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紅き閃光.ヴァリキュレス  作者: しまりす
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決戦の丘へ~大いなる神々の黄昏(ラグナロク)③

 決戦の丘へ~大いなる神々の黄昏(ラグナロク)



『大魔龍セィヴォル.サラマンドが来たぞーーー!!』


 三本の首に六枚の大羽根、九本の尻尾を靡かせ空を悠然と舞う大魔龍の姿。


 それは、まさに闇を統べる王者の風格を備えていた。


【全長=50メートル、体重5000t、全能力値=SSS】


 大魔龍を取り囲むように、ひとまわり小さな魔鳥たちが群れを成しいた。


 その魔鳥たちの脚にはエリス.シオン城から拐さらわれて来た弱い婦人や子供たち。


『助けてー!!』


『おかぁさーん!!』


 口々に助けを求めて泣き叫ぶ。


 大魔龍の背に乗る暗黒軍団総帥オリハルコンが、その光景を横目で見ている。


 彼は勝ち誇ったようにロンギネスの槍を高々と掲げ笑っている。


 大魔龍の脚から妖艶な光を放つ黒十字架

 が解き放たれた。



((((ドドトドーーーーーーン))))


 バリバリバリバリ))))



 ラグナロクの丘に建つ櫓の中央を貫く黒十字架。


 空から来た突然の来客にヒヒイロ侯爵の砦は騒然となった。


『ヒエェェェェエエ!!』


『わ、わしを、こ、殺す気かーーー!!


『お、オリハルコンよ!』


 魔鳥たちの群れが砦の中央へ拐って来た人々を投げ出す。


(((キャァァア)))


 恐怖に震える婦人や子供たち。


 ヒヒイロ侯爵が空を見上げて呟いた。


『銅孔雀台は大魔龍であったか!!』


 霧の森の方角から一台の馬車が現れた。


 馬車を走らせるのは銀仮面の女デッグアルヴァー。


 そして馬車の荷台にはロープで縛られた霧の国の住人ニーベルゲンリョースアルヴァーの姿があった。


 霧の森の彼方には火の手があがり、小鹿や子ウサギ、ウルフハウンドといった小動物が焼け出されて逃げ惑っている。


 リョースアルヴァーを乗せた荷馬車は砦へと入って行く。


 銀仮面の女デッグアルヴァーは縄をほどきリョースアルヴァーを砦の黒十字架へと連れていった。


『この女は、神の鋼パラキオンを操る者!』


『生かしておいては、我らの脅威となる!』


『みせしめに火あぶりの刑に処す!!』


 銀仮面の女デッグアルヴァーが叫ぶ。


 ヒヒイロ侯爵は黒十字架に縛られたリョースアルヴァーに近付き、よくよく顔を眺めた。


『ヒェェエ!!』


『ワシの愛する貴婦人ではないか!』


『はよう、縄を解かぬか!!』


 銀仮面の女デッグアルヴァーが間に割って入った。


『この者はヒヒイロ侯爵の知っておるヴォルサイとかいう女ではありませぬぞ…』


 銀仮面を外すデッグアルヴァーの顔とリョースアルヴァーの顔が同じなのに腰を抜かすヒヒイロ侯爵。


『ど……ど、どうゆうことじゃ!!』


『こ、これは』


 物見櫓の上から見張りの兵士が叫ぶ。


『白い馬と、蒼い馬がこちらへ向かって来ますーー!!』


 魔導師ソウ.ルーイが砦に近付く二頭の馬に視線を移した。


『来たか……やはりな』


 ヒヒイロ侯爵がソウ.ルーイに訊ねた。


『何者じゃ?、あやつらは……』


『たった二頭の馬で我らに挑むつもりなのか?』


 手に持っていた杖を振りかざしソウ.ルーイが呪文を唱えた。


『サンボラルト!!』


 杖の先から放たれる稲妻の光を二頭の馬は、なんなく避けた。


『あの、身のこなしは、ただ者ではない……』


 蒼い馬の上から強弩が砦へと間断なく放たれた。


 ビューーーーーツ》》》》


 ビューーーーーツ》》》》


 ビューーーーーツ》》》》


 正確な矢は前衛の兵士たちを射止めた。


 白い馬が羽ばたき砦の上を行き過ぎる。


『リョースアルヴァーと人々を開放せよーーー!!』


 デッグアルヴァーが白い馬の人物に目を止めた。


『龍討伐騎士(ドラゴンスレイヤー

 )聖ジークかーーー!!』


『ということは、あの弓使いはこざかしい小娘ウィリーアステル!!』


 遠くの砂煙に見張りの兵士が叫ぶ。


『ルナ速足鉄騎馬隊が近付いておりますーー!!』


 ソウ.ルーイがヒヒイロ侯爵を砦の中央へと移した。


『侯爵様……大混戦を、お覚悟くださいませ。』


『筋書き通りに事は進んでおらぬようでございます。』


 震えるヒヒイロが小声でソウルーイにしがみつく。


『そ、そちだけが頼りじゃ…頼むぞ。』


 更に、西の空を指差し見張りの兵士が叫ぶ。


『西の空に金の龍ゴールデン..ドラゴンーーー!!』


 魔導師ソウ.ルーイが杖を西の空に向けた。


『戦乙女ヴァルキリーが来ますぞ!!』


『これこそ、大いなる神々の黄昏(ラグナロク』。



『預言者ソージャの言う、世界を焼き尽くす終焉の炎の日にございます!!』


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