18.都合の良い夢を見ない⑦〈終〉
お読みいただきありがとうございます。
とても幸せな夢だった。
とても優しい夢だった。
暖かくて、楽しくて、だけど少し悲しくて、寂しくて。
でもやっぱりそれはとても幸せに満ちていて。
夢なら覚めないでほしいと言うのは、こういう時にこそ言うものなのだろうと、そう思う。
一度覚めてしまえば、もう二度と見ることが出来ないと知っているから。
一度覚めてしまえば、この夢の記憶も忘れてしまうと知っているから。
いつまでも、幸せに浸らせてと。
叶わないと分かっている願いを想う。
誰かが笑っていた。
嬉しそうに。楽しそうに。幸せそうに。
それを見ていると、自分も嬉しくなって、楽しくなって、幸せな気持ちになれた。
誰かが泣いていた。
悔しそうに。悲しそうに。寂しそうに。
それを見ていると、やっぱり自分も悔しくなったり、悲しくなったり、寂しくなったりしてしまう。
だけどそれすらも幸せだった。
でもこれは夢だから。
覚めてしまうものだから。
終わりが近いのだと囁くように、風景が変わる。
ふわふわとした雲に包まれるような心地よい光景から。
何も無い真っ暗で冷たく寂しい光景へと変わっていた。
自分と『誰か』の存在だけがそこにある。
その誰かは、すぐそこにいたはずなのに。
ふと気が付けば、ずっと遠くにいっていて。
それを見て、嫌な予感が胸を締め付けた。
追いかけないといけない、ただそう思って走り出す。
だけど、走っても走っても走っても。
その距離は縮まらないどころか、先程よりも離れてしまっていて。
待ってよと叫んでも止まってくれない。
行かないでと頼んでも戻ってくれない。
どれほどの言葉を重ねても、こちらを振り返ることすらしてくれない。
どんどん遠くへ。
どんどん向こうへ。
ダメ。
その先は、ダメ。
それ以上行ってしまったら、もう戻ってこれなくなる。
お願いだから。
やめて。
やめてよ。行かないでよ。一人にしないでよ。
こんな場所に置いていかないでよ。
けれど想いは届かない。
もう見えないほど遠くへと、行ってしまっていた。
奇跡は起こらない。驚くくらいに呆気なく、終わってしまった。
都合の良い夢でないことなど、初めから分かっていたはずなのに。
胸にぽっかりと空いた虚無感が、存在を主張する。
この夢は、これで終わりだ。
空間がボロボロと剥がれるように崩れてゆく。
それに比例するように、夢の記憶が零れ落ちていくのが分かる。
失いたくないと、泣きながら頭を押さえる。
けれど流れる涙に混じって記憶も流れていく。
楽しい思い出も、悲しい思い出も、全部。
もう、『誰か』の顔も思い出せない。名前も思い出せない。
どんな声をしていたのか。どんな笑い方をしていたのか。
いつ出会ったのか。どんな出会い方だったのか。
自分にとって、どんな人だったのかも。
何も、思い出せなくなっていた。
完全に全てが消え去った。
ああ、夢が覚める。
〇
意識を失うも、ものの数分で意識を取り戻したユラは森の中を歩いていた。
「……、……、……」
ぶつぶつと呻くように呟き歩く。
そんなわけがない。何かの間違いだ。
そのような事を、繰り返し繰り返し口にする。
ふらふらとゾンビのようにさ迷っているが、その身体に外傷はない。
むしろ、呪鬼を殺したことで鬼の力がその身に宿り、人よりも丈夫な身体となっている。
ただ、呪いを引き継いだ影響として、片目だけがどす黒く染まっていた。
「……」
引きずっていた槍が、落ちていた石かなにかに触れたのか、カランという音を出した。
その音に反応してユラは一度立ち止まり、手に持った蒼い槍を眺める。
何を思ったのか、彼はその槍で自身の首を掻っ切った。
勢いよく血が吹き出し地面を濡らす。
しかし次の瞬間にはどこにも血の跡は無く、ユラの首にも傷一つ着いていなかった。
