 彼女は望むしかなかった。



 ダメ……助けて……ミテイ……



「スキル:地空裂」



「え……?」


 ぼそりと小さな声が聞こえたような気がした……




 巨大な斬撃が一つ。


 そして、辺り一帯は、まるで激甚(げきじん)災害でもあったかのように壊滅的に破壊される。



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