【城塞タレントウム攻防戦】③飛翔剣アンスウェラと銀弓少女アルテミウスの勇躍!!
【城塞タレントウム攻防戦】③飛翔剣アンスウェラと銀弓少女アルテミウスの勇躍!!
ゴォーーーーン)))
ゴォーーーーン)))
見上げるような、巨大魔獣オーガが、タレントウムの鉄丈門を激しく叩く。
『ウワーーッ!』
逃げ惑う人々の叫び声。
『オーガの魔物が襲って来たぞ!』
《オハンの盾》が敵の襲来を知らせた。
混乱の坩堝るつぼと化したタレントウム市街。
二人の勇者、智将アン.スウェラと女傑アル.テミウスが一軍を連れ防壁の上に立った。
アン.スウェラが叫ぶ。
『魔物を、街に絶対入れるなーー!!』
彼の指示により、予あらかじめ鉄釜に沸騰させておいた熱湯が鉄丈門の真上に運ばれた。
ゴォーーーーン)))
ゴォーーーーン)))
ミシッミシッ》》》
魔物オーガの激しい殴打に壊れかかる鉄丈門。
アル.テミウスの銀の弓が満月の様にしなる。
キリキリキリ)))
『エリス.シオンの勇者を甘く見ると痛い目にあうんだからぁー!』
光の矢が目映い閃光を発して、巨大魔獣オーガに向けて放たれた。
ヒユーーーーーーーーーン》》》
((グワァァァァーーーーツ))
その矢は、先頭を行くオーガの右目を貫いた。
魔獣は痛みに暴れだし、仲間同士で争いだした。
アン.スウェラが、ここ一番とばかりに腰に帯びたブルューナクの剣を抜き放ち空に向けて翳かざした。
『魔獣オーガの頭上に熱湯を注げーーー!!』
兵士たちは、命令、号一下、熱湯をオーガに浴びせかけた。
鉄丈門の下で仲間で争うオーガの群れに、追い打ちを掛けるよう
間髪入れない攻撃を加えた。
アル.テミウス弓隊の一軍が秘密兵器【スコルピオ】を防壁へ運んだ。
………………………………………………☆
[解説→スコルピオ〓弩砲トレンタムの一種、小さな大弓発射機]
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収集のつかない状態になった魔獣オーガに向けスコルピオの照準が合わされた。
幼顔の少女戦士が巨大魔獣の群れに立ち向かう!
『スコルピオ!』
『放てーーーーーっ!!』
十数台のスコルピオから、間断なく大矢が射放たれた。
ビューーーーーーーーーッ》》》
ビューーーーーーーーーッ》》》
ビューーーーーーーーーッ》》》
大矢は次々と魔獣に命中し、大きな巨体が地面倒れた。
ドドーーーーーーーン)))
ドドーーーーーーーン)))
ドドーーーーーーーン)))
そこらかしこで、倒れ込む魔獣オーガ。
フニッシュとばかりに、アン.スウェラの聖剣、【ブルューナク】が彼の意思が乗り移ったように宙を舞い
残存している手負いのオーガに止とどめをさした。
キーーーーーーーン》》》
激しく風を切り裂き、魔獣オーガの芯の臓を貫き一掃した。
飛翔剣ブルューナク空で大きく円を描き再び、アン.スウェラの手元に戻った。
ブルューナクと銀の矢、そしてスコルピオによる初戦の大勝利にタレントウムの人々が沸き立った!