「ーーッ!」
カッと頭に血が登り、近くにあった木に拳をぶつける。
「ふッざけるな! ふざけるなふざけるなふざけるなァ!」
叫びながら、何度も何度も木を殴る。
「僕が何をした! どうして僕がこんな目にあわなくちゃいけないんだ! おかしいだろ!? これじゃあ僕は何のためにっ……元に戻せ! こんな力は要らない! だから返せ! 返してくれ! ああああああああああああああッ!!」
ユラの拳は傷つかない。
木よりもユラの皮膚の方が硬いからだ。
やがて木は傾いてゆき、根を剥き出しにして倒れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……頼むから、嘘だって、言ってよ……」
ひどくか細い声で、なにかに縋るように言った。
しかしもちろん、何も起きない。
虚しく、静かな森に響くだけだった。
「アルエ。ディナさん。トルテさん。おじさん、おばさん……」
口に出して、ユラはまた歩き出した。
たださ迷うのではなく、今度はちゃんと目的地を持って歩く。
認めるわけにはいかなかった。認めたくなかった。
こんな現実を、こんな結末を。
確かめるために、彼は進む。
これが自分の勘違いなのだと、信じたかった。
これは何かの間違いなのだと、信じたかった。
そこにはいつもと変わらない日常が待っているのだと、信じたかった。
そう信じていないと、壊れてしまう。
ユラは、自分が今、とても脆い道を歩いているのだと理解していた。
一歩進むにつれ辿ってきたその道は崩れていって、後戻りはもう出来ないのだと理解していた。
それでも、その先にはきっと希望があるのだと信じてその先へ進む。
それは、とても怖い。
確かめてしまえば、言い訳は出来ないから。
目の前の現実を認めざるを得ないから。
今ならまだ、間に合うかもしれない。
逃げてしまえば、知らなくて済む。
真実は闇の中に葬られて、自分の都合の良い現実を信じていられるかもしれない。
それはすごく魅力的な逃げ道だった。
思わずその道に逸れてしまいそうな程、救いに溢れている。
選べる選択肢の中で、ユラが一番幸せに……いや傷つかずに済む道だろう。
けれどユラは進み続ける。
今いる道を進み続ける。
だって彼は信じているのだ。
この先に幸せが待っているのだと、信じているのだ。
たとえ心の奥底で、この道に救いがないことを薄々気付いていながらも。
向かっているのは、村だ。
森を抜けた今、あともう少し歩けば村へ着く。
緊張で鼓動が早くなる。
もう逃げられない。
ひどく喉が渇き、目眩もする。
嫌だ、近付きたくない。知りたくない。見たくない。
そう思っても、足を止めることは無い。
村が見えてきた。
呪鬼が出たという報告を聞いていたからか、雰囲気は物々しく、村の男たちが武器や畑道具を持って入り口を固めていた。
女子供の姿は見えない。避難したのか、家の中にこもっているのか。
遠目にユラの姿を見つけた村人たちは少し騒がしくなるが、それが呪鬼ではないと見るとすぐに静かになる。
ユラはその反応を見て、少し嬉しくなった。
もしかしたら、全て自分の勘違いだったのではないかと、そう思ったから。
早足に駆けて、ユラは村まで行く。
そのユラの、どす黒い眼球を見て、村人たちは武器を構えた。
ユラは、無抵抗を示すため、槍を地面に落として両手を上に上げた。
「僕です! ユラですよ! 呪鬼を殺したから、今の僕は呪鬼だけどだけど、危害を加えるつもりは……」
言葉の途中で、肩に衝撃が走った。
見れば、弓矢が刺さっている。
硬い皮膚のため、貫通まではしていないが、数センチほどくい込み、そこから黒い血が滴っていた。
「馬鹿野郎! 今度はお前ェが呪鬼になる気か!」
「す、すみません! なんだか怖くて、つい……」
呪鬼を攻撃した若者が、怒られていた。
