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紅き閃光.ヴァリキュレス  作者: しまりす
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プロメテウス.リング【サーガ】は漆黒の破壊騎士の手元に渡る。

 プロメテウス.リング【サーガ】は漆黒の破壊騎士の手元に渡る。



賢者(セージ)ソー.ジャよ。』


『次なる戦は我が方が勝てるのか?』


『そなたを通じて天よりの(みことのり)を訊ねる。』


 ハル王子の側近スレンがソー.ジャの答えを待った。


 ミャ~~~~)))


 その時、黒猫の声が彼らの背後から聞こえた。


 先ほど、入り口にいた老婆か、いつから居たのか後ろで咳払いをひとつ。


 ゴホゴホン))


『おー、そうであったな。』


 『断言した形でお訊ねしょう。』


 スレンが再び賢者ソー.ジャに訊ねた。


『次なる戦は我が方が必ず勝つ!そーじゃな!』


『賢者ソー.ジャよ!』


 賢者(セージ)ソー.ジャらしき人物はボーッと天井を見て話す気配を見せない。


 再び老婆が咳払いを、ひとつして、童顔の女子シャクテリァ少女を睨んだ。


 あー、、、コホン))


 慌てた様子で少女は細い棒シャクティでソー.ジャらしき者の頭を2回軽く叩いた。


 すると、その祭壇の前の男が、とたん口を開いた。


『そーじゃ!、そーじゃ!』


 老婆がハル王子と側近のスレンに話し掛けた。


『皆さま方の、次なる戦は、必ずや大勝利にまちがいごじゃりませぬ!』


『ソー.ジャが二度、お答えになりましたゆえ、珍しきことでごじゃります!』


 側近のスレンは首を傾げて、ハル王子の背中を後ろから軽く押し退室の意思を伝えた。


『ハル王子……予言者ソー.ジャより戦勝の詔みことのりを頂きました。』


『これで、心置きなく戦へ赴けますな…』


 二人は表に出た。


 側近のスレンが、左手を上げ兵士たちに告げた。


『予言者、ソー.ジャより天の(みことのり)が下った!』


『次なる戦は、我が方の大勝利となろうー!』


『オオオーーーーーーーッ!!!』


 付き従う兵士たちの間から雄叫びの声があがる。


 漆黒の破壊騎士クラッシャー.ハル隊士気高揚。


【士気上昇↑↑】


 その様子を物陰から見ていた老婆は妖艶な美女へと、黒猫は勇壮な黒馬に変容した


 兵士たちの時のこえに、かき消されるようにして黒馬は妖艶な美女を乗せて静かに小屋を後にした。


 妖艶な美女の口が、わずかに、ほくそえんでいた。


 側近のスレンがハル王子の横にピタリと並び小声で話し掛けた。


『どうやら、ハル王子に無駄足を踏ませたようでございます。』


『とんだ、いかさま予言者でございました。』


 漆黒の破壊騎士クラッシャー.ハルの王子の表情は薄笑いを浮かべていた。


『スレンよ……あながち、そうでもないぞ。』


 スレンは、首を傾げてハル王子の顔を見た。


 先ほど通った橋のところまで来たハル王子は馬から降りた。


 調理番に命じてあった、鮭料理が鍋の中でグツグツと煮たって食べ頃となっていた。


 銀の皿に鮭の頭が盛られてハル王子の所へ運ばれた。


 ハル王子はスプーンで鮭の左目を取り出した。


 側近のスレンが、ハル王子の毒味役として川の畔で釣りをしている白髪の老人を連れてきた。


『ご老人よ……鮭の馳走に共に預かろうぞ。』


 ハル王子は調理番に命じて老人のもとへも煮たった鮭料理を運ばせた。


 老人は一礼して口を開いた。


『高貴な王子様とご馳走に預かれるとは光栄に存じます。』


 ハル王子は老人の前で鮭の左目を二つに割った。


 すると中から目映く輝く蒼いリングが現れた。


 老人が、徐おもむろに語りだした。


『未来を見透す先見の眼で、プロメテウスと言うものでございます。』


『また、先人はこれを戦いを終息させる天からの贈り物として、【サーガ】(物語り)と呼びました。』


『あなた様は、天に選らばらし闇を統べる方となられる。』


『陰、極まれば、陽となり、陽、極まれば、陰となる。』


『これが天地創造以来の生きとし生ける者の定めでございます。』


『あなた様という闇と、聖光を宿す女神ナリスが剣を交える時


 全ての終結(大いなるラグナロク、神々の黄昏)と時となりましょう。』


『それゆえに、あなた様は漆黒の破壊騎士クラッシャー.ハルとなられたのです。』


 すべては、運命の糸の成せる業、だれも抗あがなうことができない宿命でこざいます。


 ハル王子は、老人の話しに深く感銘を受け名前を問い訊ねた。


『そなたほどの智恵者が、このような片田舎におったとは……老師の名をお聞かせ願いたい。』


 老人は鮭料理を平らげたのち、柏ノ木の杖を立てて立ち上がり頭を下げ答えた。


『わたくしめは、名もなき放浪の老人でござます。』


『一日も早く、争いのない世界が来るように祈るばりでございます。』


 老人は、杖をついて再び川辺へ下って行った。


 ハル王子は老人の背中を見て、頷き漆黒馬に股がり帰城の歩を進めた。


『スレンよ……よく、この村に俺を連れてきてくれた。』


『感謝する……』


 夕陽が川辺で釣りをする老人の背中を照らしていた。




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