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紅き閃光.ヴァリキュレス  作者: しまりす
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エリス.シオン王国の崩落を告げる森の乙女。

 エリス.シオン王国の崩落を告げる森の乙女。



 丘陵地を緩やかに駆ける名馬、紅き星ルージュ.ス


 ターと白い葬送馬車の一行。


 女魔術師ソーサレスイージスの魔手により


 命を散らした少女アル.テミウスの遺体が馬車の中に安置されていた。


 傍らで手を握り、溢れる涙を拭ぬぐおうともせず


 ただひたすら天に召された彼女を見詰めるアン.スウェラ。


 馬車の馭者ぎょしゃを頼まれた吟遊詩人バード.ミンストレルが項垂うなだれる


 アン.スウェラを見兼ねて詩を口ずさんだ。


『人は去り人は来る……安らかなならん、アリスの、み胸で。』


 念願の仇討ちを果たした戦乙女キュピレスはエリス.シオン城で朗報を待つ国王サー.ラミスの元へ駒を進めていた。


 丘陵地を抜けると鬱蒼うっそうとした森が見えてきた。


 その森の中に引かれた馬車道を、しばらく進んでゆくと道端みちばたで野の花を摘む乙女の姿があった。


 キュピレスは一行の歩みを止めて乙女に近付き話し掛けた。


『娘さん……道を開けてもらえますか。』


 その乙女はキュピレスの言葉に振り向き


 籠いっぱいに摘み取った色彩鮮やかな花々を持って馬車へ乗り込んだ。


 乙女は安置されている少女アル.テミウスの周りに花々を手向たむけ、優しい微笑みを浮かべ祈った。


『安らかなれ聖なる魂よ……』


 乙女の気遣いに一礼するアン.スウェラ。


 乙女は馭者の吟遊詩人バード.ミンストレルに呟いた。


『わたしを呼んだのは、あなたですね……』


『エリス.シオン城は、既に漆黒の十字騎士団の手に落ちました。』


『 あなた方が進むべき道は、バスター城……黄金の龍を頼りドラン連山へお行きなさい……』


 そう言葉を告げると乙女は馬車から降りた。


 乙女は小鳥のように囀さえずったかとおもうと様々な鳥たちがアル.テミウスの周りにあっまった。


 何処からともなく光を放つ柩が現れアル.テミウスの体はその中へと小鳥たちにより運ばれた。


 森の乙女と光の柩を運ぶ小鳥たちは霧をまとうようにして生い繁る木立の中へと姿を消していった。


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