その若者の名を、ユラは覚えている。
村に最初に来た時、挨拶回りをして、ほとんどの村人の顔と名前は一致しているのだ。
名前は、確か……。
「し、仕方ないですよ。僕だって、呪鬼みたいな化物が現れたら攻撃してしまいます。ルジィさんは悪くないですよ」
そう言った瞬間、村人全員がユラを見た。
まるで気味の悪いモノを見ているような目で。
「や、やめてください。タチが悪いですよ。みんなして、僕をそんな目で……ほ、ほら。アルベールさんも、グロリスさんも、ザンジさんダイダさんワーナーサンアンダーサンケイネスカルキアゼルシシナコロペルジャンディオークスネルベ……」
順番に、村人たちの名前を唱えるように言いながらユラは入り口に近づいていく。
引き攣った笑みのユラが一歩近づけば、彼らは一歩後ずさる。
「ほら、僕ですよ。ユラですよ。どうしてそんな顔するんですか。この前は薬草を取ってきたじゃないですか。ああ、あなたは馬に乗せてくれましたよねありがとうございます。ベルさんの奥さんのゼシカさんにはアルエと一緒に果物を貰いましたユラがお礼を言っていたと伝えておいてください。あれ、なんでみんな逃げるんですか。なんで武器を僕に向けてるんですか。ほら! 僕ですよ! この一ヶ月の間、この村にいたじゃないですか! ねえ! 覚えてるんでしょう!? 僕が呪鬼だから怖いだけなんですよねえ!? 僕を知らないからそんなに怯えている訳じゃないんですよねえ!!」
「うわあああああああ!」
ユラに迫られて腰を抜かした一人が尻餅をついた。
ユラは笑顔で彼に手を差し伸べる。
「ほら、シールさん。大丈夫ですか? ほら、ほら、ほらほらほらほら。どうぞ手を掴んで……」
と、無防備なユラの背中に剣が突き立てられ、背中を貫通して腹に生える。
ぐるりと首だけを動かし後ろを振り向くと、そこにはトルテがいた。
「ああトルテさん。僕やりましたよ。呪鬼を殺しました。本当は、予定通りにすぐにこの国から出ていこうと思ってたんですけどね。でもなんて言えばいいんだろ。えっと、そうだ。村のみんなに最後の挨拶でもしようかなって。いきなり居なくなるのもあれですしね。あ、でも一番お世話になったおじさんは街に行ったんでしたっけ。うーん、じゃあおばさんに言伝を預けておいた方がいいんですかね」
「……」
トルテはユラに刺さっている剣を抜き、もう一度ユラに切りかかる。
ユラは何でもないように素手で受け止めようとするが、そのまま指を切り落とされて胸に大きな傷を作った。
「……痛いですよトルテさん。まあ直るんですけどね」
「……呪鬼ってのはほとほと異常な化物だね」
「やだなぁ。化物なんて言わないでくださいよ。僕だって傷つきますよ。身体の傷は直せても、心の傷は直せないんですから。たぶん。やったことないから分かんないんですけどね。というか、前みたいに僕の名前を呼んでくださいよ。分かるでしょ? 分かりすよね。ねえ!」
「知るもんかい。アンタみたいな化物、見たこともないね」
「またまた、面白くないですよその冗談。だって、僕は知ってますよトルテさん。僕を庇ってワイバーンに殺されかけたトルテさんを知っています。その戦いで愛用の武器が壊れてしばらく何も手につかなかったトルテさんを知っています。あれ、思った以上に知らないな、僕。でもほら、思い出して来たでしょう?」
「全くだね。記憶にかすりもしない」
「嘘だ!」
ユラはトルテの胸ぐらを掴んで持ち上げる。
トルテは地面に足が着かず、苦悶の表情を浮かべていた。
「覚えてないのなら思い出せ! 今どうして自分が生きているのか考えてみろよ! あんたは今日、森に行ったはずだ! そこで、見たはずだ! 結界の中の呪鬼を! その呪鬼はどうなった? 手帳を拾ってすぐ解き放たれたはずだ! そしてあんたは村に戻った! アルエたちを呼ぶために! その時、呪鬼を足止めしてた奴は誰だった!」
