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吟遊詩人の忘れ語り

-己が地を統べる宝護龍の抱きし秘宝-

作者: -Sare-
掲載日:2016/10/13

 はい、如何も。今回は・・・い、一応最終回です。未だ話は幾つかあるんですけれど、高校時代に活躍した子達は此で御仕舞な訳ですね。此の後続くのは現在の自分が書いている訳で・・・あぁ、成長していないなぁ、と痛感する許りです。

 ま、そんな愚痴は置いといて、今回は、今回は何と、タイトルで御分かりの通り、ドラゴンです!!ヒュー!カッコイイ―!惚れる!抱いて!

 ドラゴンは・・・今更説明する迄もありませんよね。有名過ぎて沢山の亜種も出て来てカテゴリも段々とあやふやになった子です。面白い子が沢山います。

 ざっと言ってしまえば翼を持った蜥蜴です。火吐いたり毒持ちだったり泳げたり・・・色々いますね、ある意味説明し難いです。

 其の為此の話はそんなドラゴン達の一部を取り上げました。有名なカラーズです。色違いで能力が個々違うんですけれども、成る可く純正な子に合わせました。

 さて、そんな多彩なドラゴンが護る宝がどんな代物が知っていますか?其が与えてくれるは富か災いか、ドラゴンが本当に護っているのは宝でしょうか、世界でしょうか。

 ある街(マチ)に一攫千金(イッカクセンキン)を夢見(ユメミ)る若者(ワカモノ)が居(イ)た

 男(オトコ)は近(チカ)くの街(マチ)で暴(アバ)れている絳宝護(レッドドラゴン)の棲(ス)む洞窟(ドウクツ)へ向(ム)かった

 武術(ブジュツ)の才(サイ)は全(マッタ)く無(ナ)かったが、夢見(ユメミ)る若者(ワカモノ)は己(オノレ)の敗北(ハイボク)等(ナド)、考(カンガ)えられなかったのだ

 絳宝護(レッドドラゴン)なら宝(タカラ)の一(ヒト)つや二(フタ)つはあるに違(チガ)いない

 男(オトコ)は緋(ヒ)のマントに金(キン)文字(モジ)で呪文(ジュモン)を書(カ)き、其(ソレ)を羽織(ハオ)って勇(イサ)んで洞穴(ホラアナ)へ向(ム)かった


 所々(トコロドコロ)で火(ヒ)の手(テ)が上(ア)がったが、男(オトコ)は其等(ソレラ)を何(ナン)とか避(サ)け、最深部(サイシンブ)へ辿(タド)り着(ツ)いた

 すると其処(ソコ)には既(スデ)に血塗(チマミ)れとなって息(イキ)絶(タ)えた絳宝護(レッドドラゴン)と、一人(ヒトリ)の同(オナ)じく焼(ヤ)け焦(コ)げて息(イキ)絶(タ)えた騎士(キシ)がいた

 男(オトコ)と同(オナ)じ様(ヨウ)に絳宝護(レッドドラゴン)に挑(イド)みに来(キ)たのだろうか

 男(オトコ)はしめたと辺(アタ)りを調(シラ)べ始(ハジ)めた


 程(ホド)なくして絳(アカ)い岩(イワ)の下(シタ)から金(キン)の王冠(オウカン)が出(デ)て来(キ)た

 此(コレ)は中々(ナカナカ)な宝(タカラ)だろう

 男(オトコ)は喜(ヨロコ)んで其(ソレ)を持(モ)って帰(カエ)った


 だが男(オトコ)は考(カンガ)えた

 絳宝護(レッドドラゴン)は未(マ)だ年(トシ)若(ワカ)い宝護龍(ドラゴン)と聞(キ)く、ならばより上位(ジョウイ)の宝護龍(ドラゴン)の方(カタ)が良(ヨ)い宝(タカラ)を持(モ)っているのではないだろうか

 男(オトコ)は欲深(ヨクブカ)だった

 早速(サッソク)街(マチ)に戻(モド)って人々(ヒトビト)に他(ホカ)の宝護龍(ドラゴン)の棲(ス)む地(チ)を聞(キ)いた


 そして王冠(オウカン)を持(モ)って次(ツギ)に向(ム)かったのは、燥剛(ソウゴウ)だった

 男(オトコ)には考(カンガ)えがあった

 あの闘(タタカ)いの場(バ)を見(ミ)て、力(チカラ)では宝護龍(ドラゴン)に勝(カ)てない事(コト)を男(オトコ)は悟(サト)っていた

 でも交渉(コウショウ)は出(デ)来(キ)る筈(ハズ)だ

 然(シカ)も宝護龍(ドラゴン)は優劣(ユウレツ)を付(ツ)ける為(タメ)にも、他(タ)の宝護龍(ドラゴン)の宝(タカラ)を迚(トテ)も気(キ)にすると言(イ)われている

