93話「実現」
ユウ「君は能ある鷹は爪を隠すという
言葉を知っているかい?」
オルフェ「くっ…」
殴られた顎を押さえながら、オルフェは信じられないという表情を浮かべた。
オルフェ(さっきまで寝そべって
戦う気のなかった奴が
急に動き出した…!?)
オルフェ「もちろん、知っていますが、
鷹とはまさかあなたのことでは
ないでしょうね?」
ユウ「ああ、そのまさかさ。」
ユウは瀕死のテツと、倒れた仲間たちの遺体へ静かに視線を向けた。
ユウ「この部屋では戦いたくない。
場所を変えさせてもらうよ。」
その言葉と同時に、周囲の景色が揺らぎ――
城の部屋は消え、誰もいない荒野へと変貌した。
オルフェ「!!!!!」
オルフェ(周囲の景色が変わった!?
空間転移系の能力者か!?)
ユウ「…俺の能力は実現。
頭で思い描いたイメージを
実現できる能力だ。」
オルフェ「なっ!!」
ユウ「光となるイメージ。」
ユウの体が眩い光へと変わり、そのままオルフェへ襲いかかる。
バジッ!
光速の拳がオルフェの顔面を撃ち抜いた。
オルフェ(こ、この速さは光そのもの…!?
さっき奴が言っていたことは
ブラフではなく本当か…!?
しかし、これだけの能力、
何か条件か弱点があるはず…!!)
光の拳を浴びせながら、ユウは淡々と語る。
ユウ「その通り。この能力には
いくつか使用条件がある。
条件①:
この能力で攻撃する場合、
対象を目視してから20分は
待たなければいけない。
条件②:
最初の攻撃から15分以内にその対象に
能力の説明をしなければならない。
条件①と②を満たせない場合、
俺は死ぬ。だから、君にはこのまま
殴られながら
説明を聞いてもらうよん。」
オルフェ(くっ…!最初から能力を使わず、
説明し出したのはそのためか…!)
ユウ「条件③:
この能力で直接対象の体に
何かをすることはできない。
つまり、お前の首をチョンパするとかは
できないってこと。」
オルフェ(イメージで直接
私を殺さないのはそのためか…!)
ユウ「そして、条件④:
この能力は使用するごとに
俺が貯めた
アビスエネルギーを消費する。
エネルギーが0になった場合、
俺は能力を使用するごとに
残りの寿命を
支払わなければならない。」
オルフェ(!!!!
こいつが今まで戦わなかったのは
そのためか…!)
ユウ「そう。俺が今まで戦わなかったのは
そのためさ。
勝てる戦にまでエネルギーを
消費してはもったいない。
エネルギーってのは
こうゆう時のために
溜めておくもんだろ?」
オルフェ(だが、今聞いた条件ならば
付け入る隙はある…)
オルフェ「ならばこれでどうです!」
オルフェはダークニードルを放つ。
ユウ「!!!!」
ユウ(これはガードするしかない!バリアのイメージ!)
ユウはバリアを展開し、連続する触手攻撃を受け止める。
だが――その体が徐々に白く透け始めた。
オルフェ(奴の体が白くなった…!もしや…)
ユウ(や、やばい…
貯めたエネルギーがそろそろ切れる。)
ユウ「雷のイメージ!」
空から雷が落ち、オルフェを直撃した。
ズドーン!
オルフェの体の一部が黒焦げになり、ダークニードルが止まる。
ユウ(今のでも倒せなかったか。
まずいね、全部使いきっちゃったよ。)
オルフェ「…ふふ、私も今の技は
もう出せませんが、
あなたももう
エネルギー切れのようですね。
さあ、どうします?」
ユウ「バレちゃったなら、仕方ない。
…ここからは命をかけようかな。」
煽り:エネルギーを使い果たしたユウ。
勝機は、まだ…残されているのか…?