「そんな、奴は、いな……」
「なら呪鬼はあんたを追ってくるはずだろ! そうならなかったのは、僕がいたからだ! どうして忘れているんだ! 僕はがんばったのに! どうして誰も覚えてないんだよ!」
その叫びは、誰からも理解されない。
誰ひとりとして、彼のことを覚えている者はいないからだ。
傷を直す代償は、命を直す代償は、ユラという人物の記憶、痕跡だったのだ。
自分が死んだ時、『自分が生きていた』という情報を全て集約することで、死亡したという事実を生存しているという事実に上書きするスキル。
たとえるなら、セーブされていた『生前のデータ』をロードしているようなものだろうか。ただし、セーブデータである他人の記憶は一回のロードで全て消去されてしまうのだが。
とにかく、過去の改竄とも世界の改編とも言えるそのスキルが、ユラの持つ【※※】だった。
そのスキルに名前が無い理由など、なんてことはない。
ただ、誰も観測できなかった。それだけだ。
それをユラは信じたくなかったのに。認めたくなかったのに。
化物と言われようと、覚えているよと言って欲しかったのに。
誰も自分の事を覚えている者など、いなかった。
そこに例外はない。
例えば元の世界の家族だろうと。
この世界に飛ばされたクラスメイトたちだろうと。
ユラのことを覚えている者はひとりとして存在しない。
それは、当たり前だがーー。
「騎士様が戻ってきたぞ!」
「トルテ! 抜け出せないのか!?」
トルテはユラを蹴り飛ばし、彼の手から離れた。
ひどく咳込みながら、村人のいる場所まで下がる。
人垣が割れ、そこから歩いてきたのはディナの肩を借りているアルエの姿。
治癒魔術と包帯やらで簡単に手当てされているが、それでも満身創痍には変わらない。
それでも巨大なランスを持ち、騎士の務めを果たそうとしていた。
「……アルエ」
「騎士も勝てぬフェイズⅣを降す者か。惜しいな。呪鬼でなければ、騎士として取り立てていたところだ」
その言葉で、ディナがユラの事を覚えていないのだと理解する。
もしかしたらと、ユラは期待していたのだ。
人を超えている彼女なら、自分を忘れないでいるのではないかと。
その期待は、あっさりと裏切られたのだが。
「アルエ」
ユラが名前を呼ぶと、彼女はユラに目を合わせた。
そこに、以前のような親しみやすさや人懐っこさは微塵も感じられない。
敵意や殺意といった攻撃的な感情が、その瞳には宿っていた。
ユラはそれを見て、彼女に殺されるのなら、いいのかもしれないと思う。
それは結果的に彼女を死なせることになるのだが、2人とも死ぬというのは、なんというかロミオとジュリエットみたいな感じでロマンチックなのではないかと、そんなことが頭に浮かんだ。
そんな思考があったのは、呪鬼を受け継いだことで『殺されたい』という感情が湧いてきたというのがある。
だがそれ以上に、死にたいと、彼は思ったのだ。
このまま誰の記憶にも残らぬまま孤独に生きるくらいなら、好きな人に殺されたいと、そう思ったのだ。
だから。
「僕を殺してよ。アルエ」
「……言われなくてもね」
ディナの肩から離れて、警戒しながらユラに近づくアルエ。
そんなことしなくてもいいのに、とユラは思いながら、両手を広げて彼女を待つ。
まるで恋人の抱擁を待っているような、安らかな微笑みで。
心臓を貫かれる。
ユラは仰向けに倒れた。
死んだ。でも死ねない。
全員の記憶を代償にユラの命は直される。
「あはははは。ああ、これでも死ねないのか」
目元を腕で隠し、涙を流しながら笑う。
周りから見れば、ただ少年が笑いながら泣いているのだと認識される。
瞳を見なければ、ユラが呪鬼だと分からないからだ。
だが、ディナやアルエなど、一定の実力を持つ者にはユラが呪鬼だということは、気配で分かるのだ。