 男(オトコ)は燥剛(ソウゴウ)に棲(ス)んでいた蒼宝護(ブルードラゴン)に斯(コ)う持(モ)ち掛(カ)けた

 絳宝護(レッドドラゴン)の宝(タカラ)が欲(ホ)しくないか、と

 王冠(オウカン)を緋(ヒ)のマントで隠(カク)し乍(ナガ)ら

 勿論(モチロン)だとも

 電光(デンコウ)を迸(ホトバシ)り乍(ナガ)ら蒼宝護(ブルードラゴン)は応(オウ)じた

 では貴方(アナタ)の持(モ)つ秘(ヒ)宝(ホウ)と、交換(コウカン)しませんか

 蒼宝護(ブルードラゴン)は低(ヒク)く唸(ウナ)り乍(ナガ)らマントを見(ミ)た

 宝護龍(ドラゴン)は絳(アカ)と金(キン)を弱点(ジャクテン)とする

 取(ト)るに足(タ)らない人間(ニンゲン)如(ゴト)き、しかし、あれを身(ミ)に纏(マト)っては、宝護龍(ドラゴン)は何(ナニ)も出(デ)来(キ)ないのだ

 仕方(シカタ)なかろう

 蒼宝護(ブルードラゴン)は然(ソ)う言(イ)って金剛石(ダイアモンド)をあしらった砂漠(サバク)の薔薇(バラ)を男(オトコ)に渡(ワタ)した

 男(オトコ)は王冠(オウカン)を渡(ワタ)すと、颯爽(サッソウ)と近(チカ)くの街(マチ)迄(マデ)帰(カエ)ったのだった


 此(コレ)は良(イ)い、男(オトコ)は思(オモ)った

 何(ナン)と珍(メズラ)しい品(シナ)だろうか、此(コレ)を繰(ク)り返(カエ)せば、私(ワタシ)は何者(ナニモノ)にも勝(マサ)る宝(タカラ)を手(テ)に出(デ)来(キ)ると

 男(オトコ)は又(マタ)街(マチ)で他(ホカ)の宝護龍(ドラゴン)の居場所(イバショ)を聞(キ)き、歩(アル)き出(デ)した

 

 次(ツギ)に着(ツ)いたのは砂漠(サバク)の洞窟(ドウクツ)

 珠宝護(ブラスドラゴン)は眠(ネム)りから醒(サ)め、男(オトコ)に応(オウ)じ、皓(コウ)月(ゲツ)の淡雪(アワユキ)なる貴(キ)石(セキ)を渡(ワタ)した

 巉(ザン)巌(ガン)に登(ノボ)る銅宝護(カッパードラゴン)は貴(キ)石(セキ)を鏤(チリバ)めた鎧(ヨロイ)を

 剣山(ケンザン)を舞(マ)う金宝護(ゴールドドラゴン)は金(キン)の鎖(クサリ)を

 嶮岨(ケンソ)を飛(ト)び交(カ)う銀宝護(シルバードラゴン)は銀(ギン)の懐中(カイチュウ)時計(ドケイ)を

 蕭(ショウ)森(シン)に佇(タタズ)む翠宝護(グリーンドラゴン)は珠樹(シュジュ)を

 卑湿(ヒシツ)で咆哮(ホウコウ)する黔宝護(ブラックドラゴン)は黔(クロ)真珠(シンジュ)の首飾(クビカザ)りを

 沿海(エンカイ)の洞窟(ドウクツ)で微睡(マドロ)む碧宝護(ブロンズドラゴン)は雫(シズク)を象(カタド)った蒼玉(サファイア)を

 天(アマ)駆(カ)ける煌宝護(プラチナドラゴン)は雲海(ウンカイ)を写(ウツ)す水晶(スイショウ)を

 吹雪(フブ)く地(チ)に戦(ソヨ)ぐ皓宝護(ホワイトドラゴン)は永遠(エイエン)の冰(コオリ)の華(ハナ)を

 男(オトコ)は世界(セカイ)を廻(メグ)った

 そして終に辿(タド)り着(ツ)いた

 宝護龍(ドラゴン)を統(ス)べる者(モノ)、虹宝護(クロマティックドラゴン)に


 突如(トツジョ)周(アタ)りが暗(クラ)くなったと思(オモ)うと、男(オトコ)の目(メ)の前(マエ)に虹宝護(クロマティックドラゴン)が旻(ソラ)を舞(マ)い降(オ)りて来(キ)た

