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残響の世界  作者: maro
94/105

94話「動機」

オルフェ「命をかけるですって?

     ふふ、ここからは能力を使うごとに

     あなたの寿命を

     消費するのでしょう?

     ならば!」


オルフェはユウへ肉薄し、目にも止まらぬ連撃を叩き込む。


オルフェ「この回避不能の連続攻撃ならば

     どうです!」


ユウ「くっ!バリアのイメージ!」


ユウがは両手をクロスさせ、屈み、防御体制をとった。


さらに、再びバリアを展開し、攻撃を受け止める。


だが、その体はさらに白く透けていく。


オルフェ「いいのですか!?

     バリアを使っても!

     寿命を使うのでしょう?

     私の攻撃を受けて死ぬか、

     寿命で死ぬか、

     さあ、どちらか選びなさい!!」


ユウ「うわ、どっちも最悪じゃないか。

   嫌な奴~。」


ユウ(絶対絶命のピンチって奴か。

   ふっ、命を賭けるなんて言っちゃって

   俺らしくない。

   どうしてこうなったんだっけ?

   そうだ。最初は親の仇を取るつもりで

   アクトに入ったんだった。

   その後、俺の能力が判明して…)


◆ユウの回想


レガトゥス「君の能力は頭のイメージを

      実現するというもの。

      しかし、それには

      アビスエネルギーを消費する。

      そのエネルギーが無くなれば

      寿命を消費する。

      いいかい。いざって時以外は

      戦ってはダメだよ。」


ユウ(レガトゥスさんから

   “戦わなくてもいい”という

   免罪符を手に入れてから

   すべてが変わったんだった。

   いつしか、親の仇を取るという目標は

   なくなり、楽して稼ぐために

   戦闘にだけ参加するようになった。

   その結果…)


◆仲間たちの評価


テツ「あいつはようわからん奴だからな。」


シノ「給料ドロボー。」


レン「ダメな大人ですね。」


ナルミ「ふっ、美しくない。」


ユウ(みんなからの評価は最悪になった。

   しかし、それでも俺はいいと思った。

   下手したら命を失う能力。

   そんな危険な能力を使うぐらいだったら

   嫌な奴だと思われたほうがマシだって…

   でも……)


ヒビキの必死な姿。


レガトゥスの死。


西支部の仲間たちの最期。


その光景が次々と脳裏に蘇る。


ユウ「ヒビキ君達の一生懸命な姿や

   死んでいったみんなを見ていたら、

   気づいたんだよ……」


ユウは顔を上げた。


その瞳には、これまでにない強い決意が宿っていた。


ユウ「見ているだけじゃダメだ。

   このまま終わらせちゃ……

   ダメだってな!!」


カメラが真上へ引き、ユウの周囲に光の粒子が舞い上がる。


ユウ「だから――

   俺は、お前を倒すために

   この命をすべて使う!!!」


空が轟音とともに裂ける。


ユウは右手を天へ掲げ、人差し指を立てた。


ユウ「隕石メテオ!!!」


その指がオルフェを指し示した瞬間――


空一面を覆う“巨大隕石”が出現した。


ゴゴゴゴゴ……!


隕石はバリアを張るユウとオルフェめがけて落下する。


頭上の影に気づいたオルフェが絶叫する。


オルフェ「な、なに!!

     隕石を召喚したですって!?」


ユウへの攻撃を止め、隕石を受け止めようと両腕を広げる。


オルフェ「ぐぎぎぎぎ!」


だが、隕石の超高温がオルフェの体を焼き尽くしていく。


オルフェ「がああああああ!!」


ズドォォォン!!


荒野に巨大クレーターが形成され、


オルフェは完全に消滅した。


クレーターの上空には、

バリアを張ったまま真っ白に透けたユウが浮かんでいた。


そして――


力尽き、ゆっくりと落下する。


ドサッ。


ユウは息絶える直前、かすかに微笑んだ。


ユウ「あとは頼んだよ、ヒビキ君……」


◆場面転換:アビス城・深部へ向かうDチーム


ヒビキ「!!!!」


突然立ち止まるヒビキ。


キリヤ「どうした、ヒビキ?」


ヒビキ「いや、ユウさんの声が

    聞こえた気がして…」


キリヤ「別の道行ったんだから空耳だろ。

    さあ、先急ぐぞ。」


ヒビキ「……。」


煽り:最後に実現したイメージ――

   それはヒビキへ託された“想い”だった。

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