表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の上の願い  作者: 菜菜
3/7

 伸夫は以前住んでいたアパートの隣の部屋に住んでいた息子だ。


 お互い母子家庭の境遇で母親同士仲が良く5歳の年が離れていたが兄と弟のような関係が数年続いていた。


 しかし、その関係も伸夫が8歳の時母親と共に父親の家へ引き取られ


 こちらはこちらで、それから程なくし母親が身体を壊したことで、この母の実家へと転居する事となり連絡が途絶えていた。


 それで縁が切れたと思っていた。


 その伸夫が目の前にいる?


 自分の知っている伸夫は8歳の子供の姿だ。


 子供の頃の5歳の差は絶対的なもので、その頃は自分達の遊びに伸夫がついてこれるか振り返り振り返り


 いつも見上げる伸夫の真っ直ぐな瞳が自分を見ていた。


 その時から20年振りの再会。


「本当に伸夫か?」


 そう言ってはいるが風貌に変わらない面影が残っている。


 見上げるほどに成長しているが今、目の前にいるのは伸夫本人だという確信があった。


「俺、そんなに変わった?子供の時と全然変わんないってよく言われるんだけどな~。


それなら、これはおぼえてる?」


 そう言って伸夫は前髪をかきあげて左のこめかみの傷を見せた。


「まだ残ってたのか…」


「そう、意地とプライドの勲章だよね」


 子供の頃、片親しかいない自分達は度々、その事についてからかわれることがあった。


 言われたらやり返す。


 その傷はその時に出来た傷だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