記憶を失われた一瞬だけ唖然としていたが、アルエはすぐに呪鬼を殺す。
殺して、忘れて、殺して、忘れて、殺して、忘れて。
ユラはそれでも死ねなかった。
呪鬼の力がアルエに流れ込むことも無く、相変わらず呪鬼はユラのまま。
「もう、終わりにしよう」
ユラはアルエのランスを逸らして、立ち上がる。
殺された瞬間、アルエが何も認識できない一瞬を利用して、彼女を地面に転ばせた。
「僕も、君のことが好きだったよ」
その言葉は、終ぞ彼を知る彼女に届くことはなかったけれど。
ユラはそのまま歩いて村の入り口まで行き、槍を拾う。
「待て! その槍は、ウチの……ウチ、が? あれ? 違う。呪鬼を倒したら? あげる? 誰に……好き? そんなはず……あ、れ? なにか……忘れ、分からない!」
ユラを追いかけてきたアルエが、頭を抑えながら槍を持つユラを睨みつける。
ひどく苦しそうに胸を抑えて、目には大粒の涙を溜めながら。
「誰なの!? 君は誰なの!? ウチは君のことを知らないのに! 知らないはずなのに! どうして、こんな、こんな……っ!」
「それだけ聞けたら十分だ。ありがとう。さようなら、アルエ」
彼女の中のユラがそれだけ大きく、失われた際の落差があるのだろう。
ユラは満足気に頷いた。
「……本当に、さようなら」
胸を刺して自殺して、全員の記憶をリセットする。
等間隔ごとに死んでいけば、アルエやディナも追ってこれない。
誰の記憶になくても、生き返る。
存在したという痕跡があるからだ。
それは足跡だったり、吐いた息だったり。
星の記憶、あるいは記録とでも言えばいいのだろうか。
死にながら、彼は考える。
どうすれば死ぬことが出来るのだろうかと。
自分は死ぬことが出来るのだろうかと。
当てもなく歩き続けた。
何日も、何日も、何日も。
空腹に倒れ、死んだ。
でも生き返り、今度は倒れる前に死ぬと、空腹は無くなっていた。
歩いて歩いて歩き続けて。
疲労で倒れていた時、誰かに声を掛けられた。
面白そうなことが起きそうだと、ユラはその人物に拾われる。
ユラが、自分を忘れない人と出会うのは、そう遠くないことだった。
いや本当は、ユラくんももう少し幸せな感じで終わるはずだったんですけどね……。
【※※】の認識は死んだら他人に忘れられて復活って感じで大丈夫ですはい。
ついでに【※※】も例に漏れず魔物スキルであるため、そういう魔物もいます。
便宜上『ナナシ』はとても弱い魔物です。
雨に打たれて死んで、風に吹かれて死んで、雪に埋もれ死に、夏の暑さにも死にます。
死なないために開花したのが【※※】です。
死なないためのスキルなので、副産物として『危険センサー』があります。
死にたくないので戦いません。武器も持ちません。という訳で他のスキルを使えません。
実は世界各地で見つけられていたりしますが、目が合った瞬間にショック死するので広まりません。
ただ戦力を持たない子供だとギリギリセーフなので記憶に残ることもあります。しかしやっぱりふとした時に死ぬので忘れます。
都市伝説として座敷童子のような形で伝えられていたりいなかったり。
たぶん手乗りサイズの愛玩動物のような風貌。
知能はあまり高くないからすぐ死ぬ。
おそらく孤独死もする。
……という後付け設定。
いや死んだら忘れられて生き返るくらいしか考えてなかったので、何か矛盾とかあったらそれはミスです。
という訳で、ユラくんの物語はこれで終わりです。
誰も死なず、多くが苦しまず、大勢が幸せになるような優しい物語でした。
だって村は呪鬼の魔の手から守られてハッピー、世界で見ても呪鬼という災害がユラに封じ込められてラッキーって感じですしね。
強いていえばトルテやアルエが死にかけたのが不幸くらいですが。
もう一度、お読みいただきありがとうございました。