 他(ホカ)の者(モノ)達(タチ)から其方(ソナタ)の事(コト)は聞(キ)いた

 面白(オモシロ)い男(オトコ)がいると

 虹宝護(クロマティックドラゴン)は徐(オモムロ)に口(クチ)を開(ヒラ)いた

 平伏(ヘイフク)して男(オトコ)は答(コタ)えた

 其(ソレ)は私(ワタシ)だと

 そして例(レイ)の様(ヨウ)に持(モ)ち出(デ)した

 皓宝護(ホワイトドラゴン)の宝(タカラ)が欲(ホ)しくはないか、と

 成(ナル)程(ホド)、其方(ソナタ)の策(サク)は分(ワ)かった

 男(オトコ)は咄嗟(トッサ)に逃(ニ)げようかと考(カンガ)えた

 怒(オコ)らせたかも知(シ)れないと

 まぁ、良(ヨ)いだろう、少(スコ)し待(マ)っておれ

 虹宝護(クロマティックドラゴン)は然(ソ)う言(イ)い、己(オノレ)の背(セ)から何(ナニ)かを銜(クワ)えて来(キ)た

 さぁ、交換(コウカン)だ、我(ワ)が宝(タカラ)を其方(ソナタ)にやろう

 男(オトコ)は冰(コオリ)の華(ハナ)を渡(ワタ)し、恭(ウヤウヤ)しく其(ソレ)を受(ウ)け取(ト)った

 其(ソレ)は銅鏡(ドウキョウ)だった

 相当(ソウトウ)古(フル)い物(モノ)らしく、所々(トコロドコロ)に錆(サビ)が生(ショウ)じている

 我(ワレ)は永(ナガ)き時(トキ)を生(イ)きた宝護龍(ドラゴン)だ

 今(イマ)の世(ヨ)の価値観(カチカン)が如何(ドウ)変(カ)わったか分(ワ)からぬが、辺境(ヘンキョウ)の地(チ)での神(シン)事(ジ)では未(マ)だ使(ツカ)えるのではないか

 虹宝護(クロマティックドラゴン)は嘲笑(セセラワラ)い、華(ハナ)を銜(クワ)えた


 男(オトコ)は失礼(シツレイ)のない様(ヨウ)に勤(ツト)めて丁寧(テイネイ)に言(イ)った

 貴方(アナタ)は誰(ダレ)の宝(タカラ)が最(モット)も優(スグ)れていると思(オモ)うのか、と

 絳宝護(レッドドラゴン)は新参者(シンザンモノ)だから、彼奴(アヤツ)が最(モット)も其方(ソナタ)等(ラ)の価値(カチ)に合(ア)っているだろう、と

 もう一度(イチド)、交渉(コウショウ)する事(コト)は最早(モハヤ)出(デ)来(キ)ないだろう、其(ソレ)こそ、命(イノチ)迄(マデ)奪(ウバ)われるかも知(シ)れない

 男(オトコ)は落胆(ラクタン)し、元(モト)の街(マチ)へ帰(カエ)った

 旻(ソラ)を舞(マ)う虹宝護(クロマティックドラゴン)の銜(クワ)えている冰(コオリ)の華(ハナ)が、星(ホシ)の様(ヨウ)に煌(キラメ)いていた


  -Fin-

 御疲れ様です。一寸長目でしたが如何でしたでしょうか。個人的にドラゴンは迚も可愛くて是非とも背中に乗ったり頭や喉を撫でて揚げたい子なので退治とか嫌なんですよね。何で人間如きにやられないといけないんだ。人間が滅べば良いのに。

 英雄談とか見ていると何時も然う思ってしまいます。八割方は退治されますからね・・・御仲間になれる話は非常に少ないです・・・有名なのはパフ位ですかね。

 今回は男は無事に生きられましたけれども何気に後日談的な物は考えています。(何の話も公開しない丈で一応考えているんですけれどね。)

 男は何も気にしていなかったですけれども、レッドドラゴンは悲しくも退治されましたからね。然も宝を盗まれています。何が起こるかは・・・又別の御話。

 さて、お待たせしましたが次から未知の話になります。ちょーっと日本寄りな話が続きます。次の子は、有名な三兄弟。もう可愛くて可愛くて、飼いたくて仕方がない子です。そろそろ彼らが下山する時期になりましたし、丁度良い頃合いに縁があるかも知れませんね。

 では良い物語を。

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