『エリスシオンの勇者よ!』
『万軍の如き働きに栄光あれーー!!』
歓喜覚めやらない、鉄丈門の防壁の上で勝利こ雄叫びを上げる。
『おぉーーーーーーーっ!!』
しかし、警告の盾【叫びのオハン】の黄金の四本の角と覆いが震えていた。
『タレントウムは陥落する!』
『四方より敵が侵入ー!』
オハンの盾の声にアル.テミウスが首を傾げた。
物見の塔に登り四方に目を配るアル.テミウス。
『こらぁ~オハンちゃん!』
『脅かさないでよ!』
『街の中のどこにも敵の気配なんてしないよ!』
年長のアン.スウェラがこれに答えた。
『いや……これまでオハンの盾の警告に外れはなかった。』
『アル.テミウス、警戒を怠るな!』
プーッと顔を膨らませる少女アル.テミウス。
『はぁ~い、わかりましたよーだ!』
智将アン.スウェラが防壁の上から魔獣オーガの屍の後方に目を移した。
『実に妙だ?』
『先程までいた、黒山の大軍、魔物ゴブリンの姿がどこにもない?』
その時、2頭の毛並みの良い黒馬が城門前に近付いて来た。
ふんだんに装飾が施された2頭の黒馬。
明らかに、敵の将軍と参謀だと分かる出で立ちでだった。
アル.テミウスが銀の弓をつがえ身構える。
『待て!アル.テミウス。』
制するように、アン.スウェラがが前に出た。
『何者だ!……名を名乗れ!』
黒馬の一人が馬を降り鉄丈門近くで倒れている魔獣オーガの背に座り長いパイプを加え煙草をふかし始めた。
一息付いて、頭に月と星のティアラを頂く美女は立ち上がり口を開いた。
『そなたたちの戦いぶり、実に見事!』
『このまま、犬死に、させるには、余りにも、もったいないと我、主人が申しておる。』
『門を開き、投降せよ!』
『さすれば、我らが軍の将にいたす。』
『金でも、宝物でも望みのままに与えるとの仰せだ。』
防壁の上から、美女を見詰める少女アル.テミウス。
『あーーー!!』
『アン.スウェラ兄さん!』
『騙されちゃだめー!』
『あいつ、悪名高い魔術師、マジョリカのイージスよ!』
顔を曇らせるアン.スウェラ。
((大打撃を被った筈なのに、あの余裕は何だ?))
((まるで、勝利は我が手にありとばかりの堂々とした振る舞い))
((あの女がイージスならば、後ろにいるのは、征服王ドモフ.ウルワッハか!))
アン.スウェラは思いを巡らし、イージスに答えた。
『俺たちは、お前らの手下になる気など毛頭ない!!』
『この街を落とせるものなら、全軍で掛かってくるがいいー!!』
アルテミウスも呼応して拳を上げ叫んだ。
『そうだ!そうだ!』
『おばさん!、とっとと帰れ!』
魔術師イージスは、不敵な笑いを浮かべて黒馬に股がった。
『どうやら、話しても無駄のようだな。』
『これより総攻撃を行う!』
『その首、洗って待っておれーー!!』
黒馬の踵を返して、征服王ドモフ.ウルワッハに事の次第を告げるイージス。
やがて後方に控えていた軍団にその姿は溶け込んでいった。
アル.テミウスがアン.スウェラ
語りかける。
『奴等、負けたもんで、強がってるんだよね、きっと、笑えちゃう!』
『もう姿も見えないくらい撤退しちゃちんだ。』
『ヘナチョコすぎるよねー(笑)』
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ドラン鉱山を間近に見る平原を走る軍馬の一団
タレントウムへ、紅い星ルージュスターの背に乗り、二人の勇者とともに急ぐ戦乙女ヴァルキリーことキュピレスの姿。
その前を1頭の雌鹿が横切った。
雌鹿は、まるで、ドラン鉱山へ誘うかのように走って止まり、また走って止まった。
その雌鹿は全身が光に包まれていた。
((私に何か教えようとしているらしい))
紅い星ルージュスターがいつになく、興奮していた。
『少し寄り道になりますが、行ってみましょう!』
『光る雌鹿は、神々の使い』
『何かお告げがあるのかもしれません!』
ヴァルハラの勇者である二人に促されキュピレスは、ひとまずドラン鉱山を目指した。




